滋賀県大津市の比叡山延暦寺で9月12日、織田信長による元亀2年の延暦寺焼き討ちから450年にあたる記念の法要がが行われた。今回の法要は天台宗の開祖・最澄が亡くなって1,200年の節目と重なることから、延暦寺が織田信長と明智光秀の子孫を招き、初めて当事者が参列し、ともに犠牲者を悼んだ。これは、「相手を許すことで、恨みを無くす」という最澄の教えに基づくもの。
参列した信長の子孫、織田茂和さんと光秀の子孫で作家の明智憲三郎さんの2人は、僧侶がお経を読み上げる中、焼香した後、供養塔に手を合わせ深々と頭を下げ、犠牲者を悼んでいた。
延暦寺の水尾寂芳執行(しぎょう)は、「織田家、明智家が参加していただいたことで、非常に意義深い法要となった。多くの犠牲者が出た歴史の上に私たちが立っていることを考え、今日をきっかけに新しい関係をつくっていければ」と今後の交流を誓っていた。
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京都「五山送り火」昨年に続き”火床”減らして実施
京都のお盆の伝統行事「五山送り火」は8月16日、急拡大中の新型コロナウイルスの感染を防ぐため、昨年に続き”火床”の数を減らして実施された。午後8時、左京区の大文字山から順次、点火が始まった。しかし、点火の場所が、昨年と同様、圧倒的に少ない。コロナ対策によるものだ。
例年は京都市を囲む5つの山々に、「大」や「船形」などの文字や形が炎で描かれるが、昨年と同様今年も”密”を避けるため、火床の数を大幅に減らし、規模を縮小して行われた。「大」の文字はそれぞれの端と、中心の合わせて6カ所だけに火がともされた。
五山送り火はお盆に迎えた先祖の霊を送る、300年以上の歴史があるとされる行事。こうした形でも「実施できてよかった」と関係者はじめ、見ていた人も話していた。
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東海道は「53次」と、大坂までの「57次」があった
通常、東海道といえば「53次」が相場。ただし、これは江戸-京の宿駅だ。江戸時代初期に設けられたものだ。しかし、征夷大将軍職が初代徳川家康から、2代目秀忠にバトンタッチされたころからは、東海道は江戸-大坂までの「57次」となったようだ。
江戸幕府を開いた家康は、関ヶ原合戦(1600年9月)の直後に、京から江戸までの交通と情報伝達に最適なルート選定を家臣に命じた。その結果、1601年1月に40ほどの宿駅を決めて朱印状を出した。これが東海道の宿駅伝馬制の始まり。その際、53次をイメージ付けしたのが歌川広重の作品「東海道五十三次」(浮世絵木版画)だ。
2代将軍秀忠は1615年、大坂夏の陣で豊臣家を滅亡させると、家康の意向を受けて東海道を大坂までの延伸に着手する。そして設けられたのが大坂までの伏見、淀、枚方、守口の4駅で、これら4駅を合わせた「57次」が生まれた。
円山応挙の幽霊画と真筆認定 8月に青森で公開
青森市文化財審議委員らの調査によると、青森県弘前市の久渡寺所蔵の幽霊画「返魂香之図」が、江戸時代の絵師・円山応挙(1733~1795年)の真筆であることが分かった。8月13~15日、久渡寺で公開される。
弘前市教委などによると、米カリフォルニア大バークリー校付属美術館に寄託されている応挙の幽霊画と制作時期が近いことや、作品の技術の高さなどから真筆と判断した。応挙の幽霊画で真筆と認められているものは、米国の美術館に寄託されているものだけで、国内で真筆と確認されるの初めて。
返魂香之図は、弘前藩家老、森岡主膳元徳が相次いで亡くした妻らをしのぶため、応挙に制作を依頼したものと考えられる。久渡寺が所蔵していたことの経緯については、当の森岡主膳が1794年にこの絵を久渡寺に寄進したとの記録が残っている。