政府は4月3日、一部の公的介護サービスの利用者に、ケアマネジャーが作成する計画書「ケアプラン」の作成費用の1割負担を求める介護保険法などの改正案を閣議決定した。1割負担は「住宅型有料老人ホーム」に入居する重度の要介護者を対象とする。現役世代の保険料負担の抑制につなげ、制度の持続性を高める。今国会での法成立をめざす。
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成年後見「終身制」廃止へ, デジタル遺言創設
政府は4月3日、認知症の人たちをサポートする成年後見制度を見直し、一度始めると亡くなるまで後見人が付く「終身制」を廃止する民法改正案を閣議決定した。ニーズに合わせた「オーダーメード型」の仕組みとする。
また、高齢化の進展に対応するため、パソコンやスマートフォンで作成する「デジタル遺言」の創設も盛り込んだ。
改正法では、本人の判断能力に応じて分けられる現行の「後見」「保佐」「補助」の3類型のうち、症状が軽い人向けの「補助」に一本化。①判断能力が不十分②本人の同意③制度利用の必要性ーーの条件を満たせば、家裁が支援対象行為や担当者を決定する。担当者には年1回の状況報告を義務付け、補助の必要がなくなれば家裁が職権で終了させる。家族から終了を申し立てることもできる。
認知症・予備軍の人 8割が被害認識できず
消費者庁の研究プロジェクトによる調査によると、認知症や、その前段階とされる軽度認知障害(MCI)の人が、「消費者被害に遭ったり遭いそうになったりした事例のうち、約8割で本人は被害に遭ったことを認識していないことが分かった。
調査はプロジェクトの一環として、京都府立大の研究班が2024年度に実施。日本認知症学会など5学会を通してアンケートへの回答を依頼。所属する医師、看護師、社会福祉士など計500人が回答した。回答者の約4割が消費者被害に遭ったり、遭いそうになったりした認知症者やMCIの人に対応したことがあった。
実際の対応事例が208件で、詳細を尋ねると80.3%で当事者本人は被害について認識していなかった。当事者の年代は80代が59.1%を占め、次いで70代が24.5%。重症度では認知症の中等度39.9%、軽度が26.4%、MCIが20.7%。認知機能障害の内訳は判断力の低下((76.4%)、記憶障害(68.3%)、実行機能障害(47.6%)などが多かった。
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ワーキングケアラー2030年に推計438万人
働きながら家族などを介護する「ワークングケアラー」が、年々増加している。総務省の2022年就業構造基本調査によると、収入を得るため仕事をしている有業者は約6,706万人おり、このうち介護をしている「ワーキングケアラー」は約365万人に上っている。2012年調査では約291万人だったから、10年間で約1.3倍に増えた。
経済産業省は2030年にはパートタイムなどを含む有業者全体で約438万人に膨らむと推計している。少子高齢化社会の進行加速に伴い、このワーキングケアラーの数値はさらに上振れする可能性がある。
国立社会保障・人口問題研究所の推計データによると、国内の高齢化率は右肩上がりで、2030年には30.8%となる見通しだ。このことは仕事と介護の両立に悩み、直面するワーキングケアラーの逃げ場のない”介護離職”や、生産性低下のリスクも内包している。これによる経済損失は9兆円を超えるとも試算されている。すなわち、ワーキングケアラーの抜本的対策は国の産業構造に関わる課題でもある。