「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

京都 お盆伝統行事「五山送り火」古都の夜空照らす

京都のお盆に迎えた先祖の霊を送る伝統行事「五山送り火」が8月16日行われ、京都市内各所で送り火を見る多くの人でにぎわい、写真に収めたり、幻想的な情景に見入っていた。
午後8時に点火が始まると、山の斜面に「大」の文字が浮かび上がる。そして「妙法」、「船形」、「左大文字」「鳥居形」の順に火が灯される。燃え上がる炎が古都の夜空を照らした。
五山送り火は,京都盆地を囲む5つの山々に文字や形が炎で描かれ、古都の夜空を照らす恒例の伝統行事。

縄文期の食習慣 稲作伝来の弥生期も継続していた

奈良文化財研究所の庄田慎矢・国際遺跡研究室長はこのほど、米国の科学誌に、縄文時代の食習慣は稲作伝来後のコメ、アワ・キビなどの穀物栽培が朝鮮半島から日本列島にもたらされた弥生時代も維持・継続していたとする研究結果を発表した。
考古生化学が専門の庄田さんが、土器に染み込んだ脂質を分析し、その土器で調理された動・植物を判別する研究に取り組んでいる。
論文は、英国のケンブリッジ大やヨーク大との経堂研究成果として7月21日(現地時間)に米国科学アカデミー紀要電子版に掲載された。

長崎被爆から80年「被爆の記憶を伝え続ける」

1945年8月9日、長崎に原爆が投下されてから8月9日、80年の節目を迎えた。長崎市内の平和公園で行われた平和祈念式典の平和宣言で、鈴木史朗市長は「長崎の使命として、世界中で受け継ぐべき人類共通の遺産である被爆の記憶を国内外に伝え続ける」と決意表明した。
式典には被爆者や遺族の代表、石破首相ほか、米国、英国など核保有国を含む94の国と地域の代表など約2,650人が参列。原爆が炸裂した午前11時2分に黙祷を捧げ、犠牲者を追悼した。

新鉱物を発見「アマテラス石」と命名, 国際承認

東京大学や山口大学などの研究グループは8月7日、岡山県で採取された翡翠(ひすい)の中から黒緑色の新鉱物を発見し、日本神話の天照大神にちなんだ「アマテラス石」と命名したと発表した。既存の鉱物とは化学組成や結晶構造が異なっており、国際鉱物学連合に新鉱物として正式に承認された。
新鉱物はストロンチウム、チタン、ケイ素、酸素、水素、塩素が主成分。一方が現れる時は他方が隠れる、特異な”二面性”の結晶構造を持つという。

広島80回目原爆の日「核廃絶を市民社会の総意に」

被爆から80回目の「原爆の日」を迎えた広島市・平和記念公園で8月6日、「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が開かれ、数多くの被爆者や遺族らが参列した。
広島市の松井一実市長は平和宣言で「核兵器廃絶への思いを市民社会の総意にしていかなければならない」と訴えた。また、「被爆者の体験に基づく貴重な平和への思いを伝えていくことがますます重要になっている」と強調した。

青森ねぶた祭開幕8/2 大型ねぶた16台が練り歩く

青森市で8月2日、青森ねぶた祭が開幕した。7日までの期間中、最も多い日で23台の大型ねぶたが出陣。市中心部の約3kmのコースをおよそ2時間かけて練り歩く。
初日の2日は午後7時、ねぶたの運行開始を伝える花火が打ち上げられた。これを機に、子どもねぶたや担ぎねぶたに続いて、大型ねぶたが登場。すると祭りは最高潮に達し、見物客から歓声が湧き上がった。
笛や太鼓、手振りの鉦(かね)による囃子(はやし)とともに、一般も参加する跳人(はねと)らによる”ラッセラー”、”ラッセラー”の掛け声が響き渡り、同日は大型ねぶた16台が市中心部を練り歩いた。

奈良・富雄丸山古墳の製作年代異なる鏡3枚を公開

4世紀後半に築造されたとされる奈良市の富雄丸山古墳の棺の中から昨年見つかった、異なる時代に製作されたとみられる3枚の鏡の一般公開が、8月1日から奈良県立橿原考古学研究所の付属博物館で始まった。一般公開は17日まで。
これらの鏡はいずれも直径20cmほどの青銅製の大型の鏡。このうち最も古いものは、紀元前後に中国でつくられたと推定される「き龍文鏡」で、龍や虎を表す文様が施されている。最も新しいものは3世紀中頃につくられたと推定される「三角縁神獣鏡」と呼ばれる鏡で、縁の部分が三角形で神や想像上の獣の文様が施されている。
これらは、古代の日本と中国の交流や関係を解き明かす重要な資料になると期待されており、初日の会場は多くの人でにぎわっていた。

「ナスカの地上絵」山形大 新たに248点発見 テーマ別に配置

南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」を研究する山形大学は7月28日、米IBM研究所とのAI(人工知能)を活用した共同研究で、人物や動物をかたどった地上絵248点を新たに発見したと発表した。地上絵の配置にはそれぞれテーマがあったとみられ、物語やメッセージを伝える目的で描かれた可能性があるという。
今回の発見で、見つかった地上絵は計893店となった。そのうち781点は山形大がIBM研究所との共同研究によって発見したもの。

神奈川・藤沢 一遍上人ゆかりの遊行寺で恒例の盆踊り大会

”踊り念仏”で知られる一遍上人ゆかりの神奈川県藤沢市の遊行寺で7月27日夜、恒例の盆踊り大会が開かれ、大勢の人でにぎわった。この催しは藤沢商工会議所などが盆踊りを通して、地域活性化の一環として実施しているもの。
境内に設置されたやぐらでは、地元の保存会が”踊り念仏”を演じ、念仏を唱えながら太鼓の周囲を回った。この後、本堂の前では地元の歴史や地名を歌詞に入れた”遊行おどり”や、ユネスコの無形文化遺産にも登録された秋田県羽後町の”西馬音内盆踊り”が披露された。踊り念仏は、一説には全国各地の盆踊りのルーツともいわれている。
藤沢市の遊行寺は、鎌倉時代の僧、一遍上人が開いた「時宗」の総本山。

愛媛沖の戦闘機「紫電改」引揚時の公文書見つかり公開へ

新たな戦時資料が見つかり、一般公開される見通しとなった。太平洋戦争(1941〜1945年)末期、「ゼロ戦」に代わる戦闘機として開発された「紫電改」の機体が1978年、愛媛県沖の海底で見つかり、翌年県が引き揚げた。
愛媛県などによると、この際、引き揚げを主張した愛媛県と当時の厚生省が引き揚げに難色を示す様子などが記録された公文書が、このほど46年間の時を経て初めて見つかり、県が一般公開を検討している。県は戦争の悲惨さを伝えていく大切さを改めて考えてほしいとしている。