月別アーカイブ: 2014年6月

ミイルが農園と組みSNS会員に食材販売

ミイルが農園と組みSNS会員に食材販売

 料理写真投稿の交流サイト(SNS)を運営するミイル(東京都渋谷区)は食材の電子商取引を始める。生産者と組み、SNSの会員に販売する。食材を使った料理の写真を投稿してもらい、他の会員に購入を促す。一定の販売手数料を得るほか、サイト活性化にも役立てる。

 第1弾として新潟県の農園と契約し、このほどSNS上に専用ページを開いた。会員から数人のアンバサダーを選び、野菜など商品となる食材を無償で提供する。アンバサダーには、食材で作った料理の写真を専用ページに投稿してもらう。今夏のうちに生産者と5件の契約を見込む。

昭和電工の植物工場「SHIGYOユニット」 山形で採用

昭和電工の植物工場「SHIGYOユニット」山形で採用

 昭和電工の植物工場ユニット「SHIGYOユニット」が、遠藤商事(山形市)が運営する山形県天童市の大規模植物工場に採用された。採用されたのは同社の野菜栽培に必要な設備をパッケージにしたユニットで、植物育成用発光ダイオード(LED)照明、アルミ栽培棚、養液循環装置などで構成され、野菜栽培の技術支援も含まれる。

壱番屋など7社にミラノ万博・日本館の食堂運営

壱番屋など7社にミラノ万博・日本館の食堂運営

 農林水産省は6月13日2015年5月からイタリアで開かれるミラノ国際博覧会(ミラノ万博)の日本館のレストラン運営を、壱番屋や美濃吉(京都市)など7社に委託すると発表した。受託したのはこのほか柿安本店、サガミチェーン、モスフードサービス、人形町今半(東京都中央区)、吉野家ホールディングス。業界団体の日本フードサービス協会(東京都港区)が取りまとめる。

 京懐石を提供するレストランと、カレーなどを出す飲食広場で構成する。万博のレストラン運営を複数の企業が請け負うのは初めてという。

農業改革法が参院本会議で可決、成立

農業改革法が参院本会議で可決、成立

 農地を維持する活動の支援が目的の新しい交付金「日本型直接支払い」などを盛り込んだ農業改革関連法が6月13日、参院本会議で可決、成立した。主食米の生産調整(減反)を2018年度に廃止させることに対応し、草刈りなど農地を維持管理する生産者に直接交付金を支払う。

JA全中「現行制度とは違ったものになる」林農水相

JA全中「現行制度とは違ったものになる」林農水相

 林芳正農林水産相は6月13日、JAグループの代表機能を持つ全国農業協同組合中央会(JA全中)を中心とする農協の中央会制度について「現行制度とはかなり違ったものになる」と述べた。政府の規制改革会議の答申を受けて、地域農協への経営指導や監査の機能を大幅に縮小し、地域農協の経営の自由度を高める考えを示したもの。

コメ卸の全米販が2015年春からネット通販

コメ卸の全米販が2015年春からネット通販

 コメ卸でつくる全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)は6月13日、2015年春にインターネット通販事業を始めると発表した。独自のサイトを立ち上げ、加盟する卸会社の商品を消費者に直接販売する。重量のあるコメの購入はネット通販の比率が高まっており、流通の変化に対応する。

 卸各社の通販サイトに誘導するなどして全国各地のコメを選べるようにする。300㌘入りのお試し商品などを企画し、需要を喚起することも狙う。商品だけでなく、産地などの情報も発信し、既存の業者との差別化を図る。

個別に漁獲上限割当 今秋一部で試験導入 水産庁

個別に漁獲上限割当今秋一部で試験導入水産庁

 水産庁は6月12日、東京都内で「資源管理のあり方検討会」を開き、資源が低水準にあるマサバやスケソウダラを対象に漁船や漁協ごとに漁獲上限を割り当てる方針を示した。今秋に一部で試験的に導入する。資源の回復と漁業者の経営改善を狙う。効果や課題を検証して対象魚種を広げる。国が主導して漁獲枠を個別に割り振るのは初めてだ。

 「個別漁獲割当(IQ)」はノルウェーやニュージーランドなどで導入している資源管理の手法。これまではサバなど7魚種を対象に毎年の総漁獲可能量(TAC)を決めるだけだったが、漁獲枠を個別に割り当てることで漁業者間の早取り競争を防ぐ。

モスフードが農業法人設立 レタスを安定調達へ

モスフードが農業法人設立レタスを安定調達へ

 モスフードサービスは6月12日、農業生産法人モスファームすずなり(静岡県磐田市)を設立したと発表した。9月にレタスの栽培を始める。年間収穫量約300㌧のうち、100㌧をハンバーガー店「モスバーガー」の商品に使う。年間使用量の約5%にあたるレタスを安定調達する。

 モスのほか、農業生産法人の鈴生(静岡県)や個人の生産者が共同ですずなりを設立した。すずなりは磐田市に3.6㌶の農地を確保。温暖な気候を生かし、厳冬期にレタスを生産する。年間収穫量のうち残る200㌧は総菜メーカーなどに販売する。モスが農業生産法人を設立するのは3例目。

 

ニホンウナギ絶滅危惧種指定で外食、小売りに波紋

ニホンウナギ絶滅危惧種指定で外食、小売りに波紋

 国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを「レッドリスト」に加えた波紋が、外食産業や小売り業者の間で広がっている。

 アジア各地の稚魚の不漁などを受け、国内の卸値は3年前に比べて2倍以上に上昇。ただ一転、今年は漁獲量が回復し活ウナギなどの取引価格が春以降、下落している。取扱業者は一息つけそうだったが、回転寿司のくらコーポレーションでは「今回の決定で再び上昇に転じる可能性もある」と懸念する。「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトホールディングスは今春、ウナギを使ったすしの販売を、中国・九州地区の店を除いて休止したほど。

 ゼンショーホールディングスの「すき家」は、うな丼に中国産ヨーロッパウナギを使用。ニホンウナギの調達が難しくなって値上がりすれば「ヨーロッパウナギに需要が流れて値上がりするかも知れない」と警戒する。ニホンウナギだけを取り扱っているスーパー大手のサミットは「中長期では異種のウナギの取り扱いを検討する必要がありそうだ」と語っている。

 

ニホンウナギを絶滅危惧種に指定 IUCN 

ニホンウナギを絶滅危惧種に指定 IUCN 

 世界の科学者らで組織する国際自然保護連合(IUCN、スイス)は6月12日、絶滅の恐れがある野生動物を指定する最新版の「レッドリスト」にニホンウナギを加えたと発表した。法的な拘束力はないが、野生動物の国際取引を規制するワシントン条約が保護対策の参考にしている。資源量が回復しなければ輸出入が規制され、取引価格の上昇を招く可能性もある。

 ニホンウナギは東アジアに広く分布する回遊魚。個体数の減少を受け、13年2月には日本の環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されていた。