月別アーカイブ: 2015年5月

コーヒー豆下落 通貨安でブラジル産輸出拡大

コーヒー豆下落 通貨安でブラジル産輸出拡大

コーヒー豆の国際価格が下落している。指標となるニューヨーク市場では5月21日の取引で1㍀約128㌣と前日比7.5㌣安となり、2週間ぶりに130㌣を割り込んだ。主産地のブラジルでは今年の減産が予想されているが、通貨安を受けた輸出量の多さなど需給の緩みが意識されている。ブラジルのレアルがドルに対して安い。レアル安によって、生産者は採算が改善し輸出拡大に傾きやすい。4月の輸出量は、過去5年平均より2割多かった。

島しょ国に3年で550億円 安倍首相が支援表明

島しょ国に3年で550億円 安倍首相が支援表明

安倍晋三首相は5月23日、福島県いわき市で開催されている「第7回太平洋・島サミット」で基調講演した。一方的な海洋進出で周辺国と摩擦を引き起こしている中国を念頭に「力による威嚇や力の行使とは無縁の関係」を太平洋に構築するよう訴えた。また、太平洋島しょ国に対し、今後3年間で550億円以上の財政支援を行う考えを表明した。
首相は今後も、国際協調主義に基づきながら、世界に平和をもたらす積極的な働き手として、国際貢献に尽力する考えを示した。そのうえで、民主主義や法の支配など普遍的な価値を共有する「太平洋市民社会」を確立していくよう呼びかけた。

通天閣の天井画 鮮やかな色彩で72年ぶり復元

通天閣の天井画 鮮やかな色彩で72年ぶり復元

大阪のシンボル・通天閣(大阪市浪速区)で5月23日、第2次世界大戦中の1943年に焼損した、初代通天閣を彩った天井画の復元作業が終わり、報道陣に公開された。孔雀や色とりどりの花が描かれ、1階エントランスの天井を飾る。6月下旬から見学できる。
復元された天井画は縦横17㍍。初代の絵の現存資料は白黒写真だけだったが、再現作業の途中で版画家の織田一磨(1882~1956年)の作品と判明。原案となったカラーのデザインも東京都町田市で見つかり、72年ぶりに鮮やかな色彩で再現された。

13年漁業・養殖業の国内生産2%減の479万㌧

13年漁業・養殖業の国内生産2%減の479万㌧

政府は5月22日、2014年度の「水産白書(水産の動向)」を閣議決定した。13年の漁業・養殖業の国内生産は12年に比べて2%減少し、479万㌧になった。84年をピークに減少傾向が続いており、歯止めがかかっていない。
白書では「資源量の変動だけでなく、温暖化など環境変動による漁場の変化が大きな要因」と指摘。漁業経営体の減少も影響しているという。14年の漁業就業者数は17万3030人で、前年比4%減少。一方、新規就業者数は減少傾向から持ち直した08年以降、ほぼ横ばいで推移し、13年は1790人だった。

関空に医薬品の新輸出拠点「KIX-Medipac」開設

関空に医薬品の新輸出拠点「KIX-Medipac」開設

新関西国際空港会社は5月22日、関西国際空港内で輸出用の医薬品を保管、荷造りできる施設「KIX-Medipac(キックス・メディパック)」を25日に開設すると発表した。保冷庫を備えており。同じ建物内で医薬品の保冷保管と荷造りができる施設は日本の空港で初めてという。
施設は関空の国際貨物地区にあり、広さは約1450平方㍍。医薬品の種類に応じ、温度の異なる2種類の保冷庫を設けた。新関空会社は「医薬品空輸時の準備作業が大幅に短縮できる」としている。関西財界は関西圏を国際的な医療拠点とするよう政府などに求めている。

福島で「第7回太平洋・島サミット」開幕

福島で「第7回太平洋・島サミット」開幕

日本と太平洋の島しょ国などが参加する「第7回太平洋・島サミット」が5月22日、福島県いわき市で開幕した。国際法の原則に基づく海洋秩序の維持や、サモアでの太平洋気候変動センター整備などを盛り込んだ共同文書「福島県いわき宣言」を23日に採択する。
島サミットは3年に1回、日本で開催される。参加国は日本、オーストラリア、ニュージーランドと14の島しょ国。昨年民政に復帰したフィジーは9年ぶりの参加になった。
共同文書は、地域の平和と安定、繁栄に寄与する日本の決意、日本が国連に提案する「世界津波の日」(11月5日)の制定に向けた協力、戦没者遺骨の迅速な収容のための協力、国連安全保障理事会改革での協力–などが柱になる見通し。

仁徳天皇陵石室CGで再現 来館者に人気 堺市博物館

仁徳天皇陵石室CGで再現 来館者に人気 堺市博物館

世界文化遺産登録をめざす「百舌鳥(もず)古墳群」を紹介する堺市博物館(堺市百舌鳥夕雲町)内のミニシアターに、仁徳天皇陵の内部の石室をコンピューター・グラフィックス(CG)で再現した映像が登場し、来館者を楽しませている。
宮内庁が管理する仁徳陵では発掘調査ができないが、1872年(明治5年)に何らかの原因で前方部が崩れた際、大王ゆかりの人物の石室が見つかり、内部で長持型石棺(幅約2.4~2.7㍍、長さ3.9㍍)が確認された。今回のCGは当時の様子を描いた絵図をもとに再現された。
12分間の映像には、まず多くの埴輪が並ぶ築造当時の外観を紹介。続いて古墳の前方部にある石室を、のぞき込むようにして内部に収められた石棺を映し出し、朱色に塗られた表面外側の突起の一部を見ることができる。石棺の傍らで発見された副葬品の甲冑や剣なども再現されている。

マレーシアのナジブ首相 5/24~26 訪日

マレーシアのナジブ首相  5/24~26 訪日

マレーシアのナジブ首相が5月24~26日、日本を訪れる。天皇皇后両陛下との面会に加え、25日に安倍首相と会談する予定。2015年はマレーシアが東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国となっており、年末に予定されているASEAN経済共同体(AEC)発足の進展にに加え、両国の加盟する環太平洋経済連携協定(TPP)交渉、日本が新幹線導入を狙うマレーシア・シンガポール間の高速鉄道計画などについて意見を交わすとみられる。日刊工業新聞が報じた。

マルハニチロ 50年ぶり宮城・石巻市に冷食新工場

マルハニチロ 50年ぶり宮城・石巻市に冷食新工場

マルハニチロは宮城県石巻市に冷凍食品の新工場を建設する。現在の石巻工場は冷食の主力工場の1つだったが、2011年の東日本大震災の津波で壊滅的な被害に遭った。残った建屋を改修して操業を再開したが、復興計画で大型堤防の建設予定地となったため、内陸部に新設する。投資額は57億円。
冷食の新工場は約50年ぶり。2016年3月に着工し、稼働は17年4月の予定。生産能力は年6600㌧。売上高ベースで約66億円と現在の2倍以上になる。設備を順次増強し、将来は9000㌧規模に広げる。

総菜市場 14年は初の9兆円超え 日本総菜協会

総菜市場 14年は初の9兆円超え 日本総菜協会

総菜メーカーなどが加盟する日本総菜協会(東京都千代田区)は、2014年の国内総菜市場が9兆1080億円に達した見込みだと発表した。前年比では2.4%の拡大で初めて9兆円を超えた。共働き世帯や単身世帯が増え、調理から距離を置く人の需要を取り込んでいる実態が浮き彫りになった。総菜専門店15社、百貨店15社、総合スーパー24社、コンビニエンスストア10社を対象に調査を実施。その売り上げ伸び率を基に、市場規模を同協会が推計した。