京都大学グループ、大阪の医薬品メーカー、東和薬品は6月3日、遺伝性のアルツハイマー病治療について、iPS細胞を薬の開発に応用する「iPS創薬」と呼ばれる手法で効果がみられた、パーキンソン病の既存の治療薬「ブリモクリプチン」にアルツハイマー病と関係する物質を減らす効果があることを見つけ、この実用化を目指し最終段階の治験を始めたと発表した。
グループはこれまで特定の遺伝性アルツハイマー病の患者を対象に治療を行ってきた。その結果、ブリモクリプチンを投与した患者は認知機能の低下など、症状の進行が抑えられる傾向があったという。そこで実用化に向けて、東和薬品が患者24人を対象にした最終段階の治験を5月から始めたことを明らかにした。
この最終治験は2028年3月まで行う予定で、有効性や安全性が確認できれば、治験が終了してから1年程度で国に承認申請したいとしている。
「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ
川崎重工など3社 液化水素運搬船の建造体制構築で協業
5月国内新車販売4%増”ダイハツ不正”反動 5カ月連続プラス
日本旅行と損保ジャパン 宇宙ビジネスで協業, 包括協力
日本旅行(本社:東京都中央区)は6月2日、同社創業120年の記念事業として月に思いを届けるプロジェクト「We are going to the Moon!」に、損保ジャパン(本社:東京都新宿区)がパートナーとして参画、両社が宇宙ビジネスの発展を目的とした包括協力の協定書5月29日に締結したと発表した。
手始めに宇宙空間における輸送リスクを整理し、適切なリスク転嫁を両社で検討のうえ、月面輸送に関わる保険の組成を行った。また、月面へ輸送するペイロード(人工衛星等宇宙機への搭載物)の製作および、輸送事業者とのインターフェイス(宇宙機と搭載物の接続部分)調整におけるリスクに対する助言を、SONPOグループのSOMPOリスクマネジメント株式会社が行っている。
水産物の対中輸出再開へ日中が合意 10都県禁輸は継続
KDDI「スターリンク」活用のドローン運航 年内に実証実験
KDDIは5月29日、年内に米宇宙企業スペースXの衛星通信網「スターリンク」との直接通信を活用して、ドローンを運航する実証実験を行うと発表した。地震など災害時の活用が期待され、2026年3月までの実用化を目指す。
KDDIは10月以降に順次、全国1,000カ所にドローンが離着陸する拠点となる機器を整備する。震災からの復興で包括連携協定を結んでいる石川県から導入を始め、経営に参画しているローソンの店舗や市役所などにドローンを配備する。電線など社会インフラの監視や建設現場の作業確認、災害時の捜索活動などで使用することを想定。スターリンクと直接通信すれば、山間部や離島などでも簡単にドローンを運航できるようになる。
DOGE率いたマスク氏 米政権離れる テスラの経営に集中
米国のトランプ政権で政府効率化省(DOGE)を率いた実業家のイーロン・マスク氏は5月28日、政権の職を離れると発表した。マスク氏は同日Xへの投稿で「特別政府職員」としての130日間の任期が間もなく満了するとし、「政府のムダな支出を削減する機会を与えてくれたトランプ大統領に感謝したい」と綴っている。鳴り物入りで政権入りしたマスク氏だが、4カ月余りの活動に終わった。
米メディアによると、マスク氏により少なくとも38機関で政府全体の12%近い26万人が解雇を言い渡された。また、とりわけ欧州複数国への個人的な政治介入含む過激発言で物議を醸した。今後は他国への過激発言が反感を招き不買運動に発展、業績が低迷する電気自動車大手テスラの経営に集中するとしている。
セブン&アイ新体制承認 日米コンビニ事業立て直し課題
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は5月27日、定時株主総会を開き、新社長のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏を含む13人の取締役選任議案を賛成多数で可決した。単独経営の維持に一定の信任を得た形だが、新経営陣には日米コンビニエンスストア事業の早期立て直しが喫緊の課題だ。セブン&アイは2025年2月期の最終利益が前期比23%減の1,730億円と落ち込み、株価も低迷している。
同社は2024年10月、社名の「セブン-イレブン・コーポレーション」への変更や、祖業のイトーヨーカ堂などの事実上の切り離しを発表した。名実ともにコンビニ専業に転換して経営再建を進める方針だったが、同日の株主総会では社名変更に関する議案の提案が見送られた。社名変更は2026年以降に延期するとみられる。
備蓄米 イトーヨーカ堂, アイリスなど 5/31から前倒し販売
随意契約で政府備蓄米の売り渡しを受けたスーパー、ホームセンターなどは、当初予定の6月2日を繰り上げ、5月31日から前倒しで首都圏などの一部店舗で販売を始める。6月1日以降はさらに多くの小売店が店頭販売を始める予定で、放出された2022年産米の流通が本格化する。
アイリスオーヤマ(本社:宮城県仙台市)は5月30日、随意契約の政府備蓄米を千葉県と宮城県にあるグループのホームセンター2店舗で31日に発売すると発表すると発表した。当初は6月2日の発売を予定していたが、精米が早く進んだため、前倒しでの販売を決めた。発売するのはグループの「ユニディ松戸ときわ平店」(所在地:千葉県松戸市)と「ダイシン幸町店」(同仙台市)の2店。5kg詰めをそれぞれおよそ100袋用意し、整理券を配布したうえで1人1袋に限定して販売する。販売価格は税込み2,160円。
イトーヨーカ堂も30日、イトーヨーカ堂大森店(同東京都大田区)で、1家族1点に制限して5kg詰めを2,160円(税込み)で販売すると発表した。このほか、イオンやディスカウント店「ドン・キホーテ」は6月1日から、一部店舗で取り扱いを始める予定。