「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

京都・葵祭 御所→下鴨神社→上賀茂神社を平安絵巻行列

京都三大祭の一つ、葵祭が5月15日、京都市内で行われた。華やかで彩り豊かな平安装束姿の祭のヒロイン、輿に乗った斎王代ら約500人が参加。フタバアオイの葉の飾りを身に着けた武官や女官役、約40頭の牛馬などでつくる王朝さながら、全長約1kmに及ぶ優雅な平安絵巻行列が、京都御所ー下鴨神社ー上賀茂神社の約8kmを歩いた。

喜多川歌麿「ポッピンを吹く娘」初期に刷られた作品発見

東京国立博物館によると、江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿の版画「ポッピンを吹く娘」のうち、これまで海外にしか現存していないとされていた初期に刷られた作品が国内にもに残されていることが分かった。「ポッピンを吹く娘」は、東京国立博物館が所蔵するものなど数点しか現存しない版画で、美人画を得意とする喜多川歌麿の代表作の一つ。
今回分かったのは、作品の題名部分には東京国立博物館が所蔵する「婦女人相十品」ではなく、「婦人相学●(身ヘンに本)」と書かれていることから、より古い初期に刷られたものだと判断したという。
この作品は40年余前にフランスでオークションに出品された後、所在が分からなくなっていた。初期に刷られた作品には、ほかにハワイのホノルル美術館が所蔵するものがある。

気象庁 ”黒潮大蛇行 終息に向かいつつある” 7年9カ月の湾曲

気象庁は5月9日、2017年8月から続いていた、黒潮の流れが大きく湾曲する「黒潮大蛇行」と呼ばれる現象がようやく終息に向かいつつあると発表した。ただ、終息までにはさらに3カ月ほどかかる見通しだという。船舶や衛星による観測などから元の流れに戻りつつあるという。
黒潮は、日本の南岸を列島に沿うように北東へ流れる暖流で、2017年8月、紀伊半島から東海地方にかけての沖合で南に大きく湾曲する流れに変わった。以降、7年9カ月にわたりこの現象が続いていた。

幻の1940年”東京万博”の回数券使えます 万博の歴史継承

日本国際博覧会協会(万博協会)は5月5日、日中戦争の影響で急遽、中止となった1940年「東京万博」の回数券と、大阪・関西万博の入場券の引き換えを始めた。1970年大阪万博や2005年愛知万博でも同様の対応が取られたことで、今回も「万博の歴史を継承したい」としている。
東京万博は神武天皇の即位2600年を記念し、日本初の万博として東京を主会場に計画され準備が進められていたが、日中戦争の激化で中止された。正式名称は「紀元2600年記念日本万国博覧会」で、”幻の万博”とも呼ばれる。1冊12枚綴りの回数券は、戦時中の混乱で払い戻しされなかったケースも多く、1970年大阪万博や2005年愛知万博では招待券との引き換え措置が取られた。

応神天皇陵の前方部に巨大石室 旧宮内省が90年前に調査

宮内庁の資料などによると、応神天皇陵として同庁が管理する大阪府羽曳野市の前方後円墳・誉田御廟山古墳(5世紀前半、全長425m)で、旧宮内省が1935年が調査し、前方部から巨大な竪穴式石室が見つかったことが分かった。宮内庁関係者によると、古墳時代の天皇陵で埋葬施設が公式に調査された唯一の事例。
これにより、前方後円墳の意味・内容の修正が必要になる。これまで、ヤマト政権の象徴である前方後円墳の埋葬施設は後円部に造られ、前方部は祭祀の場などと考えられていたが、前方部にも血縁者や政権を支えた有力者ら葬った可能性が浮上した。このことは、大型の前方後円墳が王一人のための墓ではないことを示し、謎の多い天皇陵の実態を知る貴重な手掛かりになる。

京都・下鴨神社で勇壮! 流鏑馬神事 葵祭の安全を祈願

京都の世界遺産、下鴨神社で5月3日、毎年5月15日に行われる「葵祭」の安全を祈る流鏑馬(やぶさめ)の神事が行われた。この神事は境内の「馬場」で行われる。平安貴族や武士の装束に身を包んだ「射手」が、10mおきに置かれた、およそ50cm四方の3つの的に向かって馬で駆け抜けながら、連続して矢を放ち的を射る勇壮な催し。
射手が疾走する馬の上でバランスを取りながら、素早く弓を構えて矢を放つ。矢が見事命中すると、列をなして見守る人たちから大きな拍手が送られていた。葵祭は祇園祭(7月)、時代祭(10月)とともに京都三大祭の一つ。

信長の朱印状 約100年ぶり再発見 滋賀県東近江市・百済寺

滋賀県東近江市は、百済寺(ひゃくさいじ)で所在が分からなくなっていた織田信長の朱印状がおよそ100年ぶりに見つかったと発表した。これは「天下布武(てんかふぶ)」の朱印があり、寺の財産を保障するなどとした内容で、市は今後、専門家などとさらに調査を進めるとしている。
この朱印状は信長が六角氏の居城、観音寺城を落とした後、今の東近江市にある百済寺に送ったものとされるもの。朱印状には永禄11(1568)年9月22日の日付とともに、寺の財産と土地をこれまで通り保障することや、寺を信長の祈願場所とすることなどが記されている。

鎌倉〜昭和初期まで800年の歴史 京都”大原女”再現, 時代行列

京都市左京区で4月29日、鎌倉時代から昭和初期までおよそ800年にわたり続いた”大原女(おおはらめ)”と呼ばれる女性たちの姿を再現した時代行列が行われた。大原女は、市内左京区の大畑地区から街の中心部まで往復およそ20kmを、たきぎなどを頭に乗せて売り歩いた女性たちのこと。
同日はおよそ70人が参加し、紺色の着物にたすき掛けの赤い紐が特徴の衣装を身にまとい、2kmの道のりをおよそ2時間かけて歩いた。今年は新型コロナ禍の影響で中止されていた小学生の参加が5年ぶりに再開され、子ども大原女も加わっていた。

奈良・桜井市の談山神社で春「けまり祭」古代の妙技再現

藤原鎌足を祀る奈良県桜井市の談山神社で4月29日、春の「けまり祭」が行われた。この祭は、藤原鎌足が蹴鞠(けまり)を通じて中大兄皇子と出会い、「大化の改新」の計画を練ったという故事にちなんで春と秋に行われている。烏帽子(えぼし)や袴(はかま)など、色とりどりの古代の衣装を身に着けた保存会の人たちがまりを蹴り合うもの。
同日は保存会のメンバー8人が境内の広場で輪になり、鹿革の白いまりを使って、右足の甲だけを使って蹴り上げる作法のもと、「アリ」「ヤア」「オウ」など独特の掛け声とともに、蹴まりの”技”を披露した。

「日本国宝展」絵画, 仏像, 土器など135点展示 4/26開幕

大阪市立美術館(所在地:大阪市天王寺区)で4月26日から、先人から受け継がれてきた日本の国宝を集めた「日本国宝展」が始まった。6月15日まで。
大阪・関西万博の開催と同館のリニューアルオープンを記念した特別展。絵画、仏像、土器など歴史の教科書にも登場するような国宝135件を入れ替えながら展示する。縄文時代から近世にかけての”厳選された美”に触れる格好の機会となりそうだ。
中国・後漢王朝の皇帝から贈られた「金印『漢委奴國王』」(きんいん かんの・わの・なの・こくおう)、「袈裟襷文銅鐸」(けさだすきもんどうたく)はじめ、「火焔型土器」(かえんがたどき)はおよそ5,000年前の縄文時代中期を代表する土器だ。江戸時代に活躍した絵師、伊藤若冲の代表作「動植綵絵 群鶏図」などは出色。