月別アーカイブ: 2019年6月

日立 中国のスマートシティ事業強化へ市場動向調査会社設立

日立製作所および日立(中国)有限公司は6月5日、中国におけるスマートシティ事業を強化するため、市場動向調査や新たな協創機会を検討する「日立(中国)有限公司河北雄安分公司」(以下、河北雄安分公司)を設立し、営業を開始したと発表した。雄安新区は、広東省深せん経済特区、浦東新区に続き2017年、中国河北省に設置された国家級新区の一つ。 

シャープ ベトナムのクアンガイ省にメガソーラー建設

シャープエネルギーソリューションは6月5日、タイのエネルギー関連企業Sermsan Power(以下、SSP社)やSSP社傘下のTruong Than Quang Ngai Power And High Technology Joint Stock社などと共同で、ベトナムのクアンガイ省に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設したと発表した。出力規模は約49MW-dc、年間予測発電量は約7万3,143MWh/年で、ベトナムの一般的な家庭の約3万8,762世帯分の年間消費量に相当する。5月27日から運転開始している。

トヨタ IOCに燃料電池車「MIRAI」8台納車

トヨタ自動車は6月4日、スイス・ローザンヌで国際オリンピック委員会(以下、IOC)に同社の燃料電池自動車「MIRAI(みらい)」を8台納車したと発表した。納車式はIOCおよびトヨタ自動車の関係者らの出席のもと、建設中のIOCの新本部となる、サステナビリティを追求した「オリンピックハウス」(6月23日竣工予定)で執り行われた。

がんゲノム医療 遺伝子を迅速に解析する技術を開発 ロボット使い工程自動化

慶応大学などのグループはこのほど、患者ごとにがんの遺伝子を検査し有効な薬を探す「がんゲノム医療」について、一般的な遺伝子検査の100倍を超える数の遺伝子を迅速に解析する技術を開発したと発表した。同グループはロボット使ってがん細胞の遺伝子を解析する際の工程を自動化し、スーパーコンピューターなどで解析する技術を開発した。これにより2万個に及ぶヒトのすべての遺伝子を従来より大幅に短い4週間ほどで解析できるようになったという。今月中にも慶応大学と連携する全国の病院で提供を始めるということで、関係者の間では有効な治療法を探す手掛かりになると期待されている。

介護人材育成で画期的取り組み海外で育成し、日本へ派遣

介護人材の慢性的な不足を抜本的に改善することを目的に、業界事業者や関連業者に呼び掛け発足した「介護人材フォーラム」の発起人会合が6月6日、大阪市淀川区で開かれ、正式に立ち上げ、活動が始動することになった。同フォーラムは、海外からの介護人材の受け入れ・育成および、国内の主婦・学生・高齢者らを対象に地域ごとに地域の事情に合わせて様々な手法で、それぞれ育成することを目指している。発起人会合には、事務局の役割を担う一般社団法人 外国人介護留学生支援機構(所在地:大阪市淀川区)の呼び掛けに応じ出席したのは、社会福祉法人および医療法人含め3社の介護事業者と関連業者2社の5社だったが、時間的に調整がつかず出席しなかった介護事業者5社を合わせ、10社が発起人として名を連ねている。同フォーラムの最大の特色は、画期的な取り組みの方向にある。中長期的な到達目標として、海外における日本語学校併設の日本式介護研修施設による介護人材の育成を掲げ、そのうち希望者を日本の介護施設へ派遣するというものだ。また、外国人介護人材の現行制度のもとでの受け入れについても、海外諸国の人材送り出し関連団体および受け入れの管理組合を介さない独自ルートによる介護人材育成システムの構築を目指すとしている。外国人材受け入れ拡大に向け、4月からスタートした新在留資格「特定技能」制度に基づく外国人受け入れも、現状では問題点や課題が数多く指摘されている中、抜本的な解決策として今後の取り組みの行方が大いに注目される。

東芝 印・ダイヤモンド取引所向けにエレベーター128台受注

東芝エレベータ(本社:神奈川県川崎市)は6月5日、子会社、インドの現地法人、東芝ジョンソンエレベータ・インド社がインド北西部に位置するグジャラート州スーラトで建設中のダイヤモンド取引所「Surat Diamond Bourse」向けに、エレベーター128台を一括受注したと発表した。同施設向けに分速180mの高速エレベーターを含む128台のエレベーターおよび保守契約を一括受注し、2020年春までに全台数を納入する予定。同施設は約62万㎡の敷地に建設される世界最大規模の国際的なダイアモンド取引所となる。9棟のオフィスビル、4200室以上の事務室が設けられる予定。

幸和製作所 シルバーカーに韓国より3万台の大口発注

幸和製作所(本社:大阪府堺市)は6月4日、韓国から同社の主力製品シルバーカーに3万台の発注があったと発表した。納期は2019年7月末まで。韓国ではすでに日本の介護保険制度に相当する老人長期療養制度が導入されており、シルバーカーもその保険対象となっている。先にシルバーカーがISO(国際標準化機構)から認証を受け、福祉用具のカテゴリーの一つとして国際的に認められたことも追い風になっているとみられる。

アイリスオーヤマ 50億円投じ中国・天津市に10拠点目の工場

アイリスオーヤマ(本社:宮城県仙台市)は6月5日、中国国内で拡大するインターネット通販の競争力向上を図るため、総投資額約50億円を投じ天津市に中国10拠点目となる「天津工場」を新設すると発表した。2019年10月に着工、2021年12月竣工予定。天津工場の敷地面積6万7312㎡、建物総面積4万6552㎡。家電製品、プラスチック製生活用品、スチールラック、什器などを生産する。初年度販売計画は3億元(約50億円)。同社は1996年に中国に初めて現地法人を設立し、遼寧省大連市、江蘇省蘇州市、広東省広州市にそれぞれ拠点を持っている。

三菱商事 インドのTASLへの出資25%へ引き上げ

三菱商事は6月3日、インドのTVS Automobile Solutions Private Limited(以下、TASL)の創業家および既存株主から株式9%相当を取得するとともに、13%相当の第三者割当増資の引き受けにより、TASLへの出資比率を現在の3%から25%へ引き上げることで合意したと発表した。TASLはインドの自動車市場で複数ブランド向けのアフターセールス(自動車部品調達・販売・整備メンテナンス等)事業を展開している企業。フランチャイズ化を通じて、インド国内市場で拠点網1万5,000店、合計150万人の顧客を持つ。

豊臣期の大坂城の構造が明らかに 大阪市立大学G

大阪市立大学の研究グループは、現在の大阪城の地下に眠る豊臣秀吉が築いた当初の「大坂城」の詳しい構造を明らかにしたと発表した。これまで絵図などでしか確認されていなかった築城当初の大坂城の姿が大規模に確認されたのは初めて。秀吉によって築城された当初の大坂城は1615年、大坂夏の陣に勝利した徳川幕府によって、豊臣の勢威や名残を徹底して封じ込めるため埋め立てられ、現在の大阪城はその上に築かれている。ただ、この検証は極めて難しいとされてきた。それは大阪城一帯は国の特別史跡に指定されているためだ。それだけに発掘調査が難しく、当時の詳しい構造は図面や絵図で確認するしかなかった。今回同グループは細い金属の棒を地中に差し込んでその際の抵抗から地中の構造を推定する、スウェーデン式サウディング調査で、4年間かけて大坂城本丸のおよそ300地点を調べた。その結果、天守がある本丸の3段構造の石垣の一部や生活の場だった奥御殿と公務を行う表御殿をつなぐ橋とみられる跡などが確認できたという。

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