「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

「異種移植」28年にも国内初実施へ, ブタの腎臓

ブタの腎臓をヒトに「異種移植」する臨床試験(治験)する計画が進み、早ければ2028年初頭にも日本国内で初めて実施される見通しとなった。明治大学発ベンチャー」、ポル・メド・テック(本社:神奈川県川崎市)が、2026年度末にも治験届を国に提出する予定だと明らかにした。
種を超えて、臓器を治療に使う異種移植は米国、中国が先行している。日本ではブタからサルなどに移植する動物実験にとどまっていた。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画を届け出る。人工透析や移植が必要な慢性腎不全の患者で、心臓病など重い合併症のない50〜60代を対象にする。

iPS治療薬 年収770万円で上限負担年53万円   

住友ファームのiPS細胞を使ったパーキンソン病治療薬「アムシェプリ」など2製品が5月20日、保険適用された。年収約370万〜770万円の場合、8月以降の自己負担の年間上限は53万円となる。アムシェプリの治療は秋以降に始まる見通しだ。日本が世界に先駆けて、再生医療の普及を目指す。

東大 処理速度1,000倍速くする素子開発

東京大学などの研究チームは、コンピューターなどに使われる半導体チップの情報処理速度を1,000倍速くする素子を開発した。熱が生じにくく、消費電力が大幅に低減できる。研究成果は米科学誌「サイエンス」に掲載された。2030年までに実用的な試作チップの開発を目指す。
今回新たに開発した「不揮発量子スイッチング素子」は電気の流れではなく、電子が持つ磁石の性質(スピン)を使ってビットを表す。実験では1ビットの情報を40ピコ(ピコは1兆分の1)秒と、従来の1,000分の1の短い時間で処理できた。
この技術を応用すれば、例えばダウンロードに1時間かかっていたデータがわずか1秒で処理できる可能性があるという。

iPS製品 パーキンソン病治療で初の保険適用

中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関 )は5月13日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療製品で、パーキンソン病の治療に用いる「アムシェプリ」の公的医療保険適用を20日付で承認した。
国内の薬価(公定価格)は約5,500万円に決まった。iPS細胞由来の再生医療製品の保険適用は初めて。医療現場での使用が始まる見通し。
住友ファーマのアムシェプリはiPS細胞からつくった神経細胞で、脳内に移植して運動機能の改善を図る。

太陽系外天体で初めて大気を確認 海王星の外

国立天文台などの研究チームは、太陽から57億km離れた「太陽系外縁天体」で大気の存在を確認した。太陽系の冥王星以外の外縁天体で大気が確認されるのは初めて。大気が見つかった太陽系天体として最も遠いものになる。太陽系外縁部の常識を覆す発見という。この研究成果は5月4日付の英科学誌「ネイチャー・アストロノミー」に掲載された。
この外縁天体は太陽から最も遠い惑星、海王星より外側に存在する。国立天文台が2024年1月、外縁天体の一つ「2002XV93」が恒星の手前を横切る掩蔽(えんぺい)と呼ばれる現象を観測した。掩蔽の始まりと終わりで恒星の明るさが緩やかに回復することを捉えた。詳細な解析の結果、この2002XV93には非常に薄い大気が存在し、恒星の光が大気で屈折して明るさが変化したことが分かった。大気の成分は特定できないが、気圧は地球の約1000分の1と推定できた。

理研など 脳細胞若返らせ認知機能改善

理化学研究所などの研究チームは、アルツハイマー病を発症させたマウスの脳を若返らせ、病気の原因物質「アミロイドベータ(β)」を減らすことができたと発表した。既存薬のように病気の進行を遅らせるだけでなく、症状を改善させる新薬の開発が期待できるという。この成果論文は国際科学誌に掲載された。
研究チームはマウスの胎児で強く働く遺伝子を活性化させる一方、老化細胞に特徴的な別の遺伝子の働きは抑える人工遺伝子をつくった。
アルツ内マー病のマウスを使い、この人工遺伝子を脳に注入した場合と、しなかった場合で、迷路でゴールに達するまでの時間と移動距離を比較した。。その結果、前者は後者に比べて時間、距離とも短く、認知機能や短期記憶が回復していることが確認できた。人工遺伝子を投与したマウスでは、新しい神経が増え、それに伴いアミロイドβは減少、12週間後には約半分になっていた。

中国で超急速充電へ新型電池の開発競争激化

中国で電気自動車(EV)普及の課題克服へ超急速充電に向け、新型電池の開発競争が激化している。寧徳時代新能源科技(CATL)は4月21日、北京で技術発表会を開き、わずか約6分でフル充電状態にできる新型電気自動車(EV)電池、リン酸鉄リチウムイオン電池を発表した。これは急速でのフル充電を繰り返しても劣化しにくいという。
急速充電用電池では先行していた自動車大手の比亜迪(BYD)もすでに、約9分間でフル充電できる新型電池を開発しており、急速充電地分野で、先行する中国勢の開発競争は激しさを増している。

パナソニックHD iPS細胞自動作製装置開発

パナソニックホールディングス(HD)は4月20日、iPS細胞を患者の血液から自動で作製できる装置を開発したと発表した。4月から公益財団法人・京都大iPS細胞研究財団と実証実験を始め、2028年度の製品化を目指す。実用化されれば、作製費用を大幅に引き下げられる。
開発した装置は、高さ75cm、幅70cm、奥行き45cm。患者の血液の成分や試薬などを入れると、遺伝子の組み入れを含む工程が自動で行われ、約2〜3週間でiPS細胞ができることを確認したとしている。
1人分のiPS細胞を従来の手作業で作製する場合、施設の維持費や人件費などで約5,000万円かかるとされる。財団は、将来的に100万円程度に下げることを目標にしており、それには自動化が不可欠という。
iPS細胞は、様々な臓器や組織の細胞に変化させることが可能で、失った臓器や体の機能を回復させる「再生医療」への応用が期待されている。

人型ロボット 人類のマラソン世界記録超え

中国・北京市で4月19日、人型ロボットが走る第2回ハーフマラソン大会が開かれた。人型ロボットが街中を軽快に走る姿は、特撮映画を見ているような感覚に襲われるほど。”ロボット強国”を掲げる中国政府の、昨年の「量産元年」から、今年は「実用化元年」と位置付けるロボット開発推進の成果の一端を見る思いだ。
トップのロボットは48分19秒の好タイムでゴールした。ただ、大会規定?とかでタイムが修正され、別のロボットの50分26秒が優勝タイムとなった。だが、これでも極めて速い。人間の男子の世界記録57分20秒を大幅に上回っている。ちなみに、初開催だった昨年の優勝タイムは2時間40分42秒だった。

いすゞとトヨタ FCVの小型トラックで協業

いすゞ自動車とトヨタ自動車は4月15日、水素燃料電池車(FCV)の小型トラックを共同開発すると発表した。いすゞの電気自動車(EV)のトラックをベースに、トヨタが開発した燃料電池システムを搭載し、2027年度の生産開始を目指す。実現すれば、小型トラックでは国内初の量産化となる見通し。