「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

10月実質賃金2.6%増の29万3,401円 3カ月ぶりマイナス脱却

厚生労働省がまとめた10月の勤労統計調査(速報値、従業員5人以上の事業所)によると、名目賃金から物価変動の影響を除いた実質賃金は最低賃金の引き上げによる賃上げが広がり3ヶカ月ぶりにマイナスから脱却した。名目賃金を示す現金給与総額は前年同月比2.6%増の29万3,401円だった。
実質賃金は5月まで26カ月連続でマイナスが続いた後、6〜7月は賞与の押し上げによりプラスに転じた。ところが賞与の効果が薄れた8月から再びマイナスになっていた。

10月の実質消費支出 1.3%減の30万5,819円3カ月連続マイナス

総務省がまとめた10月の家計調査によると、2人以上世帯の物価変動の影響を除いた実質消費支出は、前年同月比1.3%減の30万5,819円だった。マイナスは3カ月連続。設備修繕・維持費用を含む住居が10.7%減で、最も支出を押し下げた。被覆および履物は13.7%減となった。異例の気温の高い日が続き、秋冬物の衣服が落ち込んだ。教養娯楽も3.0%減となった。とくにスポーツ用ウエアが16.4%減少した。

秋篠宮ご夫妻 トルコ大統領を表敬訪問 100周年記念式典

トルコを公式訪問中の秋篠宮ご夫妻は12月4日、首都アンカラの大統領府でエルドアン大統領を表敬訪問された。5日は空路で最大都市イスタンブールに移動。同日夜のトルコと日本の外交官系樹立100周年を記念する式典に臨まれた。
宮内庁によると、4日は大統領に「外交関係樹立100周年を機に2国間の友好親善関係の増進を願う」という趣旨の天皇陛下のメッセージを伝えられた。大統領も両国関係の発展を願う言葉を述べ、歓迎した。夕刻にはご夫妻で大統領主催の晩さん会に臨まれ、和やかの雰囲気の中、約1時間にわたって談笑された。5日の記念式典で秋篠宮さまは「両国のつながりが、未来へ向けて今以上に強くなることを祈念します」とあいさつされた。

移植医療体制 法施行後初の抜本見直し 改革案を了承 厚労省

移植医療体制が1997年の臓器移植法施行後初の大幅な改革が行われる見通しとなった。検討を進めてきた厚生労働省の臓器移植委員会は12月5日、移植希望者が移植を受ける施設の複数登録を可能にし、臓器斡旋期間の日本臓器移植ネットワーク(JOT)から業務の一部を新設法人に移行する最終案を了承した。今年度中にJOTのシステムを整備し、当面は登録できる施設を2カ所までとする。
国内の臓器移植の待機患者は今年10月末現在で約1万6,500人いる。脳死下の臓器提供数の増加で、移植施設が人員や病床の不足などから臓器の受け入れを断念している問題などを受け、抜本的に見直す。
厚生労働省のまとめによると、2023年に人員や病床の不足など院内態勢が整わないことを理由に臓器の受け入れを断念した施設は26、そして移植が見送られた患者数は延べ803人に上っている。

中国人ビザ 要件緩和「数次」対象を拡大 政府方針

政府は中国人が日本を訪れる際のビザ(査証)発給要件を一部で緩和する方針を固めた。一定期間内なら何回でも来日できる「数次ビザ」の対象を拡大する方向だ。
数次ビザは「商用目的」や「文化人・知識人」向けのもので、有効期間は1〜10年間の4種類ある。緩和は10年間のビザについて、現在認められている配偶者や子ども以外の家族にも認めることを検討している。

首相 企業・団体献金「禁止より公開」透明性を高めるべき

石破首相(自民党総裁)は12月5日、衆院予算委員会の審議で、立憲民主党などが禁止を求める企業・団体献金について、「我々の立場は一貫して禁止よりも公開だ」とし、禁止するよりも透明性を高めるべきだとの考えを示した。そのうえで、「企業・団体献金で政策が歪められた記憶を持っていない」とも強調した。
また、政党が議員個人に支給する政策活動費の廃止を柱とする政治資金規正法再改正について、「年内に与野党で答えを出すことをお願いしたい」と語り、今国会中の実現に意欲を示した。

高額療養費 自己負担上限額上げ5〜15% 低所得者は抑制

厚生労働省は、医療費が高額になった場合に患者の自己負担を一定額に抑える「高額療養費制度」を巡り、自己負担の上限額の引き上げ幅を5〜15%とする方向で検討に入った。受診控えにつながらないように、低所得者の引き上げ幅は抑制する方針だ。
高額療養費制度は、1カ月あたりの自己負担の上限額を超えた場合、超過額が払い戻される仕組み。現行制度では、医療費が月100万円をかかった場合の自己負担額は、年収370万〜770万円で約8万7,000円、年収1,169万円以上で約25万4,000円となっている。

首相 SNS偽情報に「法規制も」選挙への影響抑えるため

石破首相は12月3日、衆参両院の代表質問に対する答弁で、SNS上の偽情報や誤情報が選挙に与える影響を抑えるため、「表現の自由に十分配慮しながら、現行法で対応できるかを検討し、必要に応じて、法規制も含めたさらなる対応を検討していく」と述べた。また、偽情報について「伝播性や速報性の高さから、候補者などに対する悪質な誹謗中傷が行われる恐れが指摘されている」とも語った。
11月の兵庫県知事選などでの横行したSNS上での虚偽情報の拡散ぶりを踏まえた発言とみられる。

大相撲 25年10/15~19 英ロンドン公演 1991年以来2度目

日本相撲協会は12月4日、英ロンドン公演を2025年10月15〜19日の5日間にわたり開催すると発表した。会場はロイヤル・アルバート・ホール。同会場で記者会見した八角理事長(元横綱北勝海)は「日本古来の伝統文化である大相撲の魅力を存分に楽しんでいただきたい」などと話した。
大相撲の海外公演は2005年の米ラスベガス以来で、ロンドンは1991年以来2度目。

日本の「伝統的酒造り」ユネスコの無形文化遺産登録決定

南米のパラグアイで開かれているユネスコの政府間委員会は12月4日(日本時間5日)、日本が提案した日本酒や焼酎、泡盛など日本の「伝統的柵造り」について審議、全会一致で無形文化遺産に登録することを決めた。
500年前に原型が確立した日本の「伝統的酒造り」は①米や麦などを蒸す②こうじをつくる③もろみを発酵させるーーなど伝統的に培われてきた技術が各地の風土に応じて発展し、自然や気候と深く結びつきながら伝承されてきた。こうした技術で製造される酒は、儀式や祭礼行事などにも使われ、日本文化で不可欠な役割を果たしてきたとされている。
今回の登録決定で、国内の無形文化遺産は「能楽」「和食」「風流踊」など23件となる。