「新システム」カテゴリーアーカイブ

ゼンリンなど大分県で遠隔医療Sとドローン組み合わせ実証

離島・へき地を支える医療現場の課題解決へ、地図情報・位置情報をベースにした日本初のオンライン診療・ドローン配送システムの実証実験が行われた。
ゼンリン(本社:福岡県北九州市)、オーイーシー(本社:大分市)、KDDI(本社:東京都千代田区)、大分県の4者は、2021年10月および12月の2度にわたり、大分県佐伯市で、遠隔診療システムとドローン配送を組み合わせた実証事業を実施したと12月15日発表した。この実証では、ゼンリンが提供する地図プラットフォーム「ZENRIN Maps API」をベースにゼンリンとオーイーシーが開発した「遠隔診療システム」を用いた、離島と本島間におけるオンライン診療・服薬指導から、KDDIの「スマートドローンプラットフォーム」を活用したドローンによる医薬品配送までのオペレーションを展開し、一元管理する検証を行った。

東急建設 建設現場で水素燃料電池式発電機の有効性実証

東急建設(本社:東京都渋谷区)は12月14日、建設現場での脱炭素を実現するため、現場で使用する可搬型発電装置を水素を使った燃料電池式とすることで発電機の発電時二酸化炭素(CO2)排出量がゼロになることを実証したと発表した。これは、デンヨーが2021年4月に開始した「可搬型発電機の燃料電池化」の実証に、同社が積極的に参画し実現に至ったもの。

MFMとNEC 営農支援で北海道・小麦農場で実証実験

エム・エス・ケー農業機械(以下、MFM)と日本電気(以下、NEC)は12月6日、共同で「持続可能な農業の発展」に向け、営農支援分野での実証実験を開始したと発表した。この実証は、北海道河西郡芽室町の小麦農場約170ha(東京ドーム約34個分)で約2年かけて実施する。
MFMが取り扱う先進機能搭載農機での収穫によって圃場ごとの収量を把握するとともに、NECの農業ICTプラットフォーム「CropScope」を活用し、衛星画像や各種センサーから営農・環境データを可視化する。可視化で集積されたデータをもとに、AIによる営農アドバイスの価値検証を行い、AIが提案した最適な施肥設計に基づいて自動的かつ精密に可変施肥を行える施肥機との連動を目指す。両社は営農現場での課題解決を通して、「持続可能な農業の発展」に貢献していく。

スズキ ネット接続の軽自動車「スペーシア」12/24発売

スズキは12月3日、車両に通信機を搭載してインターネットに接続する新サービス「スズキコネクト」を国内で始めると発表した。24日に使用変更して発売する軽自動車「スペーシア」シリーズから導入する。事故はじめ運転手の体調不良などの際もスズキのオペレーターに緊急通報できる。

マリス,マクニカ AI活用の視覚障がい者向け歩行アシスト機器

福祉機器開発のマリスcreative design(本社:東京都墨田区、以下、マリス)、国立大法人九州工業大学(本部所在地:福岡県北九州市)の和田親宗研究室、半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス&ソリューション・プロバイダーのマクニカ(本社:横浜市)は12月3日、2021年3月より実証実験を進めてきた視覚障がい者のための歩行アシスト機器「seeker(シーカー)」で、AIを活用した危険検知の精度・性能向上に産学連携で共創し、実用化を加速すると発表した。3者は、2024年3月のseeker実用化に向け、ユーザー(視覚障がい者)に寄り添った最適な技術の調査・検証を2022年3月までに実施する。

川崎汽船 舶用バイオ燃料使用した自動車専用船の試験航行

川崎汽船は12月2日、国際的統合エネルギー企業のbp(本社:英国・ロンドン)と舶用バイオ燃料供給契約を締結し、同社運行の自動車専用船「POLARISHIGHWAY」で舶用バイオ燃料を用いた試験航行実施したと発表した。11月6日にオランダ・フラッシング港でbp社より舶用バイオ燃料の供給を受け、欧州ECA出域後に試験航行を行った。
バイオ燃料は、環境負荷低減が可能な代替燃料で、船舶の既存のディーゼルエンジンの仕様を変えずに使用することができ、従来の化石燃料と比べてライフサイクル(原料の栽培から最終的な燃料利用まで)で約8割から9割のCO2削減効果が期待できる。

コベルコ建機とNEC 建設機械の遠隔操作普及へ技術開発協定

コベルコ建機(本社:東京都品川区)と日本電気(本社:東京都港区、以下、NEC)は11月30日、建設現場のより働きやすい作業環境に実現に向けて、現場作業の遠隔化・建設現場の自律化を目指し、建設機械の遠隔操作の普及に向けた技術開発協定を締結したと発表した。両社が相互連携することにより、最新鋭の遠隔操作システムと高度な無線ネットワーク技術が融合し、より高度で安定した建設機械の遠隔操作に実現が可能になるとしている。
同協定に基づく取り組みの第一弾として、コベルコ建機五日市工場(所在地:広島)に設置したK-DAIVE CONCEPTのコックピットとNEC我孫子事業場(所在地:千葉)の実証フィールドにある油圧ショベルを、NECの「重機遠隔操縦サービス」を用いて接続し、安定した映像配信とスムーズな作業操作が可能か検証する実証実験を実施した。
その結果、両社のシステムを連携した場合でも、お互いのシステムの性能(通信状況、作業性等)を損なうことなく、遠隔操作が可能であることを実証できた。

LIXIL 愛知県で使用済み紙おむつ処理の負担軽減の社会実験

LIXIL(本社:東京都江東区)は12月1日、国土交通省下水道局、愛知県豊田市上下水道局および、特別養護老人ホーム三九園(所在地:愛知県豊田市、以下、特養三九園)の協力のもと、高齢者施設に設置した紙おむつ処理機から出る廃棄物」(し尿)を下水道へ排出し、影響を確認する調査およびごみ処理負担の軽減による自治体のごみ処理への影響と、CO2排出量を調査する社会実験を開始すると発表した。
今回の社会実験では、LIXILが開発した破砕機構付おむつ処理機を特養三九園に導入し、まず処理機から出るし尿などの廃棄物を下水道へ排出し、下水道への影響の調査を進める。また紙おむつを3分の1以下に減容減量させたごみを自治体のごみ処理として焼却コストとCO2排出量を計算し、自治体のごみ処理への影響調査も行う。この実験により、高齢者施設内のおむつ処理問題を解決するだけでなく、自治体におけるごみ処理の問題を低減することを見込む。

パナソニック 電池生産技術を応用しパラ代替素材を量産へ

パナソニックは2022年に、石油由来のプラスチックの使用量を5割減らした樹脂を量産する。電池材料を均質に混ぜる技術を応用した独自の製造工程を確立。家電や自動車部品に使うプラスチック素材のポリプロピレンにスギの間伐材を原料とする繊維を55%の比率で混ぜる。生産は大阪府門真市の電池の製造設備を手掛ける子会社で担い、生産能力は月10万トン。日用品や飲料容器向けに試験販売するほか、自社の家電でも採用を広げる。日本経済新聞が報じた。

カシオ,JAXA 月面基地建設へ「picalico」で測位実験を開始

カシオ計算機と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は11月29日、共同で宇宙探査における研究テーマとして、独自のカメラ可視光通信を使った高精度測位システム「picalico(ピカリコ゚)」による測位実験を、同日から12月3日にかけてサーティーフォー相模原球場(所在地:神奈川県相模原市)で実施すると発表した。
当面は月に衛星測位システム(GNSS)がないことを想定し、カメラとLED灯を使って月面を移動する月面探査車等の位置を正確に把握する技術の研究テーマとして、ピカリコ゚活用の共同研究を実施する。