ホンダは5月13日、カナダでの電気自動車(EV)工場建設計画について、2年程度延期すると発表した。当初は2028年の稼働を予定していたが、2030年以降にずれ込む。世界的にEVの販売が減速していることに加え、米国の関税政策の影響も重しとなる。
同社のカナダでのEV工場は、最大で約1兆2,000億円を投資する計画で、年間24万台の生産を目指している。同社は2040年に、世界で販売するすべての新車をEVか燃料電池車(FCV)にする目標を掲げている。
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日産 国内外7工場閉鎖, 2万人削減へ 最終赤字6,708億円
日産自動車は5月13日、2027年度までに日本を含む世界で7工場を閉鎖し、連結従業員の15%にあたる2万人を削減するリストラ策を公表した。
世界に17ある完成車工場のうち、7工場を閉鎖し、計10工場に集約する。具体的な工場名は明らかにしていないが、国内の完成車工場も検討対象に入っている。これにより、中国を除く世界での年間生産能力は300万台から250万台に削減される。
27年度までの人員削減は、発表済みの9,000人から2万人に上乗せした。内訳は車両生産に従事する生産部門で65%、営業や人事などの一般管理部門で18%、研究開発部門で17%。同社の連結従業員数は2024年3月期で13万3,580人。国内従業員も対象となる。
同日公表した2025年3月期連結決算は最終利益が6,708億円の赤字(前期は4,266億円の黒字)で、比較可能な1986年3月期以降、過去3番目の赤字額となった。2026年3月期の業績予想では、米国の関税措置の影響が営業利益を最大4,500億円下押しする可能性があり、業績をさらに悪化させる懸念もある。
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日産 北九州市 EV電池工場建設断念 業績不振, 市場鈍化で
日産自動車(本社:横浜市西区)は5月9日、北九州市で計画していた電気自動車(EV)向け電池工場の建設を断念すると発表した。業績不振やEV市場の成長鈍化で、投資に見合う利益を得られないと判断した。
日産の計画では、1,533円を投じて15万㎡の敷地に新型のLFP(リン酸鉄リチウムイオン)電池工場を建設、2028年の稼働を見込んでいた。新型電池は、従来のリチウムイオン電池に必要なレアメタルを使わずに製造できる。これにより3割のコスト減につなげ、次世代EVに搭載する考えだった。
同社は1月に地元自治体と立地協定を締結したばかりで、経済産業省はこの計画に最大557億円の補助金を出す方針だったが、9日に認定を取り消した。
大阪IR「MGM 大阪」へ ブランド力で世界最高のIR実現
国内初のカジノを中核とした統合型リゾート(IR)の事業会社「大阪IR」は5月9日、社名を「MGM 大阪」に変更すると発表した。変更は1日付。米リゾート大手、MGMリゾーツ・インターナショナルのIR開発・運営の知見をはじめとするブランド力を活用し、大阪で世界最高水準のIRの実現を目指すとしている。
大阪IRには、MGMの日本法人とオリックスが約41%ずつ出資し、パナソニックホールディングスや鉄道大手など、関西を中心に22社が残りを出資している。社名変更後もこの出資比率は変わらない。
大阪でのIRは2030年秋ごろの開業を目指しており、年間2,000万人の来訪と、約5,200億円の売り上げを見込む。
パナソニックHD 1万人削減 構造改革で国内外スリム化
パナソニックホールディングス(HD)は5月9日、希望退職などで1万人規模の人員削減を実施すると発表した。
人員削減は主に2026年3月期に実施。対象はグループ全体の従業員で、国内5,000人、海外5,000人を想定する。パナソニックHDの連結従業員数は2025年3月末時点で20万7,548人で、削減規模は全体の5%弱に相当。総務や人事など間接部門が肥大化し、固定費の負担が業績を圧迫していることから構造改革の一環として、組織のスリム化を図る。
一連の構造改革で計1,500億円以上の利益改善を目指す。主要なものとして、①人員削減による利益面の改善効果は700億円②家電などを手掛けるパナソニックの分割・再編で330億円③不採算事業からの撤退や拠点統廃合420億円ーーなどを見込む。
構造改革に加え、車載電池事業など注力事業の収益性を向上させることで、2029年3月期までに利益面で3,000億円以上の改善を図るとしている。
任天堂「スイッチ2」初年度販売1,500万台目標
任天堂は5月8日、6月に発売する新型家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」の販売目標を軸とする2026年3月期の業績予想を発表した。スイッチ2の販売目標台数を、現行機のスイッチの初年度販売実績(1,505万台)並みの1,500万台とする。スイッチ2は現行機より約3割画面が大きく、遠隔地のプレーヤーと会話できる「ゲームチャット機能」などが追加されている。スイッチ2のソフトは4,500万本の販売を目指している。専用ソフトとして「マリオカート」「星のカービィ」など人気タイトルの新作を発売し、本体の販売につなげる。
スイッチ2の発売効果で、売上高は前期比63.1%増の1兆9,000億円、最終利益は7.6%増の3,000億円を見込む。