「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

JERA ベトナム電力公社と脱炭素ロードマップ策定で協業の覚書

JERAは10月6日、ベトナム電力公社(所在地:ハノイ、以下、EVN)との間で、同社の脱炭素ロードマップの策定に向けて協業することを定めた覚書を締結したと発表した。この覚書は、同国の電力セクターの脱炭素に向けた情報共有および協議を進めることを定めたもの。今後両社は火力発電分野をはじめとするEVNの事業全体の脱炭素化に向けたロードマップの作成や、同社の火力発電所へのアンモニア・水素導入に向けた検討を進めていく。
EVNは、傘下企業と合わせてベトナムの発電容量の約4割を保有する、同国最大の発電事業者。

パワーエックス Audi八王子に超急速充電器「Hypercharger」納入

大型蓄電池の製造・販売を手掛けるパワーエックス(本社:東京都港区)は10月6日、アウディジャパン(所在地:東京都品川区)が販売代理店契約しているビジョナリング(所在地:東京都立川市)が運営するAudi八王子に蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger」を納入したと発表した。
同充電器は2つのポートを持ち最大で2台のEVの同時急速充電が可能。1台充電時の最大出力は150KW、2台同時充電の場合は1台当たり最大120KW、合計240KWの高出力で車両を充電する。店舗屋上に設置した太陽光パネルから発電した電気も使用する。両社は今後、同充電器の導入を本格化し、2023年末までに19基、2024年前半までに30基の設置を目指す。

札幌市とPPIH アジア店舗で「北海道産ホタテフェア」開催で合意

札幌市とパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、以下、PPIH)は10月6日、海外における北海道産ホタテの消費拡大のため、PPIHグループのアジア店舗で、「北海道産ホタテフェア」を開催することで合意したと発表した。同フェアは11〜12月、シンガポール、タイ、香港、台湾、マレーシアなどのジャパンブランド専門店「DON DON DONKI」38店舗、寿司店「鮮選寿司」10店舗などで開催する。

マツキヨココカラ ベトナム・ハノイに初出店 店舗網拡大へ

ドラッグストアチェーン大手、マツキヨココカラ&カンパニーは9月29日、ベトナムの首都ハノイにドラッグストア店「マツモトキヨシ」を初出店した。ハノイ1号店はハイバーチュン区の商業施設「ビンコム・メガモール・タイムズ・シティ」内。店舗面積は170㎡で、日本のマツキヨの平均的な店舗よりは小さい。化粧品や健康食品を中心に扱う。
同社はハノイに先行して2020年10月、同国の消費の中心地、南部のホーチミン市にベトナム1号店を開設。これまでに6店舗を出店している。今回の出店を機に、今後はハノイにも店舗網を広げる。

サイバーダイン 新たに脊髄2疾患が「HAL」の保険対象に

装着型ロボット開発を手掛けるサイバーダイン(本社:茨城県つくば市)は10月5日、主力製品のHAL医療用下肢タイプ(以下、医療用HAL)について、2023年10月1日付で厚生労働省より新たに脊髄2疾患が保険対象になったと発表した。今回対象となったのは、HTLV-1関連脊髄症(HAM)と遺伝性痙性(けいせい)対麻痺の2疾患。これにより医療機関は医療用HALを導入しやすくなる。

出光とペトロナス 持続可能な航空燃料の供給網構築で連携

出光興産(本社:東京都千代田区)は10月5日、マレーシア国営石油ペトロナスと持続可能な航空燃料(SAF=Sustainable Aviation Fuel)のサプライチェーン(供給網)構築に向けて連携すると発表した。バイオ原料の調達や生産コスト分析などで協力する。SAFは廃食油を原料とするものが主流だが、需要の増大に加え廃食油の価格が上昇し、確保が難しくなっている。

積水化学 ペロブスカイト太陽電池をビル外装に実装 国内初

積水化学は10月5日、大阪本社(所在地:大阪市北区)が入居する堂島関電ビルに国内で初めてフィルム型ペロブスカイト太陽電池を実装したと発表した。入居するビルは現在、大規模リニューアル工事を実施中で、当該工事に合わせてペロブスカイト太陽電池を壁面に設置することで、ビルの環境負荷低減に加え、ペロブスカイト太陽電池による発電量のモニタリングや経年変化など長期的な品質評価に活用する。

ENEOS CN燃料の普及促進へHIF Globalと合成燃料の協業で覚書

ENEOS(本社:東京都千代田区)は10月4日、合成燃料を製造する世界大手のグローバル企業、HIF Globalと合成燃料の協業に関する覚書を締結したと発表した。両社は今後、日本におけるカーボンニュートラル(CN)燃料の普及促進を共同検討する。
HIFはチリとペルーの企業AMEが設立し、ドイツのポルシェAGの支援で合成燃料開発、グローバル展開することを目指している。同社が開発する合成燃料は、再エネ電力から製造するグリーン水素とカーボンリサイクルされたCO2を原料とする「グリーン合成燃料」で、既存の内燃機関自動車や航空機のエンジン燃料としてそのまま利用できる。

日機装 水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功 世界初

日機装(本社:東京都渋谷区)は10月4日、水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功したと発表した。モータ一体型ポンプが液化水素(−253℃)により満たされた極低温の状態(浸漬状態)で、小型電動モータによる高速回転を実現し、液化水素を送り出すことに成功したのは世界初という。
日機装は、水素航空機の研究開発を進める川崎重工業(本社・神戸市)から、液化水素ポンプ開発の委託を受けており、2025年度に納入することを目指している。

英スナク首相 主要都市結ぶ高速鉄道計画縮小を発表 費用高騰で

英国のスナク首相は10月4日、マンチェスターで開かれた保守党大会で、2009年に発表された英国の主要都市を最高時速360kmで結ぶ高速鉄道「HS2」計画について、「HS2は時代遅れの合意の、究極の例だ」と述べ、費用の高騰を理由に縮小することを発表した。これにより、計画されていた第2期の着工はせず、代わりに地方の交通網の整備を進める方針を明らかにした。
同計画では首都ロンドンから中部バーミンガムに向かう第1期が建設中で、車両の製造や保守を日立製作所のグループ会社などが受注している。第2期ではさらに北部のマンチェスターなどを結ぶ予定だった。インフレの影響もあり、建設費用がかさみ続け総額1,000億ポンド、日本円換算で18兆円を超えるとも試算されていた。