「新システム」カテゴリーアーカイブ

JERA タイ石油公社PTTと水素・アンモニア供給網構築で連携

JERAは5月9日、タイのエネルギー省管轄の国営企業、タイ石油公社PTT Public Company Limited(以下、PTT)と、同国の脱炭素化に向けた水素・アンモニアのサプライチェーン構築で共同検討を開始することで覚書を締結したと発表した。また、タイ向けの水素供給手段として、アンモニアクラッキング技術の実現可能性の評価や、タイ向けの供給を想定した水素・アンモニア上流事業の共同開発または投資機会の検討も行う。

アサヒ飲料 6月からCO2吸収する特殊材搭載の自販機で実証実験

アサヒ飲料(本社:東京都墨田区)は5月9日、国内初で待機中のCO2を吸収する自動販売機を活用したCO2の資源循環モデルの実証実験を6月から開始すると発表した。この自販機は庫内にCO2のみを吸収する特殊材を搭載した”CO2を食べる自販機”。吸収したCO2は肥料やコンクリートなどの工業原料に活用する。
1台当たりのCO2吸収量は、稼働電力由来のCO2排出量の最大20%を見込んでおり、スギ(樹齢56〜60年)に置き換えると約20本分の年間吸収量に相当するという。2024年から本格展開を予定。大気中のCO2吸収を可能にした自動販売機と、その自動販売機を活用したCO2の資源循環の取り組みはともに特許出願中。

東大 窒素ガスと水からのアンモニア合成で触媒寿命15倍, 速さ7倍に

東京大学の西林仁昭教授らのグループはこのほど、2019年4月に発表した、金属のモリブデンを使って常温常圧で窒素ガスと水などからアンモニアを合成する製法で、触媒の寿命を従来の15倍に伸ばしつつ、アンモニア合成する速さを約7倍に向上することに成功した。
燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニアは脱炭素社会の燃料として期待されている。しかし、現状ではアンモニアの製造過程で課題がある。現在、アンモニアの大量生産では、約100年前に確立した製法、ハーバー・ボッシュ法が広く採用されている。これは鉄を主体とする触媒を使い、高温・高圧状態で空気中の窒素と水素を反応させるもの。ただ、原料となる水素はコストが安い天然ガスに含まれるメタンから取り出すケースが多く、製造プロセスで大量のCO2が発生する課題がある。

メディカロイド 手術ロボ「hinotori」シンガポールで薬事承認申請

メディカロイド(本社:神戸市中央区)とシンガポール現地法人Medicaroid Asia Pacific Pte.Ltd.は5月8日、手術支援ロボットシステム「hinotori(TM)サージカルロボットシステム」について、4月28日付でシンガポールのHealth Sciences Authority(健康科学庁)へ薬事承認申請したと発表した。
hinotoriは国産の手術支援ロボットシステムとして、2020年8月に厚生労働省より製造販売承認を取得し、同年12月より日本国内で総販売代理店のシスメックスを通じて販売開始。以降、多数臨床使用され、症例数は1,000例以上に上っている。国外での薬事承認に向けた申請は今回が初めて。

大阪パビリオンに未来型の水耕栽培 同時に魚の陸上養殖も

大阪市は5月8日、2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)で大阪府・市などが出展する「大阪パビリオン」の展示内容の一部を新たに公表した。野菜の水耕栽培と、魚の陸上養殖を同時に実施する「アクアポニックス」の展示物を設ける。建設や運営にかかる費用は、全額寄付金で賄う方針。
展示物「生命(いのち)の器」(仮称)は、パビリイオンの外部に設置する。水槽で魚を養殖し、魚の排泄物を微生物が分解してできた栄養でリーフレタスなど植物を栽培する。これらの様子を外部から観察できるようにするという。

アスエネ シンガポールのパビリオン・エナジーと業務提携

アスエネ(本社:東京都港区)は5月2日、シンガポールの政府系最大手エネルギー会社Pavilion Energy Pte.Ltd.(以下、パビリオン・エナジー)と業務提携を締結したと発表した。パビリオン・エナジーの保有するボランタリーカーボンクレジット取引を実行して、日本・シンガポールのネットゼロを推進する。
両社間ですでに実行されているこのボランタリーカーボンクレジット取引で、南米の熱帯林の植林の取り組みが行われ、購入する企業は気候変動抑制に貢献することができる。アスエネはパビリオン・エナジーが保有するカーボンクレジットを「アスゼロ」の導入企業に提供することで、CO2排出量見える化から削減までをワンストップで支援し、企業のネットゼロ達成に貢献していく。

INPEXと出光興産 カーボンニュートラル燃料をANAへ供給

INPEX(本社:東京都港区)、出光興産(本社:東京都千代田区)および全日本空輸(以下、ANA、本社:東京都港区)の3社は5月1日、ジェット燃料サプライチェーン全体の脱炭素化に取り組むと発表した。
INPEXと出光興産が原油の生産からフライト運航時の消費に至るジェット燃料サプライチェーン全体で発生するCO2全量をニュートラル化するべくカーボンクレジットを調達し、出光興産がカーボンニュートラル化されたジェット燃料としてANAに供給する。
サプライチェーン全体のCO2排出量全量を実質ゼロ化したジェット燃料の航空会社への供給は国内初の取り組み。5月19〜21日に開催予定のG7広島サミットに際して、ANAが5月中(5月1日〜31日)に運航する広島空港を離発着するすべての便を対象に、CO2排出量実質ゼロのフライトを実現する。

JRバス東北 福島で「水素燃料バス」運行開始 脱炭素で

ジェイアールバス東北(本社所在地:宮城県仙台市)は4月25日、福島市と川俣町を結ぶ福島駅東口ー川俣高校前の路線で、水素で走る燃料電池バスの運行を開始した。導入した車両はトヨタ自動車の燃料電池バス「SORA」1台。上下線で平日は5本、土、日曜日は4本程度運行する。環境省や福島県の水素関連の補助金を活用する。水素バスにより、年間約27トンの二酸化炭素(CO2)削減を見込み、脱炭素の一助とする。

リンナイと岩谷産業 豪で水素100%燃焼給湯器実証に着手

リンナイ(本社:名古屋市)および岩谷産業は4月24日、北九州水素タウン(所在地:福岡県北九州市)で国内初と鳴る水素100%燃焼給湯器の実証実験を、オーストラリアで実施すると発表した。今回家庭用給湯器では世界で初めて開発した水素100%燃焼給湯器で、課題とされていた「爆発の危険性」「不安定な燃焼」をクリア。オーストラリアで水素のパイプライン供給を受ける水素集合住宅に設置。実使用環境下での性能および信頼性評価を行う。

4社参画のCJPT 東京都に燃料電池小型トラックを導入開始

Commercial Japan Partnership Technologies(本社:東京都文京区、以下、CJPT)は4月21日、東京都に燃料電池(FC)小型トラックが導入開始されたと発表した。CJPTはトヨタ自動車、いすゞ自動車、スズキ、ダイハツ工業が参画している会社。
同社はカーボンニュートラル実現に向けた商用電動車の選択肢の一つとして、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の一環として、FC小型トラックを共同で企画・開発を進めてきた。
今回の導入開始は、参画パートナーの荷主、物流事業者や東京都と連携、普及に向けたモデル構築の第一歩となる。CJPTはこれからも商用電動車の本格的な普及に向け、FC小型トラックを順次導入し、取り組みを加速していく。