「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

理研 新スパコン公開, 新AIモデルと量子コン連携

理化学研究所は7月24日、科学研究向け人工知能(AI)モデルを開発するためのスーパーコンピューター「理究」と、量子コンピューターとの連携を担うスパコン「ROQUO(ろっこう)」を報道陣に公開した。
理究は、米エヌビディアの最新世代の画像処理半導体(GPU)を1,600基搭載している。10月に本格連携を始める予定。ROQUOもエヌビディア製の最新世代のGPUを540基搭載する。6月から運用を始めた。「富岳」を含めた複数のスパコンと、量子コンピューターを高速ネットワークで繋ぐ、スパン今単体ではできなかった計算の実現を目指す。

日立 インテル, 産総研と量子コンピューター開発

日立製作所は7月22日、米インテルの日本法人や産業技術総合研究所(産総研)と次世代量子コンピューターの実用化に向けた研究開発を始めると発表した。開発するのは半導体を使った「シリコン量子コンピューター」で、実施期間は2029年3月末までの予定。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による支援事業に採択された。

安川電機 フィジカルAIロボ うどんを調理 実演公開

安川電機(本社:北九州市)は7月22日、同社のロボット第5工場の社員向け食堂で、フィジカルAI(人工知能)を搭載したロボット「MOTOMAN NEXT(モートマン・ネクスト)」が、うどんとそばを調理する様子を報道陣に公開した。
注文内容に応じてAIが自律的にロボットを動かす。冷蔵庫から麺を取り出し、袋を破り温めた後に丼によそう。揚げ玉をトッピングし、出汁かけ顧客に提供するーーといった具合だ。

慶応大 脊髄損傷患者に移植したiPS細胞 副作用なし

慶應義塾大学は7月21日、iPS細胞から作製した細胞を脊髄損傷の患者に移植した臨床研究で、長期間にわたって重篤な副作用がみられなかったとする結果を発表した。最長4年の追跡研究で、長期的な安全性が一定程度、確認できたとしている。これらの成果は、国際科学誌「ネイチャー・メディシン」に論文が掲載された。
脊髄損傷患者に対する、Ips細胞から作製した神経のもととなる前駆細胞の移植は2021年12月に日本で初めて行われ、同大研究チームが追跡研究してきた。

岐阜大 ブタの受精卵にヒトのiPS細胞入れ育成

文部科学省の専門委員会は7月19日、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)をブタの受精卵に入れて育てる岐阜大の研究計画を大筋で了承した。人の細胞がブタの受精卵の中で育つ条件を調べ、将来的にブタの体内で人の移植用臓器をつくる技術に役立てることを目指す。
研究では、京都大学iPS細胞研究財団から提供を受けた人のiPS細胞をブタの受精卵に入れ、培養器内で最長10日間育てる。1回に約50個、計約4,200個をつくる計画。人の細胞がどの程度入り込んだかや、細胞の分布を調べる。

アルツハイマー病の原因物質の蓄積促す”種”発見

国立精神・神経医療研究センターなど日米の研究チームは、アルツハイマー病の原因として最有力視されている異常なたんぱく質「アミロイドベータ(Aβ)」を蓄積させる”種(たね)”となる新たな物質を発見したと発表した。チームは、この物質がAβを蓄積させる種のような役割を果たすと特定し、「ピーク1Aβ」と命名した。
チームは、遺伝子改変によって加齢とともに脳内へAβが蓄積するマウスを使い、老人斑を構成する成分を分析。その結果、3種類の候補物質が浮上した。このうち1種類ずつを、記憶を司る脳の部位「海馬」に注射したところ、1種類のみで華麗に伴いAβの蓄積量が急増していくことを発見した。
この物資は、アルツハイマー病で亡くなった6人の患者の脳でも確認された。また、人の患者から取り出したこの物質をマウスに駐車すると、同様にAβの蓄積が始まった。一方、アルツハイマー病以外で死亡した5人からは検出されなかった。

富士通 ファナックなどとフィジカルAIの社会実装

富士通は7月16日、ロボット産業界をリードするファナック、安川電機、川崎重工業の各社と、フィジカルAI分野における事業検討を開始すると発表した。
この事業はNVIDIAの技術を取り入れながら、①デジタルとフィジカルをつなぐソブリン性を確保した協調制御基盤の開発を推進する②製造、物流、ヘルスケアを含む様々な産業分野におけるフィジカルAIの社会実装を加速する。これにより、人とロボットが共存、協働する社会を実現、日本の産業競争力の強化を図るものだ。

JR東日本 27年末から「水素電車」営業運転へ

JR東日本は7月14日、水素を燃料とするハイブリッド電車「HYBARI」を、2027年末をめどとして営業運転を開始すると発表した。
HYBRIは、JR東日本、日立製作所、トヨタ自動車の3社が持つ鉄道・自動車技術を融合した、日本初の水損塩嶺電池車両で、2022年3月から実証実験が行われてきた。
今回日本で初めて水素を利用する営業車両として改造される。1回の充填で走行できる距離は約70kmという。

三菱自 ヒト型ロボへ参入, 東大新興と国内量産

三菱自動車は7月9日、国内工場でヒューマノイド(ヒト型ロボット)の量産を始めると発表した。出資する東京大学発スタートアップのHighlanders(ハイランダース、本社:東京都豊島区)と共同開発したロボットを、三菱自動車がエンジンを生産している京都工場の遊休スペースに、新たに生産設備を導入する。2027年にも生産開始する。生産能力は月1,000台とし、将来は外販も検討し、新たな収益源に育成する。
量産するヒト型ロボットは、人間と同様に顔部分にカメラや音声システムを集中させ、顔で認識した映像などをもとに、AI(人工知能)が手足などの関節を自動で動かす。

産総研 松ヤニから黒鉛の原料生成 電極剤を脱石油化

産業技術総合研究所は、松の樹木から分泌される松ヤニから黒鉛の原料を作成することに成功した。黒鉛はリチウムイオン電池の電極などに使われる。脱石油に貢献する技術として実用化が期待される。研究成果は、英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。
研究グループは天然樹脂の松ヤニに多く含まれる樹脂酸から黒鉛の前段階の材料の「ピッチ」を合成する手法を開発した。今回試作したピッチは工業的に利用されているピッチと同じように加熱によって溶融する性質を持つ。加工しやすいことから実用化しやすいとみている。