平安祈る音色 国内最古の鰐口 和歌山鷺ノ森遺跡で出土
和歌山市教育委員会は1月9日、同市の鷺ノ森遺跡の9世紀末~10世紀初めの地層から、金属製の音を出す仏具、鰐口(わにぐち)が出土したと発表した。国内最古とみられる。青銅器で幅9.3㌢、高さ9㌢、厚さ4㌢と小型だった。鰐口は僧侶が携帯する小型仏具で,鎌倉時代の絵画「一遍上人絵伝」には僧侶が経を唱えながら打ち鳴らす様子が描かれている。鎌倉時代以降、次第に大型化し、神社や仏閣の正面軒先につるされるようになった。
4月のAA会議60周年記念式典開催へ向け準備会合
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は1月9日、1955年のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)開催から60周年を記念する会議の開催に向け、準備会合を開いた。インドネシア政府は109カ国と25の国際機関を招待し、首脳会議では開発や福祉、和平の推進に向けた途上国間の協力のあり方について話し合う予定。4月19~23日はジャカルタ特別州で首脳・関連会議を開催し、24日に西ジャワ州バンドンで記念式典を開く。
ジョコ大統領は大統領は会合の冒頭、「今年は世界にアジア・アフリカ会議を思い起こさせ、我が国が世界で大きな役割を果たしてきたことを再認識してもらう良い機会だ」とあいさつ。開催が3か月後に迫っていることで、会期中の安全確保や交通渋滞対策を中心に迅速かつ入念な準備を進めるよう関係閣僚らに指示した。地元メディアなどが報じた。
大坂の陣400年「城塞」テーマに2/7 菜の花忌シンポジウム
「第19回菜の花忌シンポジウム」(司馬遼太郎記念財団主催)が2月7日午後2時、大阪市中央区のNHK大阪ホールで開かれる。テーマは「乱世から乱世へ—-『城塞』から考える」。2014年から15年にかけては、「大坂の陣400年」。司馬が大坂の冬の陣・夏の陣を描いた小説『城塞』を軸に、戦国時代の大坂城を巡る様相、乱世における人間模様など様々な観点から意見を交わす。
司馬遼太郎賞・フェローシップ贈賞式(記念スピーチは、作家の伊集院静さん)に続くシンポジウムのパネリストは、建築家の安藤忠雄さん、作家、伊東潤さん、静岡文化芸術大学教授・磯田道史さん、女優の杏さん。司会は文化外国語専門学校校長で元NHKアナウンサー、古屋和雄さん。
NTT フィリピン台風被災地でICTユニット活用し実証実験
NTTおよびNTTコミュニケーションズは、日本政府(総務省)とフィリピン政府(科学技術省)、国際電気通信連合(ITU)とともに、2013年11月の台風で被災したフィリピン中部ピサヤ地方セブ州北部サンレミジオ市(人口約6万4000人)で、通信の即時回復を可能とする「移動式ICTユニット」を活用し、実証実験を15年9月までの10カ月間実施する
移動式CT(情報通信技術)ユニットは避難所などのスポットを短時間でWi-Fiエリア化をし、通信やデータ通信の機能を提供することが可能なシステム。今回の実証実験ではセブ島の自治体職員や住民の協力のもと、移動式ICTユニットが提供するサービス(通話・データ通信)を実際に利用してもらうことで提案コンセプトや技術の有用性などを検証する。移動式ICTユニットはNTTコミュニケーションズからITUへ提供し、富士通などとともにプロジェクトを運営・支援する。
日立が省エネ・環境分野で中国関連都市などと協業
日立製作所、日立(中国)有限公司、日立(中国)研究開発有限公司は2014年12月28日、中国・北京市で開催された「第8回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」において、中国関連都市、企業、大学などと省エネルギー・環境、水処理、スマートシティ、ヘルスケアなどの分野で協業していくことで合意、調印した。
今回調印したのは①蘇州市と電力需要側管理システム分野における市場ニーズの調査、実証実験、協業を通じてエネルギーの見える化、電力の有効利用、使用量削減に関するモデルプロジェクトの創出を目指す②東莞市および蘭州市とそれぞれ、省エネルギー・スマートシティ・ヘルスケア分野におけるモデル事業づくり技術交流、人材育成のための交流などを推進する③中国上海交通大学と幅広い分野で連携、具体的な共同研究および、相互に技術者の人材育成を推進する–など。
ベトナムで官民一体で日本支援の空港施設や橋が完成
経済発展が続くベトナムの首都ハノイで、日本の支援によって整備が進められてきた国際空港の新ターミナルや、東南アジア最長となる吊り橋型の橋が完成し、急増する旅客需要の対応や物流の効率化につながるものと期待されている。
今回ハノイ空港に完成したのは、年間1000万人以上の利用者にも対応できる国際線専用のターミナルで、1月4日の式典にはベトナム政府の関係者や日本からは、太田国土交通相など合わせておよそ500人がが出席した。
また、ハノイを流れる川に架かる吊り橋型の橋としては東南アジア最長となる長さ1500㍍の「ニャッタン橋」、通称「日越友好橋」も完成し式典が開かれた。いずれも総事業費がおよそ800億円に上る大型プロジェクトで、日本のODA(政府開発援助)の円借款が活用され、建設を日本の企業が担うなど官民が一体となって整備を進めてきた。NHK NEWS WEBが報じた。
横浜のNPO フィリピン台風被害復興で漁村を支援
横浜市磯子区のNPO法人「草の根運動」がフィリピンの漁村で進めている台風被害復興支援プロジェクトが着実な成果を挙げている。漁民組合、女性組合の立ち上げ、小型漁船計19隻の提供による漁の復活、海藻養殖や干物製造など新事業も進められ、村民は自立に向け前進している。
フィリピンは2013年11月の台風30号で死者・行方不明者8000人超、避難者約400万人という大被害を受けた。草の根援助運動は、現地NGO(非政府組織)「フィリピン農村再建運動」と共同で、2014年4月から支援プログラムを始めた。対象は最貧困地域で復興も遅れた東サマール州の漁村。当初はバッカオ、ギゴソの2村、後にサントニーニョ村も加えた。3村(人口計約2700人)では計約230隻あった3~5人乗りの木製小型漁船「バンカー」は高潮で流され、残ったのはわずか9隻。村民のほとんどが生計手段を失い、援助で生活をしていた。
支援はエンジン付き小型漁船(全長6.6㍍、5.4㍍の2種類)と漁具の無償提供が軸だが、村民が主体的に行動できるよう村民の組織化に重点を置いたという。常駐スタッフが村民への説明、地域のリーダーの発掘などを行った結果、各村ごとに15人から60人規模の漁民組合、女性組合が発足。ギゴソでは禁漁区設置を望む15人多目的組合も結成した。小型漁船は8月、漁民、多目的の計4組合に各3~8隻計19隻を提供した。漁船は組合所有で交代使用する。フル回転で使われている。
各組合では新規事業も始めている。サントニーニョの漁民組合は海藻養殖に挑戦している。ギゴソ女性組合は干物の製造販売を始めた。夫らが水揚げした魚の一部を干物にして近隣の地方都市で販売。1カ月約30㌔を売り、貴重な現金収入になっているという。神奈川新聞が報じた。
ガジャマダ大のハッドモコ氏、富士山科学研究所訪問
インドネシアのガジャマダ大学のダナン・ハッドモコ氏はこのほど、山梨県富士山科学研究所(山梨県富士吉田市)を訪れた。ガジャマダ大は、同研究所と火山に関する共同研究などを含めた包括連携協定を結んでいる。ハッドモコ氏は同大で学生に地理学を教え、国際交流部長も務めており、今回は2015年、同研究所で開催が予定されているシンポジウムの打ち合わせのため来日した。
同研究所の内山高火山防災研究部長らと、シンポジウムの日程や中身について意見を交わした。また、県立富士ビジターセンターや忍野八海などを視察し、富士山の歴史について学んだ。ガジャマダ大は火山活動が盛んなメラピ山の麓にあり、インドネシアの主要な火山研究所の一つ。2010年の噴火では多くの犠牲者が出ている。ハッドモコ氏は「最新の火山に関する技術や情報伝達手段などを学びたい。われわれは噴火に直面した経験があるので、その経験を研究所に伝え、互いの火山研究に役立てたい」と話している。山梨日日新聞電子版が報じた。