東京大学大学院の教授らの参加する国際研究チームは9月22日、NASAが打ち上げたトランジット惑星探索衛星TESSと地上望遠鏡の連携した観測により、公転周期が19時間しかなく、惑星の温度が摂氏1,700度を超えると見込まれる超高温・超短周期の海王星型惑星LTT9779bを発見したと発表した。
LTT9779bの半径は地球の約4.7倍、質量は地球の約29倍で、海王星をやや大きくしたような系外惑星。LTT9779bの詳細、超高温の惑星がどのような大気を持つのか、またどのように生まれたのか、今後の研究が待たれる。
今回の国際研究チームには東京大学大学院総合文化研究科附属先進科学研究機構の成田憲保教授、東京大学大学院理学系研究科天文学専攻の田村元秀教授らが参加している。
今回の研究成果は2020年9月21日、国際科学雑誌『Nature Astronomy』の電子版に掲載される。
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国宝「十二天屏風」など50点余を展示 東寺で名宝展
京都の東寺(京都市南区)の宝物館が開館して55年になるのを記念して、所蔵する貴重な文化財などを公開する名宝展が9月20日から始まった。宝物館の会場には、屏風や経典など50点余りが展示されている。11月25日まで。
国宝「十二天屏風」は鎌倉時代のもので、帝釈天など12の守護神が描かれている。平安時代の平面的な描き方とは異なり、線は強弱がつけられ、守護神の体に角度や動きなどの躍動感があるのが特徴。2019年1月に本坊の蔵から見つかった「鑑査状」には「美術上の模範になるべきものと認定する」との評価が書かれている。
鑑査状は、明治時代に当時の宮内省が発行した古典美術の評価を等級付けした証書。この作業の際、美術評論家の岡倉天心やフェノロサなどが調査員として派遣されたとの記録が残っている。
全国から城好き大集合 滋賀・大津市で初のイベント
盗まれたガリレオ、ニュートンの著書をルーマニアで発見
ルーマニアの地元メディアによると、3年前に英国で盗まれた17世紀に科学者ガリレオ・ガリレイやアイザック・ニュートンが著した書籍の初版本などおよそ200冊が、ルーマニアの住宅の床下から見つかった。
英国では同じ手口による貴重な文化財を狙った窃盗事件が相次いでいて、警察はこれまでにルーマニアの犯罪集団の13人を逮捕・起訴している。これらの本は3年前、英国のオークションにかけられるため、ロンドン西部の倉庫で保管されていたところ、屋根に穴が開けられ、侵入者を探知するセンサーをかいくぐる形で盗まれたという。
警察は被害額について、盗難に遭った書籍類は250万ポンド、およそ3億4,000万円相当の価値があるとしている。
「百鬼夜行絵巻」京都・大徳寺真珠庵で9/19から特別公開
大英博物館 葛飾北斎の未公開作103点をオンライン公開
地球への隕石衝突は定説より5億年古い44億年前か 広島大など
南滋賀遺跡で古墳時代後期の国内最古の木製のこま出土
滋賀県大津市教育委員会はこのほど、南滋賀遺跡で古墳時代後期(6世紀後半~7世紀前半)の遺跡から国内最古の木製のこまが出土したと発表した。長さ6cm、最大幅4cm、下端部に突起がある。祭祀(さいし)に使われる木札「斎串(いぐし)」なども一緒に見つかっていることから、こまも祭祀用だったとみられる。
これまでは藤原宮跡(所在地:奈良県橿原市)で見つかった7世紀後半のこまが最古とされているが、これを100年近く遡ることになる。今回、集合住宅建設に伴う事前の発掘調査で出土した。
遺跡周辺は渡来人の集落跡や古代寺院が多くあり、667年には天智天皇が近江大津宮へ遷都するなど、当時の文化的先進地だったとされる。
弥生時代前期の6つの墓・土器出土 神戸「玉津田中遺跡」
浅井長政”姉川の戦い”後も京都に影響力 京都の寺で安堵状
近江の戦国大名、浅井長政が”姉川の戦い”で織田信長に敗れた後、京都の寺に宛てた文書が見つかった。この文書は、京都市左京区の寺、勝林院で見つかり、滋賀県長浜市の学芸専門監が調べた結果、花押や内容から、長政がこの寺に送った「安堵状(あんどじょう)」と判断された。
このことから長政は、信長に敗れた後、衰退の一途をたどったのではなく、近畿エリアで一定の勢力を保っていたことを裏付ける内容だとしている。安堵状は、幕府や領主が支配下にある寺院などに対し、領地を保証するため発行したもので、今回見つかった文書には「領地異議あるべからず候」と記されている。
長政のこの文書が書かれたのは元亀元(1570)年11月。長政はこの5カ月前、姉川の戦いで織田信長・徳川家康の軍勢に敗れている。