「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

吉野ヶ里遺跡 邪馬台国時代の石棺墓に赤色顔料, 被葬者は有力者

佐賀県は6月5日、弥生時代の代表的な大規模環濠集落として知られる吉野ヶ里遺跡(所在地:佐賀県吉野ケ里町〜神埼市)の、発掘調査としては手つかずだった「謎のエリア」で今春見つかった石棺墓について、石のふたを取って内部を調べる作業を始めた。内部に詰まった土の表面から赤色顔料が見つかり、3枚開けたふたのうち1枚の裏側に「☓」に似た文様が刻まれているのを確認した。
専門家によると、赤色は限られた身分の上位の人に使われるケースが多いという。それだけに被葬者は有力者とみられる。佐賀県によると、邪馬台国が栄えた時代とほぼ同じ弥生時代後期後半ー終末期(2世紀後半〜3世紀中ごろ)の墓とみられ、有力者を埋葬した可能性があるとしている。今後の調査で被葬者や副葬品の有無に注目が集まる。

石川・金沢市で鎌倉時代の木簡「差し押さえ」札 見つかる

石川県金沢市埋蔵文化財センターによると、発掘調査により鎌倉時代の領主らが土地や家屋を差し押さえしたことを示す「点定札(てんじょうふだ)」と呼ばれる木簡が、金沢市内の遺跡で見つかった。
今回見つかったの札は、長さ25.2cm、幅2.8cmのものと、長さ20cm、幅4.5cmのものの2種類。屋敷や集落があったとされる市内の別々の遺跡から出土した。墨で書かれた旧字体の「点定」の文字が確認された。
点定札、税の未納や住人の逃亡などにより荘園の領主らが土地や家屋を差し押さえる際、目印にしていたとされる木簡。札の存在は様々な文献で明らかになっていたが、実物が出土したのは初めて。

英国ダービー ディープインパクト産駒が制す 歴史的快挙!

第244回英国ダービー(G1、2410m芝、14頭出走)が6月3日、エプソム競馬場で行われ、ディープインパクト産駒の最終世代、オーギュストロダン(牡3歳、アイルランド)が優勝した。勝ち時計は2分33秒8。同産駒初の英国ダービー制覇の快挙を果たした。鞍上のライアン・ムーア騎手は3勝目。エイダン・オブライエン調教師は9勝目。
レースは道中、中団につけたオーギュストロダンが最終コーナーでスパートをかけると、次元の異なる差し脚で先行馬を抜き去り、一気に先頭争いに加わった。残り1ハロンからは先に抜け出したキングオブスティール(牡3歳、英国)との一騎打ちとなったが、最後は半馬身差ライバルを退けた。

平安時代の歌人,在原業平ゆかりの奈良・不退寺で3年ぶり命日法要

奈良市の不退寺で5月28日、平安時代を代表する歌人、在原業平の命日の法要が営まれた。僧侶がお経を唱える中、業平がつくったとされる本尊の「聖観音菩薩立像」を前に、参列した人たちが手を合わせて焼香し、静かに業平をしのんでいた。新型コロナウイルス禍で、一般参列者をお堂に入れて営む「業平忌」は3年ぶり。
同寺は、古今和歌集で知られる平安時代の歌人、在原業平が建立したと伝えられ、毎年命日に業平をしのぶ法要、業平忌が行われている。

エジプトで「最大かつ完全な」遺体ミイラ化の作業場遺構

エジプト観光・考古省は5月27日、首都カイロ南郊サッカラで発見された、遺体をミイラ化する紀元前4世紀ごろの作業場2カ所を報道陣に公開した。発掘調査を行った考古最高評議会のムスタファ・ワジリ事務局長は「最大かつ完全な状態で見つかり、当時の作業の様子が非常によく分かる」と話している。
今回見つかったのは作業場は第30王朝(紀元前380〜同343年)とプトレマイオス朝(同305〜同30年)時代に属し、最古とされる「階段ピラミッド」付近の丘陵地帯。サッカラは聖地だったため埋葬希望者が多く、遺体をミイラ化する作業場も多く存在したとされる。
ミイラは遺体から内蔵を取り出し、防腐処理を施して完成する。作業場からは処置の際に遺体を横たえる長さ約2mの石膏の寝台や、内臓を入れるつぼ、遺体をくるむ大量の布や防腐処置に使う塩や樹脂などが見つかった。

日本最古の刺繍「天寿国繍帳」一部復元 6月に奈良・中宮寺に奉納

日本最古の刺繍「天寿国繍帳(てんじゅこくしゅうちょう、7世紀、国宝)」の一部を復元して装飾した「被衣(かつぎ)」が、京都の伝統工芸、京繍(きょうぬい)の第一人者、長艸(ながくさ)敏明氏によって制作された。6月1日に繍帳を所蔵する中宮寺(所在地:奈良県斑鳩町)に奉納され、一般公開される。
天寿国繍帳は、聖徳太子の没後、追慕する妃の願いでつくられた日本最古の刺繍とされる。被衣は頭からかぶる着物のこと。

吉野ヶ里遺跡で弥生後期の墓の一部出土「歴史的発見の可能性」も

2022年から10年ぶりとなる大規模な発掘調査が進められている佐賀県の吉野ヶ里遺跡で、弥生時代後期のものとみられる墓の一部が出土した。4月に4枚の平らな石が並んだ状態で見つかった。4枚を合わせると全長2mほどになり、調査している佐賀県によると墓の「ふた」という。弥生時代後期、1〜3世紀ごろの有力者の墓のふたとみられる。
専門家は「かなり身分が高い人の墓の一部の可能性が高い。さらに調べれば歴史的に大きな意味を持つ発掘になる可能性がある」としている。同遺跡ではこれまで、弥生時代中期の王の墓が見つかっているが、邪馬台国が存在したとされる弥生時代後期の有力者の墓だとすれば初めてとなる。

豊臣秀吉ゆかり?の藤堂家の「黄金の茶道具」3億円で落札

豊臣秀吉が戦国時代の武将、藤堂高虎に授けた褒美との伝承がある「黄金の茶道具」一式が5月27日、東京都内で行われたオークションで3億円で落札された。この茶道具は藤堂家に伝わる茶碗や釜など10点。銀製の茶入れの蓋(ふた)以外は金と銀などの合金製で、金の含有率は80〜88%という。落札したのは茨城県筑西市の広沢美術館。

世界記憶に「円珍文書」, 世界ジオパークに石川「白山手取川」認定

国連教育科学文化機関(ユネスコ)執行委員会は5月24日、重要な文書や絵画などを保護する「世界の記憶」に、平安時代に密教の教えを中国から日本に持ち込んだ高僧、円珍ゆかりの文書の新規登録を決めた。また、石川県白山市の自然公園「白山手取川」も世界ジオパークに認定した。世界の記憶は国内8件目、世界ジオパーク認定は国内10例目。
世界ジオパークの対象は、貴重な地形や地質を持つ自然公園。今回認定された白山手取川は、白山山頂から日本海まで高低差約2,700mに及ぶ白山市全域が対象。手取川がもたらした扇状地形や、2億年以上前からの日本列島の発展を示す地層などを含んでいる。

浅草「三社祭」4年ぶり神輿担いで街中巡る”渡御”復活 賑わい戻る

東京の夏の風物詩、東京・台東区、浅草神社の例大祭「三社祭」が5月19〜21日行われた。最終日の21日には3基の「本社神輿」を担ぎ出す「宮出し」が行われ、新型コロナ前の伝統的な祭の形が復活し、神輿を担いで街中を巡る”渡御”が4年ぶりに行われ、かつての賑わいが戻った。地元の氏子らが大きな掛け声とともに、浅草の街を練り歩いた。