「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

NIMS,金沢大 磁気冷凍システムで水素の液化に成功

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)、金沢大学および大島商船高等専門学校からなる研究チームは4月11日、磁気冷凍システムの極低温における駆動を実現し、このシステムによる水素の液化に成功したと発表した。これにより、磁気冷凍法による実用的な水素液化が実証され、低コストで省エネルギーな水素液化プラントの開発に一歩前進した。
今回研究チームは、最適化された超電導磁石の磁場中に磁性体を出し入れすることで、高効率で発熱の少ない磁場変化を与える機構を開発。さらに能動的蓄冷式磁気冷凍(AMRR)に最適化した熱交換器を開発するとともに、磁性体形状の改良を実施。これらにより、冷却動作温度範囲の拡大と極低温で安定したAMRRサイクルを実現し、世界で初めてAMRRによる水素の液化に成功した。
今後この技術を高めることで、より高出力、高効率の磁気冷凍機を開発し、低コストで省エネルギーな水素液化プラントの実現を目指す。

21年分譲マンション1位野村不,2位三井不,3位大和ハウス

不動産経済研究所(本社:東京都新宿区)は4月12日、2021年の供給実績をもとに、売主・事業主別の供給占有面積ランキングを公開した。
全国でトップとなったのは2年連続で野村不動産だった。供給占有面積は28万9,222㎡で、前年と比べると1万4,946㎡(5.4%)増えている。2位は前年4位の三井不動産レジデンシャルで、前年比60.9%増の28万8,524㎡。3位は同78.1%増の大和ハウス工業、4位は三菱地所レジデンス、5位プレサンスコーポレーションとなった。
調査対象は全国の新築分譲マンションで、投資用ワンルームマンション、定期借地権マンションも含んでいる。調査は2018年に開始し、今回が4回目。

新田ゼラチン 世界初のコラーゲン人工腱研究開発へ

新田ゼラチン(本社:大阪府八尾市)は4月11日、世界初となる靱帯再建術用コラーゲン製人工腱の研究開発を目的に、北海道大学産学・地域協働推進機構内に「バイオマテリアル構造設計部門」を2022年4月1日より開設したと発表した。
同部門で、靱帯断裂や損傷等を受傷したスポーツ選手をはじめ一般患者への靱帯再建術で使用するコラーゲン人工腱研究開発を行う。この靱帯再建治療により、従来の自家腱移植術等による患者の負担を減らし、多くの患者が元の運動機能を取り戻せるよう北海道大学と協働する。

帝人フロンティア ゴム補強用Pナノファイバー開発

帝人フロンティア(本社:大阪市北区)は4月11日、タイや、ホース、ベルトなどに使用される従来のゴム補強材よりも補強性能に優れ、環境負荷低減に貢献するゴム補強用ポリエステルファイバー短繊維を開発したと発表した。
ゴム補強用短繊維の断面をポリエステルナノファイバーとポリエチレンの2種類のポリマーを配した海島複合断面とすることで、少量の添加であっても従来品と同等以上の補強効果を発現し、環境負荷低減を実現するという。

ホンダ EVに世界で30年までに30車種,年産200万台超

ホンダ(本社:東京都港区)は4月12日、2030年度までの10年間で電気自動車(EV)やソフトウエアに5兆円を投資するとのEVのグローバル戦略を発表した。EV以外も含めた研究開発全体では約8兆円を投じる。
EV普及に注力、2030年までに世界で30車種を展開し、EVの年間生産200万台超を計画する。この裏付けとなる全固体電池の実証ラインに着手、約430億円を投じ、2024年春に立ち上げを予定。これにより、2024年に商用EV軽自動車を100万円台で市場投入する。
同社は脱炭素を強力に推進し、2040年に新車販売をすべてEVか燃料電池車(FCV)とし、ガソリン車から撤退する方針を掲げている。

NXHD 中国-ラオスを鉄道輸送の複合輸送サービス提供

NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は4月12日、中国のグループ会社、NX国際物流(中国)有限公司(以下、NX中国)が中国-ラオス間を鉄道で輸送し、そこからタイなど東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国にトラックで運ぶ複合輸送サービスを4月1日から開始したと発表した。
2021年12月に中国・昆明とラオス・ビエンチャンを結ぶ中国ラオス鉄道が開通したことで、大量輸送が可能な鉄道とトラックの組み合わせによる複合輸送が、それまで主流だったトラック輸送に取って代わった。
これにより、トラックのみでの輸送よりも早く安定した輸送日数となり、中国とラオスの国境の混雑も回避することができる。また、鉄道を使うため二酸化炭素(CO2)排出量も少なくて済む。このため、NXHDは鉄道を利用した複合輸送などを拡充、強化していく方針だ。

マツダ 国内2工場を2日間停止 中国の都市封鎖で

マツダは4月12日、本社工場(所在地:広島市)と防府工場(所在地:山口県防府市)のについて、14日と15日の稼働を停止すると発表した。中国・上海市などの新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市封鎖の影響で、取引先の工場が停止して一部の部品が調達できないため。減産になる台数は明らかにしていない。
同社は4月4日、5日にも同じ理由でこの両工場の稼働を停止している。

トヨタ 5/12~新型BEV「bZ4X」発売 サブスクで提供

トヨタ自動車は4月12日、新型BEV(Battery Electric Vehicle)「bZ4X」を顧客の不安解消と環境への配慮のため、5月12日よりリース販売すると発表した。利用期間を通して顧客に寄り添ったサービスを提供していくことを目指し、サブスク「KINTO」(定額サービス)で提供する。
5月12日より第1期として3,000台分の申し込み受け付けを開始する。秋口に第2期、以降順次申し込みを受け付け、初年度は5,000台分の生産・販売を予定。充電インフラの拡充にも取り組む。今後のBEV普及進度を踏まえつつ、2025年度をめどに、全国のトヨタ販売店に急速充電器を設置していく計画。まず2022年はBEV需要が高い地域を中心に順次設置を進めていく。

川崎重工 エアバスと水素航空機で連携 インフラ整備へ

川崎重工業(本社:東京都港区)と航空機大手、欧州のエアバス(本社:フランス・トゥルーズ)の日本法人は4月12日、水素を燃料とする航空機の商用化に向けて、水素の供給インフラの整備などで連携すると発表した。覚書を締結し、水素の生産から空港への輸送、航空機への補給まで、様々な段階における水素サプライチェーンのの構築を調査する。将来は水素航空機の開発を共同で進める可能性も示した。
空港の水素の供給網を整備し、航空機やトラックなど様々な交通インフラにも広げるためのノウハウを1年間に積み上げる。
川崎重工は2016年から取り組んできた水素の商用化に向けた技術実証をこのほど終え、水素の調達のめどを立てた。エアバスは2035年までに水素航空機の商用化を目指している。