「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

奈良・興福寺の五重塔 120年ぶりの大規模修理へ

奈良・興福寺は、境内の国宝・五重塔の傷みが激しくなっているとして、明治34年以来およそ120年ぶりに大規模な修理を実施することになった。同塔は奈良時代に建立されて以来、焼失と再建を繰り返していて、現在の塔は室町時代に建てられた。高さおよそ50mと、木造の五重塔としては京都の東寺の次に高く、奈良の景観を象徴する建造物の一つとなっている。

南太平洋の海底岩石から微生物 東大Gが異例の発見

東京大学の研究グループは、南太平洋の海底を掘削した岩石の中に微生物が生息していることを発見した。これは異例の発見。
バクテリアなどの微生物が地下から見つかるのは、有機物を豊富に含む堆積物の中や熱水噴出孔など、エネルギーを得ることができる場所の限られる。そのため、玄武岩と呼ばれる地下に広く存在する一般的な岩石の中には生息できないと考えられてきた。
ところが、今回同研究グループは南太平洋のおよそ5,000mの海底から、さらに100m余り地下の玄武岩を、微生物が混入しないように掘削し、生物がいないか調べ、1マイクロ程度の小さなバクテリアなどが多数生息していることを発見したもの。発見した玄武岩の筋状の模様の部分は、玄武岩の一部が長い年月で粘土質に変化した部分だという。

滋賀・栗東市の古墳時代の辻遺跡から大規模な鍛冶場の跡

滋賀県栗東市教育委員会によると、同市の古墳時代の大規模な集落跡、辻遺跡から鉄製品づくりの痕跡が多数見つかった現場では5世紀前半の竪穴式住居の跡、12棟分が次々と見つかり、住居の中からは鉄を溶かすのに使われていた炉の跡が見つかった。また、周辺では炉に空気を送り込む道具の破片や、鉄の燃えカスなども多数見つかった。同じ場所から、いずれも朝鮮半島からの渡来人が伝えたとされる土器やガラス製の玉をつくる道具も出土していて、鍛冶技術に渡来人が関わっていたことがうかがわれるという。

東京都市大 破砕型の歯を持つ海生爬虫類化石を宮城・気仙沼で発見

東京都市大学(所在地:東京都世田谷区)知識工学部自然科学科の中島保寿准教授らは2月10日、宮城県気仙沼市の中生代初期(約2億5,000万年前、三畳紀前期)の地層から発掘された化石が、まだ日本で発見されていない海生爬虫類の一種である可能性を明らかにした。これまで破砕型の歯を持った海生爬虫類の発見は、ヨーロッパや北米のみに限られていた。
今回発見された化石は頭骨の一部で顎には、2019年に流行した「タピオカ」を連想させる球状の黒い歯が並んでおり、この歯を使って貝や甲殻類などの硬い殻を割って中身を食べていたと推測されるとしている。

松江市の遺跡から出土の”すずり”に国内最古の文字?

島根県松江市の田和山遺跡から出土した弥生時代中期の”すずり”とみられる板状の石に墨書きのようなものが残されており、調査の結果、石は今から2,000年ほど前のものと考えられ、文字だとすれば国内最古の例とみられる。
國學院大學の柳田康雄客員教授ら複数の研究者によると、2つの文字が縦に並んでいると判断でき、上の字は「子」、下の字は「戌」などの可能性が考えられるとしている。弥生時代中期には西日本の拠点では、すずりとともに文字が普及し、交流などに使われていたと考えられるという。

知恩院「御影堂」約100年ぶりの大規模修復工事完了

浄土宗の開祖、法然上人を祀る知恩院(所在地:京都市東山区)の国宝「御影堂」で9年余りにわたって進められてきた、およそ100年ぶりの大規模な修復工事が完了、落慶法要を前に1月29日、内覧会が開かれた。主要部の修復工事では江戸時代から使われてきた屋根瓦の大半をふき替えたほか、柱を付け替えるなどして耐震補強を行った。御影堂の内部では法然が祀られている「宮殿」のほか、天井から吊り下げられた「幢幡(どうばん)」と呼ばれる装飾品などに金箔が施され、創建当時の輝きを取り戻した。落慶法要は4月13日に行われる予定で、同時に一般公開される。

信玄から信長へ 感謝の意示す新たな書状発見

戦国武将の武田信玄が織田信長に宛てた書状が新たに見つかった。書状には越後の上杉謙信と戦(いくさ)になった場合、信長が味方に付く意志を示したことに対する感謝の気持ちが示されており、専門家は当時の2人の関係を直接知ることができるインパクトのある発見としている。武田信玄と上杉謙信は「川中島の戦い」に代表されるように、何度も相争った戦国武将の雄。書状は、信玄と謙信の間の停戦が破棄された元亀元(1570)年ごろに書かれたとみられる。後に対立することになる信玄と信長だが、このころは近い関係にあったことがうかがえる。東京大学史料編纂所が、花押や内容から判断した。

卑弥呼の墓?箸墓古墳を素粒子で内部調査 橿原考古学研究所

奈良県立考古学研究所は1月9日、同県桜井市の箸墓古墳を、宇宙から降り注ぐ素粒子「ミューオン」を使って内部を透視する調査を実施していると発表した。箸墓古墳は全長およそ280mの大型の前方後円墳で、3世紀中ごろから後半に築造された最も古い前方後円墳。邪馬台国の女王、卑弥呼の墓という説もある同古墳は、宮内庁の管理下にあって発掘などができないため、今回の調査で卑弥呼の謎にどこまで迫れるか注目される。素粒子ミューオンによる調査は、内部をエックス線写真のように透視するもの。エジプトのピラミッドの調査で使われ、未知の巨大な空間の発見につながるなど成果をあげている。

マグロ初競りで大間産クロマグロに1億9,320万円、史上2番目

新元号「令和」で初めて迎えた初市。新春恒例の初競りが東京・江東区の豊洲市場で開かれ、青森県大間産の1匹276kgの巨大なクロマグロが1億9,320万円と史上2番目の高値で競り落とされた。1kgあたり70万円。前年に続きすしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村(本部所在地:東京都中央区)が落札した。