東京商工リサーチのまとめによると、2025年1〜6月の訪問介護事業者の倒産件数が、全国で45件に上り、この時期として最多となった。倒産は零細事業者だけでなく、中規模事業者にも広がりつつあり、業況が深刻化している。
この主要因はヘルパー不足と昨年度行われた介護報酬の引き下げにある。倒産件数を規模別に見ると、従業員10人未満の小規模な事業所が36件、従業員10人以上50人未満の事業所8件、従業員50人以上の事業所1件だった。
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透析患者の終末期医療「緩和ケア」充実の必要性訴える
日本透析医学会の集会の一環として、重い腎臓病の患者が受ける人工透析について、終末期の医療のあり方を考える講演会が大阪市内で開かれた。講師は、透析を受けていた夫を看取った経験があり、その体験をもとにした著書を出しているノンフィクション作家の堀川惠子さん。
堀川さんの夫は腎臓の難病のため38歳で透析を始め、60歳で亡くなるまで、20年以上その生活を続けていた。そして、終末期は治療による強い痛みに苦しんでいたことなど、当時の闘病の様子を説明。その間、堀川さんは痛みを和らげる「緩和ケア」を受けられる病棟に夫を入れてほしいと要望したものの、がん患者ではないことを理由に断られた経験があったことを明かした。
そのため、当時の日々を「夫にとっては生きるために受ける透析が、透析を受けるために生きているようだった」と述懐する。そこでたどり着いたのが透析患者にも終末期医療としての「緩和ケア」の必要性だ。
堀川さんは、「当時の夫には終末期の着地点が全く用意されず、自分らしい命を全うすることは極めて困難だった」と語り、国内に34万人余りに上るとされる透析患者の緩和ケアの充実の必要性を訴えている。
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大東建託,ケアパートナー 外国介護人材招聘・育成で協定
大東建託グループ、大東建託リーシング(本社:東京都港区)とケアパートナー(本社:東京都港区)は6月19日、人材サービスを提供するBINAWAN GROUP(本社:インドネシア・ジャカルタ)および外国人支援コンサルティングを行う森興産(本社:大阪市中央区)との間で18日、「インドネシア人介護人材招聘および育成に関する協定書」を締結したと発表した。
BINAWAN GROUPはインドネシア国内での人材募集や教育を担当し、大東建託リーシングは日本での住まい手配、ケアパートナーはインドネシア人材の介護施設での積極採用、実務指導とキャリア形成を支援、森興産はプロジェクト全体の運営支援と総合的なサポートを提供する。各社はそれぞれの強みとリソースを活用し、協力関係を構築していく。
ケアパートナーは現在約3,000人の従業員を擁し、全国で159の介護事業所を展開しているが、今後、住宅型有料老人ホームを中心に新たに140施設の開設を計画。2029年までに外国人材も新たに400人を採用する予定。
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介護福祉士, 国家試験”不合格でもOK”特例適用8,000人超え
介護現場の人手不足を背景に、介護分野の国家資格「介護福祉士」試験に不合格でも、国が指定する養成施設を卒業すれば取得できる「特例措置」の適用者が2017年以降、外国人を中心に8,000人を超えた。
特例措置は、言葉の問題などで試験の合格率が低い外国人が働けるようにするための措置。経過措置として、養成施設卒業者は国家試験が不合格でも5年間は介護福祉士として登録でき、介護現場で働き続ければ期限の定めのない介護福祉士になれる特例が導入された。特例は当初2021年度までだったが、2026年度の卒業者まで対象に延長されている。
社会福祉振興・試験センターによると、特例の適用者数は2017年度は年110人だったが、2020年度以降は年1,000人台で推移し、2024年度まで累計8,033人に上る。日本介護福祉士養成施設協会の調査では、2023年度までの7年間に養成施設を卒業した外国人留学生8,346人のうち、卒業時に国家試験に合格したのは3,284人、残る5,000人超が特例措置の適用を受ける対象だった。