「介護」カテゴリーアーカイブ

マクニカ フレイルの初回スクリーニングを自治体に無償提供

半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス/ソリューション・プロバイダーのマクニカ(本社:横浜市)は10月27日、九州大学の熊谷秋三名誉教授と連携し、疫学研究のエビデンスに基づいた「フレイル予防・改善サービス」のデジタル化に向けて共同開発を行うと発表した。そして、今回その一つであるフレイルの初回スクリーニングを希望する自治体向けに無償提供することを明らかにした。
2020年度から厚生労働省の後期高齢者医療制度の健康診査において、健康診断とは別に後期高齢者質問票としてフレイルを含めた診断が開始されている。しかし、現在自治体より提供しているフレイル診断は後期高齢者のみだ。また、診断結果を活用し、フレイル・プレフレイルの方に運動介入を行い、健康状態の改善を目指すところまで実施できている自治体はあまり多くない。
こうした状況を踏まえ、マクニカは高齢者が心身ともに豊かで健康な生活を送ることを実現するため、フレイル予防・改善のデジタルサービスを開発し、多くの方へ安価に提供することを目指す。

みずほ信託銀,損保ジャパン,SOMPOひまわりと認知症で協業

みずほ信託銀行、損害保険ジャパン、SOMPOひまわり生命保険の3社は10月27日、認知症対応に向けた新たな協業を開始すると発表した。この第一弾として、みずほ信託銀行の「認知症サポート信託」の契約者向けに、SOMPOひまわり生命と米国シリコンバレーのスタートアップ企業、Neurotrack Technologies,Inc.(以下、ニューロトラック社)の業務提携により、国内展開する「ニューロトラック脳ケアアプリ(以下、脳ケア)」の提供を10月29日から開始する。国内金融機関への「脳ケア」の提供は、銀行業界としては国内初の取り組みとなる。
日本の認知症高齢者者数は2012年で462万人と推計され、厚生労働省によると2025年には約700万人、65歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれている。

ヘルパーの4人に1人が高齢者 介護業界の人手不足浮き彫り

公益財団法人 介護労働安定センターの調査によると、ホームヘルパーの4人に一人が65歳以上の高齢者であることが分かった。ヘルパーは多様な業務に携わり労働密度が濃い。そして激務内容の割に給与水準が低く、定着率が低い。このため介護施設ではヘルパー不足が著しい。
65歳以上の割合は、看護職などを含む介護事業所の従業員全体では12.3%、ヘルパーは25.6%で、それ以外の一般の介護職の9.4%と比べ大幅に高く、平均年齢は50.9歳。ヘルパー不足を感じている事業所は80.1%に上っている。こうしてみると、要介護者予備軍でもある高齢者が、同様に介護業界の支え手にもなっている状況が浮き彫りになった。

厚労省 来年度から「介護助手等普及推進員」を全国配置へ

厚生労働省は来年度から、介護施設で清掃など補助的な仕事を担う介護助手のなり手を探し、施設での活用方法の提案などにあたる「介護助手等普及推進員(仮称)」を全国に配置する。推進員は介護助手のなり手と施設をつなぐコーディネーターとして普及を支援する。介護助手は国家資格がなくても担える業務を担い、介護現場のヘルパーなど深刻な人手不足を緩和するするのが狙い。

地域を元気に!活動第2弾「成年後見制度」研修セミナー開催

「地域を元気に!推進委員会」は10月23日、成年後見制度に基づき実業務にあたっている一般社団法人 福祉後見サポートセンターを招き、活動拠点の大阪市西区・九条商店街の一角、「コミュニティーROOM恵人(けいと)」で、「もしもに備えませんか?」をテーマに「成年後見制度」研修セミナーを開いた。
同委員会が8月30日に活動を立ち上げ・始動した際、一部の地域住民に成年後見制度のあらましを紹介しているが、今回は2回目。今回も口コミで呼び掛けた、一部関係者を含め14人が集まった。成年後見制度に基づく支援を必要としている住民は数多いはずだが、2000年4月1日にスタートしている制度の内容についてはほとんど知られておらず、周知には程遠い同制度。
セミナーでは、社会福祉士の青木智和氏が①家庭裁判所が後見人を選任する、すでに判断能力に不安がある人向けの法定後見制度②将来に向けて備えたい人向けの任意後見制度-の概要、成年後見人になれる人、成年後見人ができないこと、後見報酬例などについて、具体例を交えて説明。これを受け、杉本悦子代表が実際に任意後見制度に基づき支援業務にあたった2例を支援内容ごとに紹介した。
セミナー後、参加した人からは、現在周囲住民に認知能力が衰えている人や不安がある人がいて、ケースごとにどう対応すべきかの質問が寄せられ、任意後見人ならどのようなことができるかのアドバイスを受けた。また散会後、杉本代表に熱心に質問する参加者もいた。

フランスベッド 病院・施設専用 4つに変形する離床支援ベッド

フランスベッド(本社:東京都新宿区)は10月22日、5月より展開している寝姿勢から立ち上がり姿勢まで4つのポジションに変形する電動ベッド「離床マルチポジションベッド」で、医療・介護現場の要望に応え病院・施設専用モデルを2021年11月1日に発売すると発表した。
病院・施設等で使用できるように、ベースフレームを幅の狭いタイプに改良、開発し、療養室からドアやエレベーターをスムーズに移動、搬送することが可能になった。このベッドは「」「介護人材の不足」や「老老介護」など介護における課題解決を目指し、同社が5年かけて開発した電動ベッド。

サ高住 過剰介護の囲い込み横行 自治体の立ち入り調査進まず

見守りサービス付きの高齢者向け住宅(サ高住)の入居者に、過剰な介護サービスを使わせて利益を上げる「囲い込み」が問題になっている。読売新聞の所管自治体へのアンケート調査によると、自治体の約4割は事業者による囲い込みを把握していた。ただ、約9割に自治体が新型コロナウイルスの影響や自治体の職員不足で、立ち入り調査を計画通りに実施できておらず、チェックが追い付かない実態が浮き彫りになっている。
サ高住では、安い家賃で集めた入居者を併設する自社のデイサービスに通わせるなどして、税金と保険料が主な財源の介護保険で利益を確保する囲い込みがあるとされている。囲い込みは、利用者の自立を妨げる過剰介護につながりやすく、介護給付費の増大を招いて保険料上昇の要因にもなるため、厚生労働省が自治体に指導の徹底を求めている。
調査は7~8月、全国で約27万人が暮らすサ高住を所管する都道府県や政令市など129自治体にアンケート形式で実施。対象の全自治体が回答した。

ダイハツ 福祉介護・共同送迎サービス「ゴイッショ」提供へ

ダイハツ工業は10月21日、通所介護施設の送迎業務の共同化を土台に、他のサービスを付加することで、地域の高齢者の移動や暮らしを支援する「福祉介護・共同送迎サービス『ゴイッショ』」を2022年春に提供開始すると発表した。
同社が香川県三豊市で実施した実証事業で①介護施設にとって送迎業務を外部委託することにより業務負担が軽減されること②地域で共同化することにより効率的な稼働が実現できること-などが明らかになった。さらに、他の自治体へヒアリング活動を行う中で、エリアや人口規模にかかわらず、同様の課題を抱えている自治体が多いことから、社会受容性が高いモデルと考え、今回全国展開することになった。2022年春の提供に先立ち、ゴイッショの導入を検討する自治体を募集する。

在留資格持つ外国人の来日足止め37万人 入国制限緩和遅れで

出入国在留管理庁などによると、在留資格の事前認定を受けながら、新型コロナウイルス対策の水際対策で来日できていない外国人が、10月1日時点で約37万人に上ることが分かった。この7割が技能実習生や留学生だ。
海外では経済社会活動再開を見据えて入国制限を緩和する動きが相次いで伝えられる。こうした中、いぜんとして原則すべての国からの入国を拒否する日本の判断の鈍さが際立っている。

法施行後3年間で技能実習生の産後復帰わずか2% 厚労省

厚生労働省の調査によると、技能実習適正化法施行後約3年間で、妊娠や出産で実習を中断した外国人技能実習生637人のうち、実習を再開できたのは11人で、わずか約2%にとどまることが分かった。本来は希望すれば出産後も実習を再開できることになっているが、原則家族の帯同を認めておらず、実習に戻るには子どもを母国に残し、離れて暮らさざるを得ないのが実情。幼児を抱えた実習生が復帰するにはハードルが高く、多くは復帰を断念するケースが多いとみられる。