織田信長が武田勝頼との「長篠の戦い」の直前に、一向一揆に対処するため天正3(1575)年3月16日、越前(現在の福井県)の地侍、神波氏に宛てた、政治的な工作を進めていたことを示す新たな書状が見つかった。この中で信長は、領地を与える約束をしたうえで、ますます忠節を尽くすことを求めている。 この書状は東京都内の男性が古美術商から購入したもので、東京大学史料編纂所の調査で信長の朱印状と判断された。信長はこの年の5月に現在の愛知県で長篠の戦いに臨み、武田勝頼の武勇を誇った軍勢と激突。当時としては銃撃に軸足を置いた戦術でこの戦いを制し、武田氏を事実上滅ぼしたとされる。そして8月に越前の一向一揆に対して攻撃を開始している。これらのことから、信長は天下布武を掲げ、多方面に並行して指示を出していたことが分かる。
「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ
宇宙初期の銀河の周囲に巨大な炭素ガスがあることを初めて発見
デンマーク・コペンハーデン大学の藤本征史ドーン・フェロー(2019年3月まで東京大学宇宙線研究所の博士課程に在学)を中心とする国際研究チームは12月16日、アルマ望遠鏡を使った観測によって、宇宙初期にある銀河の周囲に半径約3万光年におよぶ巨大な炭素ガス雲があることを世界で初めて発見したと発表した。炭素ガスは宇宙が誕生した時には存在していなかったと考えられている。この発見から、宇宙初期に生まれた雲が核融合反応で炭素を作り、これが銀河周辺にばらまかれて巨大な炭素ガス雲を形成していたことが分かった。これまで国内外の研究グループによってつくられた理論モデルでは、このように巨大な炭素ガス雲の存在は予言されていなかったことから、従来の宇宙進化の考え方にも一石を投じる発見になった。
京都「嵐山花灯路」12/13~ 渡月橋、竹林の小径などライトアップ
聖徳太子ゆかりの西安寺跡から「回廊」跡見つかる
地質年代名「チバニアン」正式承認へ3次審査通過
奈良・富雄丸山古墳で初の青銅製鏡の破片見つかる
京都・嵐山で室町時代の酒造工房?の遺構見つかる
京都市右京区の、かつての天龍寺の境内があった場所で、室町時代の清酒造りの工房とみられる遺構が見つかった。マンションの建設工事に伴い、2018年5月から発掘調査を行っていた民間調査会社が見つけた。見つかったのは酒を保管する甕(かめ)の破片や、甕を固定していたとみられる穴などのほか、木製の柱2本。柱はそれぞれ直径30cmと45cm、長さが50cmと1mで、調査会社は枡(ます)に入ったもろみを重い石を使って搾る酒造りの技法に使われたとみている。 これらはおよそ600年前の室町時代につくられたと推定され、規模や出土品から清酒を造る工房だった可能性が高いという。清酒工房はこれまで、兵庫県伊丹市で見つかった江戸時代初期のものが最古とされていた。今回正式に確認されれば、300年近く酒造工房の歴史が遡ることになる。
奈良・御所市の弥生時代の遺跡で大規模な水田跡見つかる
奈良県橿原考古学研究所の調査によると、同県御所市の弥生時代の遺跡で大規模な水田の跡が見つかった。この発見で、弥生人に稲作が始まった初期のころから、灌漑施設を完備した大規模な水田を作る技術があったことが裏付けられた。 今回同市の中西遺跡で新たに410区画、約3,500㎡の水田が見つかった。隣の秋津遺跡と合わせると、その広さは4万3,000㎡に上るという。水田の跡はなだらかな傾斜地に直線的に伸びてきていることから、棚田ような形状だったとみられ、田んぼの大きさは約9㎡と当時としては一般的な規模。周りでは灌漑用の畦(あぜ)や水路の跡も見つかり、大きいものでおよそ26cmの当時の人々の足跡も残されていた。