プリマハム タイでハム・ソーセージの高級品を生産
プリマハムはタイで、ハムやソーセージの高級品生産に乗り出す。従来は量産する普及価格帯を中心に生産、販売してきたが、現地の所得向上で高級品も需要が見込めると判断した。日本品質をアピールして通常より5割高い製品を売り出し、増加する高所得者の需要を取り込む。日本の業務用向けにチキンやロールキャベツを生産しているタイ工場で、日本農林規格(JAS)法の認証を取得した。海外工場での取得は食肉メーカーでは初めて。
彦根城 豊臣家との戦いに備え他城の部材を再利用
滋賀県彦根市教育委員会は3月12日までに、徳川家重臣だった井伊家の彦根城(彦根市)は、約2㌔離れた佐和山城の石垣や瓦を再利用していたことが分かったと発表した。他城の部材を使ったのは、関ヶ原の戦いの後、徳川家側が豊臣家との戦いに備えて、築城を急いだためと考えられ、中井均滋賀県立大学教授(城郭史)は「当時の緊張感が伝わる発見」と話している。
彦根城は徳川家が1604年、諸大名に命じて築城を始めた。佐和山、安土などの各城の部材を再利用したことは、江戸時代の文献に記されているが、遺物で裏付けられるのは初めてという。佐和山城は豊臣方の石田三成の居城として知られるが、関ヶ原の戦い後は井伊家などが城主となった。
議論”生煮え”のまま、大阪市議会都構想案可決 住民投票へ
大阪市を解体・再編する大阪都構想の協定書(制度設計)議案について、大阪市議会は3月13日、大阪維新の会と公明党の賛成多数で可決した。大阪府議会でも17日に可決される見通し。この結果、大都市地域特別区設置法に基づき、都構想の是非を問う大阪市民対象の住民投票が5月17日に行われるのは確実になった。2010年1月、当時の橋本徹知事が打ち出した看板政策が最終局面を迎え、大阪市を廃止して5つの特別区に再編するか、現状のまま存続させるか、大阪市内の有権者(約215万人)の判断に直接委ねられることになった。
可決された協定書は、大阪市を北・東・中央・湾岸・南の5特別区に分類し、東京23区のように選挙で選ぶ区長と、現在の市議会議員定数86を割り振った12~23人の区議会を置く内容。特別区の人口は約34万~約69万人となり、福祉や教育など身近な住民サービスは特別区、成長戦略やインフラ整備などの広域行政は大阪府(都)が担うなど役割分担を想定している。
ただ、大阪の将来をも決定づける統治システムを変えるのかどうかの重要な案件にしては、大阪府・市議会の論戦は与野党間で平行線をたどり、議論は深まらないまま、いわば”生煮え”に終わった。これではとても住民が納得して投票できる状況が整ったとはいえない。賛成・反対派の双方に、もっときちんとした説明責任が求められよう。