大阪高裁で4月17日、勤務先の工場でアスベスト(石綿)を扱い、じん肺を発症したとして、元労働者の遺族が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決があった。判決は「除斥期間」の経過を理由に原告側の請求を退けた一審、大阪地裁判決を取り消し、国に賠償を命じた。
今回の訴訟の主な争点は、不法行為から20年で賠償を求める権利がなくなる除斥期間の起算点だった。判決は起算点について、行政から健康被害を認める決定を受けた時とし、国の運用とは異なる判断を示した。
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WTO 25年世界貿易量3.2㌽下落 米の高関税政策影響
世界貿易機関(WTO)は4月16日、2025年のモノの貿易量が前年比0.2%減となり、2年ぶりに減少するとする最新の世界貿易見通しを発表した。3.0%増になるとしていた2024年10月の前回予測から3.2ポイント大幅な下方修正となる。米国のトランプ大統領による高関税政策の影響で、世界各地で貿易が停滞すると見込んだ。
地域別では、北米では輸出が12.6%減、輸入は9.6%減といずれも大幅に落ち込むと予測した。米国と中国の貿易が減少する影響で、中国から北米以外の地域への輸出は4〜9%増加し、競争が激化すると指摘している。
今回の見通しは4月14日時点で実施されている措置に基づいて試算し、米国が一時停止している「相互関税」の上乗せ分の影響は含まれていない。