薬師寺東塔「心柱立柱式」基壇も補強 20年完成目指す

薬師寺東塔「心柱立柱式」基壇も補強 20年完成目指す

奈良・薬師寺は1月9日、約1世紀ぶりの解体修理が進む国宝・東塔(三重塔・高さ34㍍)の再組み立てを前に、塔の中心を貫く心柱(しんばしら)を立て直し、工事の安全を祈る「心柱立柱式」を営んだ。2020年6月の完成を目指す。
これまで基壇(土台)から外して修理してきた心柱(約4.3㌧)をクレーンで吊り、基壇の中心に戻した。根元を木づちで打ち、無事の完成を願った。
土を何層にも突き固めた「版築(はんちく)工法」が施された創建当初の基壇が、強度を失っていたことが判明したことから、巨大な杭を打ち込み地盤を固め、鉄筋鉄骨コンクリートの新たな基壇を設けるなど最先端の補強工事を行いながら、再組み立てを進める。
東塔は2011年から解体され、部材の調査や補強が行われてきた。また、奈良文化財研究所が年輪年代測定を実施し、奈良時代前半に新築されたことが確定した。