「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

京都の春を彩る「都をどり」3年ぶり開催 伝統継承へ 南座で

京都の春を彩る、祇園の芸妓・舞妓による舞踊公演「都をどり」が3年ぶりに開催されることになった。主催団体は芸・舞妓の育成や伝統を継承させる必要があるとして、感染対策を取ったうえで実施する。ただ、感染防止のため出演する芸・舞妓を例年より少なくするほか、新型コロナ収束を願う演目も取り入れる。
都をどりは、京都の花街の1つ、祇園甲部の芸・舞妓らによる舞踊公演で、140年余りの歴史がある。例年使用の会場が工事中のため、近くの「南座」を会場にして、4月1日から24日まで開催される。

ユネスコ・イコモスがJR東日本に高輪築堤の解体中断要求

世界文化遺産の登録審査を担う国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)は1月28日付文書で、JR東日本に対し、東京都港区の高輪ゲートウェイ駅周辺で出土した鉄道以降「高輪築堤」の解体中断を求めたことが分かった。イコモスは「保存状態が非常によく、国内的にも国際的にも非常に意義深い」と評価しているという。
この築堤は約800mにわたり断続的に見つかったもので、このうち計約120mは2021年9月に国史跡に指定され、現地保存が決まっている。残りの大部分は移築か、解体して記録だけを保存する作業が進んでいる。
高輪築堤は1872年に東京・新橋-横浜を結ぶ日本初の鉄道が開業した際に造られた。当時は海だった区間を埋め立てて土を盛り、そのうえに線路を敷設した。

福井県立恐竜博物館 恐竜が歩いた跡の化石発見 勝山市

福井県立恐竜博物館(所在地:福井県勝山市)は2月15日までに、同市北谷町にある約1億2,000万年前(白亜紀前期)の「手取層群北谷層」から恐竜の足跡の化石が見つかったと発表した。見つかった化石は計10個で、「竜脚類」が前脚と後ろ足で歩いた跡という。足跡は前脚と後ろ脚各5点。最も大きいもので縦58cm、横32cm。足跡の大きさから全長約10~15mの恐竜のものと推測される。勝山市で発掘された竜脚類「フクイティタン」と同程度か、より大きい可能性があるという。

大阪天満宮の「梅まつり」 今年も盆栽などの展示のみ

学問の神様、菅原道真が梅をこよなく愛したことから、毎年この時期に開かれる、大阪天満宮(所在地:大阪市北区)で春の訪れを告げる恒例の「梅まつり」が開催されている。例年は「梅酒大会」など様々な催しが開かれるが、今年は昨年に続き、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、梅の木の盆栽などの展示だけが開かれている。
境内ではおよそ60鉢が展示され、このうち樹齢およそ100年の「八重野梅」は、花びらが重なって咲くことからその名がつけられていて、訪れた人らは幾重にも重なった白い花に見入っていた。また、樹齢およそ80年の「古金欄」は荒々しい幹に鮮やかなピンク色の花が連なって咲き、その幹と可憐な花とのコントラストの妙で映える。「梅まつりは」2月28日まで。

太陽系初期の隕石に似る 小惑星リュウグウの試料 初分析結果

探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウの試料の最初の分析結果が発表された。最も始原的な隕石に似ているが、それよりさらに黒っぽくスカスカしている。試料の分析が進めば、太陽系の起源と進化、生命の素材となる水と有機物が地球にもたらされた過程を解き明かす研究が大きく前進しそうだ。
成果は2021年12月20日付の英科学誌ネイチャー・アストロノミーに報告された。日本経済新聞が報じた。

成田山新勝寺で福豆まき 市川海老蔵さんや髙安関ら参加

千葉県成田市の成田山新勝寺で2月3日、毎年恒例の節分会が開かれ、マスク姿の歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(44)や大相撲の髙安関、隠岐の海関らが新型コロナウイルスの流行収束などを願って豆まきした。大本堂の前で「福は内」の掛け声で、勢いよく豆をまいていた。同寺によると、本尊の不動明王は慈悲の心で鬼も改心させるとされ、「鬼は外」とは言わず、「福は内」だけを繰り返すのが習わしという。
2021年は新型コロナの影響で、1969年から続いた俳優ら著名人、大相撲力士の参加を初めて取り止めており、2年ぶりとなる今回は規模を縮小し、特設舞台を設置せず実施した。

政府「佐渡島の金山」世界文化遺産への推薦 閣議で決定

日本政府は2月1日、世界文化遺産への登録を目指して、新潟県の「佐渡島の金山」をユネスコに推薦することを閣議決定した。佐渡島の金山は17世紀、世界最大の金の生産地で、江戸時代を通じて徳川幕府を支えた最も重要な鉱山とされている。政府は期限となる日本時間の2日未明までに、パリの事務局に推薦書を提出する予定。

伊ルネサンス ボッティチェリ作のキリスト画52億円で落札

AFP=時事によると、イタリア・ルネサンスの巨匠サンドロ・ボッティチェリがイエス・キリストを描いた希少な作品が1月27日、米競売大手サザビーズによるニューヨークでのオークションで約4,500万ドル(約52億円)で落札された。今回出品されたのは、ボッティチェリが晩年、1500年代初頭に描いた「悲しみの人(The Man of Sorrows)」。
ボッティチェリ作品は1年前にも別の作品が過去最高の9,200万ドル(約106億円)で落札されている。

鹿児島・種子島遺跡 巨大噴火前の7400年前の地層から土・石器

種子島開発総合センターなどの発掘調査によると、鹿児島県の種子島の西表島市の下之平遺跡で、7400年以上前の地層から土器や石器が見つかった。およそ7300年前に発生した巨大噴火の直前のものとみられ、壊滅的な被害をもたらした噴火の影響で解明されていないことが多い、この時代を知る手掛かりになると期待されている。
下之平遺跡は7400年前から7800年前の縄文時代早期のものとみられ、2021年10月から始まった発掘調査で地層から土器や石器などおよそ1,000点が出土した。このうち「トロトロ石器」は溶けたような目と、滑らかな手触りが特徴。種子島にはない黒曜石を使った石器もあり当時、島外と交流があったことを裏付けている。種子島西側の海底で、およそ7300年前に鬼界カルデラを形成した巨大噴火が発生し、火砕流などが周辺の島や、九州南部に壊滅的な被害をもたらしたと考えられている。

佐渡金山 世界遺産推薦見送りから一転、推薦へ最終調整

日本政府は1月28日、新潟県の「佐渡島の金山」について、世界文化遺産への登録を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦する最終調整に入った。文部科学省や外務省は、韓国の反発を懸念して見送りを検討していた。しかし、自民党内に推薦を求める意見があり、公式に審査の場で堂々とその根拠を述べるべきとの見解を踏まえ、方針転換することになった。2023年の登録に向けた審査を受けるには、2月1日までにユネスコに関連書類を提出する必要がある。