「アジア-国際交流」カテゴリーアーカイブ

日米合意 相互関税, 自動車関税各15% 米国へ80兆円投資

トランプ米大統領は7月22日、関税措置を巡る交渉で日本と大規模な貿易協定を締結したことを明らかにした。
この要点は①新たに米国内で数十万人規模の雇用を創出する、自動車、半導体、エネルギー分野で日本から5,500億ドル(約80兆円)の巨額の民間投資を受け入れる一方、②日本に対する25%の相互関税を15%に引き下げる③25%課せられていた自動車関税を元々の関税と合わせて15%とするーーの3点。
このほか日本はコメ農家保護の立場から、コメについて輸入総量を増やすのではなく、関税のかからない77万トンのミニマムアクセス米の枠内で、米国からの輸入割合を実質的に拡大し、輸入量を増やす。

EU 報復関税を8/1まで延期 交渉優先も「必要なら対抗措置」

欧州連合(EU)の欧州委員会のフォンデアライエン委員長は7月13日、当初14日までとしていた米国への報復関税の発動猶予を8月1日まで延期する方針を明らかにした。トランプ米大統領が12日、EUに対し30%の関税を8月1日から課すと表明したのを受け、残された時間で交渉による解決を目指す姿勢を強調した。とはいえ、交渉だけに固執しているわけではない。交渉が決裂した場合には、強硬な対抗措置も辞さない構えだ。

EU ウナギをワシントン条約の規制対象に提案 日本は反対

欧州連合(EU)は6月27日、ニホンウナギなどウナギ全種を絶滅のおそれがある野生生物の国際取引を規制するワシントン条約の対象に加えるよう事務局に提案した。今年11月からウズベキスタンで開かれる締約国会議で議論されることになる。
これを受け、小泉農林水産相は同日、ニホンウナギなどは十分な資源量が確保されているとして、EUの提案に反対するよう各国に働きかけていく考えを示した。

NATO首脳 防衛費5%採択 加盟諸国に重い財政負担

オランダ・ハーグで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議は6月25日、加盟国の国内総生産(GDP)に占める防衛費の割合を5%(中核的な防衛費3.5%、関連投資費1.5%)に引き上げる新目標を盛り込んだ首脳宣言を採択した。
これは、NATOの姿勢に懐疑的なトランプ米大統領の防衛費の増額要求に応えたもの。従来の防衛費の目標は2%以上だった。これでも2024年時点でスペインやイタリアなど9カ国が下回っており、5%の達成は容易ではないことがうかがわれる。
今回極めて難しい数値を目標に掲げたのは、ウクライナ支援などでトランプ米大統領をNATOにつなぎ留める狙いがあるためだ。そのため、新目標の達成期限は2035年までと”ゆとり”もたせている。

プーチン大統領 異例の安倍昭恵さん招待 クレムリンで面会

ロシアのプーチン大統領は、故安倍晋三元首相の妻の昭恵さんとモスクワのクレムリン(大統領府)で面会した。ロシア大統領府が5月29日発表した。面会の様子は、ロシアの国営テレビで放送された。
プーチン氏は「ロシアと日本との関係発展に大きな貢献をした」と安倍元首相を称え、昭恵さんに謝意を示した。また、「私は彼と非常に良い個人的な関係を持った」と回顧。安倍氏の地元、山口県で首脳会談を行った2016年の自身の訪日に関しても「覚えている」と述べた。
日本政府はウクライナ侵攻を理由にロシアに制裁を科す中、異例の招待だった。面会の詳しい経緯などは明らかになっていない。

和歌山・白浜町のパンダ4頭返還 6/28に中国へ出発決定

和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドは5月23日、中国への返還が決まっているジャイアントパンダ4頭の返還日が決まったと発表した。6月28日に中国へ向けて出発する。返還されるのは同施設で飼育されている、いずれもメスのパンダ、「良浜(らうひん)」とその子どもの「結浜(ゆいひん)」「彩浜(さいひん)」「楓浜(ふうひん)」の4頭。
日中の保護共同プロジェクトの契約期間が今年8月で満了することに伴うもの。4頭は中国四川省の成都市の基地に返還される予定。

フランスの地域圏と関西広域連合が連携拡大 新興企業支援

フランスのパリを含む首都近郊の「イルドフランス地域圏」のトップ、バレリー・ペクレス議長が5月14日、滋賀県を訪れて、関西広域連合の連合長を務める三日月知事、京都府の西脇知事らと会談した。会談で両者はスタートアップ企業の支援に取り組むことや、両地域の大学生や高校生と交流を進める仕組みを検討することなど、観光以外の分野でも連携していくことで一致した。
関西広域連合とイルドフランス地域圏は6年前に、観光分野での連携を強化する覚書を交わしている。

欧州4首脳 露に5/12から30日間停戦要求 拒否なら制裁

英国、フランス、ドイツとポーランドの欧州4首脳は5月10日、ウクライナの首都キーウを訪れ、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。その結果、米国の監視下で30日間の無条件停戦を12日から始めるようロシアに要求し、応じない場合は制裁を強化する方針で一致した。スターマー英首相、マクロンフランス大統領、メルツドイツ首相、ポーランドのドナルド・トゥスク首相とゼレンスキーの5人の会談に続き、トランプ大統領と電話で協議した。

ADB総会 米、対中融資の終了主張 中国反発 対立鮮明に

イタリア・ミラノで開かれているアジア開発銀行(ADB)の年次総会で5月5日、米国がADBの中国向け融資の終了を主張したのに対し、継続を訴える中国が強く反発し、米中の対立が鮮明になった。
米国は財務省のマーガレット・クーロウ次官補代理が「ADBの支援は開発途上国に重点を置くべきだ。所得水準が高い国は支援を卒業する必要がある」と強調。そのうえで「特に中国への具体的な措置が必要だ」と、名指しで対中融資の終了を訴えた。これに対し、中国の藍物安財務相は「根拠がなく、中国は卒業の基準を満たしていない」と反論した。
ADBの2024年12月末現在の融資残高は1,538億ドル(約22兆円)で、うち中国向けは181億ドルと1割以上を占めている。米国は日本と並ぶADBへの最大の出資国で、15.6%を出資。中国は日米に次ぐ6.4%を出資している。

BRICS 共同声明採択できず 中露主導の拡大路線が裏目

ブラジルのリオデジャネイロで開かれていたBRICSの外相会議は4月29日、2日間の日程を終え閉幕した。注目された共同声明は、2024年に加盟したエジプトとエチオピアが国連改革を巡る文言に反対し、採択に至らなかった。欧米への対抗姿勢を鮮明にし、中露主導で進めた加盟国の拡大路線が裏目に出た形だ。
会議には新規加盟国に加え「準加盟国」と位置付けられる「パートナー国」も初参加し、計20カ国の外相らが集結した。トランプ米政権の高関税政策も踏まえ、共同声明を出して結束をアピールする考えだった。最後まで溝が埋まらなかったのは、国連安全保障理事会の改革を巡る議論だった。また、議長国ブラジルは閉幕後、「不当で一方的な保護主義政策の台頭」に対して、「深い懸念」を表明する議長声明を発表した。