「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

ペルーのフジモリ元大統領死去 86歳 人質解放に尽力

南米ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領が9月11日、死去した。86歳だった。長女のケイコ氏が同日、X(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。フジモリ氏は熊本県出身の日本移民の子として首都リマで生まれた。1990年の大統領選挙では、当初は泡沫候補に過ぎなかったが、「誠実・勤勉・技術」を合言葉に支持を広げ、決選投票の末、選出された。
1996年に起きた日本大使館公邸の人質事件では、テロに屈することなく、人質解放に尽力した。一方で在任中、人権侵害で有罪判決を受け服役した。

自民党総裁選9人が届け出 過去最多の混戦 9/27投開票

自民党は9月12日午前、岸田首相(自民党総裁)の後継を決める党総裁選を告示した。今回は2008年、2012年の総裁選の5人を大幅に上回り、過去最多の9人が立候補した。届け出順で高市早苗経済安全保障相、小林鷹之前経済安保相、林芳正官房長官、小泉進次郎元環境相、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、石破茂元幹事長、茂木敏充幹事長が出馬した。
27日の投開票日までの15日間、掲げる経済政策や党改革などを巡り論戦を交わす。総裁選後に召集される見通しの臨時国会の首相指名選挙で新首相が選ばれる。

日中韓 観光担当閣僚 30年までに旅行者4,000万人へ連携強化

神戸市で開かれていた日本、中国、韓国の観光担当閣僚会合は9月11日、3カ国は行き来する旅行者などの数を2030年までに、コロナ禍前の水準を1,000万人上回る4,000万人に増やすことを目標に掲げ、連携を強化することで一致し、共同宣言を取りまとめた。
3カ国は①各国が持つ観光データを共有化する②都市部だけでなく、地方へも観光客を呼び込むために、各国から直行便を増やす③各地の自然や文化を生かした付加価値の高い観光の実現にも連携して取り組む−−などで一致した。このほか、共同宣言には持続可能な観光の重要性も明記され、オーバーツーリズム対策や、低炭素型の旅行商品の開発を進めていく方針も盛り込まれた。

東京・渋谷区に「はたらく女性スクエア」支援強化へ

東京都は9月11日、キャリアアップや子育てと仕事の両立など働く女性の支援を強化しようと、渋谷区に「はたらく女性スクエア」をオープンさせた。同施設にはキャリアコンサルタントや労働相談などを専門とする都の職員合わせて8人ほどが常駐して相談などに応じる。また、企業経営の経験者なども随時加わり、会社の立ち上げや管理職を目指す女性への対応も行う。
施設は予約制で、年末年始を除き平日と土曜日の午前9時から午後8時まで利用でき、対面のほか電話やオンラインでも相談を受け付ける。

米大統領選TV討論会 世論調査は「ハリス氏勝利」63%

11月の米大統領選に向けた、民主党のカマラ・ハリス候補と、共和党のドナルド・トランプ候補によるテレビ討論会が米東部時間9月10日午後9時(日本時間11日午前10時)から東部ペンシルベニア州の最大都市フィラデルフィアで開催された。
米CNNテレビがこの討論会を巡る緊急世論調査の結果を発表した。ハリス氏が63%で、より良いパフォーマンスをみせたと回答し、37%のトランプ氏を大幅に上回った。

玉鷲 通算連続出場1,631回で単独1位の”金字塔”樹立

大相撲の東前頭10枚目、玉鷲(39)(本名・玉鷲一朗、モンゴル出身、片男波部屋)が秋場所3日目の9月10日、2004年の初土俵から通算1,631回連続出場を達成し、これまでの記録保持者、青葉城(引退、元関脇)の1,630回を抜いて単独1位の金字塔を打ち立てた。
玉鷲は突き、押しを得意とし、初土俵から変わらず、年齢からは想像できないほどの荒々しい取り口が特徴の異色力士。幕内在位90場所で史上9位。2019年初場所、2022年秋場所の2回、幕内優勝している。

大阪IR工事 万博会期中の一部延期, 騒音対策などで配慮

首相官邸で9月10日、岸田首相、関係閣僚のほか大阪府の吉村知事等が出席して2025年大阪・関西万博の準備状況を話し合う会議が開かれ、万博会場に隣接して建設が予定されているIR(統合型リゾート施設)建設工事について、万博の開催期間中の騒音などへの懸念から一部の工事を延期するなどの対応をとることが報告された。
IR工事の具体的な対応策は①杭の工事をおよそ2カ月間延期することで、重機の稼働台数や工事に伴う騒音のピークを万博の閉幕後にずらす②騒音の少ない工法を採用したり、防音シートを設置する③会場における渋滞の発生を防ぐため、工事車両の台数の削減を進めるーなどとしている。

アジア開銀総裁候補に神田前財務官を擁立へ 鈴木財務相

鈴木俊一財務相は9月10日、アジア開発銀行(ADB)の次期総裁候補に内閣官房参与の神田真人氏を指名する方針を正式に表明した。現総裁の浅川雅嗣氏は2025年2月23日付で辞任する意向。神田氏は2021年7月から2024年7月末まで財務官を務めた。3年にわたる任期中には歴史的な円安に見舞われ、神田氏が指揮した円買い・ドル売り介入総額は24兆円に上る。

スーパー台風 中国南部・ベトナム北部を直撃 死者70人超?

台風としては最大級、破格の11号(ヤギ)は9月7〜8日に中国南部からベトナム北部を直撃し、各地に甚大な被害をもたらした。建造物を根こそぎ、また車や人をあっさり吹き飛ばし、家屋の屋根部分を剥がし飛ばす、猛烈な暴風雨はさながらSFをみているようだった。その結果、9日時点でベトナムの死者・行方不明者数は70人を超えたとの情報もある。これに中国、フィリピンを合わせた死者は80人以上に上るとみられる。

福島第1原発デブリ取り出しに試験的取り出しに着手 東電

東京電力ホールディングスは9月10日、福島第1原子力発電所2号機の溶融燃料(デブリ)の試験的取り出しに着手した。8月22日に初の着手を試みたが、ミスが見つかり作業を中断していた。今回は取り出し装置が午前7時20分に原子炉につながる貫通部手前の弁を通過した。今後2週間程度かけて3グラム以下の少量のデブリを取り出す。
デブリは1〜3号機でおよそ880トンあると推計されている。デブリは極めて強い放射線を出し続け、人が近づくことができない。このため遠隔操作での作業となり、作業は難易度が高い。そして途方もない時間がかかるとみられている。