製薬大手の住友ファーマ(本社;大阪市)は11月29日、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から光を感じる網膜のシートをつくり、目の難病「網膜色素変性症」に患者に移植する臨床試験を米国で開始すると発表した。
米マサチューセッツ州の病院と協力し、網膜シート(直径約1ミリ)を患者12人に移植。国内の研究よりも細胞数を増やし、安全性や視機能の改善などの有効性を確認する。視細胞を含むシートを国内で作製して米国に空輸し、2025年度に1例目の移植を目指す。
網膜色素変性症は、暗いところでものが見えにくくなったり、視野が狭くなったりする難病。光に反応して神経に情報を伝える「視細胞」が減少して発症する。国内に約3万人、米国では約8万人の患者がいると推定されている。
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繊維大手ユニチカ 赤字続きの祖業の繊維事業から撤退へ
大手繊維メーカー、ユニチカ(本社:大阪市中央区)は赤字が続いていた祖業の繊維事業から撤退する方針を固めた。需要が伸びている食品包装や半導体関連の材料に使われるフィルム事業に経営資源を集中する。これに伴って、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行などの主力銀行も300億〜400億円規模の債権放棄を行う方向で調整する。
同社のルーツは尼崎紡績で、1889年に創業した後、天然繊維の紡績工場から脱却、黎明・成長期の化合線繊維の製造を手掛ける中、主力メーカーの一角として、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど化合繊繊維事業を拡大し、日本の繊維産業の近代化や戦後の高度経済成長を支えた。
ただ、近年は様々な構造改革にも関わらず、日本の繊維産業を取り巻く大きな環境変化も加わり、海外の低価格品との競争激化で衣料品や生活雑貨向けの戦時事業の業績は大きく落ち込んでいた。
住友商事, 四国電力 カタール国際入札で発電造水事業受注
住友商事(本社:東京都千代田区)と四国電力(本社:香川県高松市)は11月26日、韓国南部電力(以下、KOSPO)とKorea Overseas Infrastructure & Urban Development Corporation(以下、KIND)とともに、カタール送電水道公社(以下、Kahramaa)が実施した国際入札で、Facility E発電造水事業権益を受注。今回4社を代表して住友商事とKahramaaとの間で長期売電売水契約を締結したと発表した。
今後4社はカタール発電造水会社、カタール国営石油公社と共同で事業会社を設立する。これはカタールの首都ドーハから約25km南のRas Abu Fontas地区にある発電所跡地に、天然ガス火力発電所(2,400メガワット)と海水淡水化設備(49.5万トン/日)を新設し、運転する民活型発電造水事業。