飛鳥・奈良期の出雲氏屋敷跡?京都・上京遺跡から出土

飛鳥・奈良期の出雲氏屋敷跡?京都・上京遺跡から出土

飛鳥時代から奈良時代にかけて京都北部の賀茂川西岸で勢力を誇った出雲氏の屋敷跡とみられる建物跡が、京都市の上京遺跡から出土したことが7月11日、分かった。出雲氏にまつわる本格的な建物跡が複数見つかるのは珍しく、調査を行った民間の発掘団体「古代文化調査会」は遷都以前の京都の歴史知る上で貴重な資料になるとみている。
調査地は京都市上京区にある上御霊(かみごりょう)神社北西隣のマンション建設予定地、約300平方㍍を調べた結果、北西隣と南東隣から一辺約60~70㌢の方形の柱穴が計5カ所出土した。ともに出土した土器などから出雲氏が全盛を誇った7世紀後半に建てられたとみている。
出雲氏は弥生時代に島根県の出雲地方から移住してきたとされ、これまで同神社の境内などから、出雲氏が創建した氏寺・出雲寺のものとされる奈良時代前期の瓦片が多数出土している。出雲氏は奈良時代には、長屋王の夫人の従者として仕えた「安麻呂」や、多くの農民を従えていた「真足(またり)」らを輩出している。