「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

福井・鯖街道の宿場町 熊川宿古民家に若者らが流入

江戸時代、若狭地域の海産物を京都へ運ぶ鯖(さば)街道の主要拠点の一つとして隆盛を極めた熊川宿(所在地:福井県若狭町)。今、同地の古民家に若者らが流入、「挑戦する場」として活気が戻りつつある。古民家など歴史的な街並みに魅せられた若者ら、旧来の慣習にとらわれない、県外からの流入者が少しずつ一帯の空気を変えつつある。
こうした変化を受け、町も観光収入に頼るだけでなく、「暮らし、働ける街」を目指し、踏み出しつつある。県外からの流入者たちと地元住民との両輪で、新しい視点で循環型の新たな宿場町を模索する。
JR小浜線の上中駅(所在地:若狭町)から、東へ車で10分ほど、滋賀県境に近い北川沿いの谷間に熊川宿はある。かつて京都と小浜を結ぶ若狭街道の物資流通の中継拠点として繁栄した若狭町熊川宿一帯の面積は約10.8ha。街道に沿って用水路が流れ江戸時代から明治、大正の伝統的な建物が軒を連ね、歴史的な街並み集積がみられる。
若狭町熊川宿は、2007年に国土交通省の「日本風景街道」に登録され、2012年には空き家を活かした移住推進事業が実施されている。2015年に「御食国若狭と鯖街道」が日本遺産に認定。2018年には街道シェアオフィス&スペース「菱屋」・熊川宿、若狭美術館がオープンしている。

「びわ湖開き」3/4 観光シーズン幕開け 安全祈る

関西の春の風物詩で、今年で68回目となる、観光シーズンの幕開けを告げる「びわ湖開き」が3月4日、滋賀県大津市であった。一般客らが乗った大型観光選「ミシガン」やクルーザーなど約30隻が琵琶湖上をパレードし、観光客および観光船の運航の安全を祈った。今年はミシガンの一日館長を、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ」に出演中の俳優、高杉真宙さんが務めた。

日本の島の数 倍増の1万4,125島 国土地理院数え直し

国土地理院はこのほど、最新の地図のデータを使って36年ぶりに日本の島を数え直した結果、全国で1万4,125島に上ったと発表した。日本の島の数はこれまで、1987年に海上保安庁が公表した6,852島という数字が使われてきたが、この2倍以上に上った。今回対象としたのは、人工の島を除く自然の島で、外周100m以上。
都道府県別では多い順に、長崎県で1,479、北海道で1,473、鹿児島県で1,256、岩手県で861、沖縄県で691など。

奈良に春告げる東大寺二月堂「お松明」始まる

古都・奈良に春の訪れを告げる東大寺の伝統行事の一環で、大きな松明(たいまつ)を振って、二月堂の欄干から火の粉を散らす「お松明」が3月1日から始まった。
「お水取り」の名で知られる東大寺二月堂の伝統行事「修二会(しゅにえ)」は、およそ1カ月にわたって僧侶たちが、国の安泰を願って修行する奈良時代から続く行事。
お松明は3月14日までで、このうち11、12日は新型コロナウイルス対策のため非公開とし、それ以外は周辺への立ち入り人数を制限して行われる。

京都・平等院で藤原頼通しのぶ法要「関白忌」

京都府宇治市の世界遺産、平等院で3月2日、平安時代に寺を創建した関白・藤原頼通をしのぶ恒例の法要「関白忌」が営まれた。
緑や紫の袈裟(けさ)をまとった僧侶などおよそ20人が国宝の鳳凰堂で、本尊の阿弥陀如来坐像の前でお経を読み上げ、「散華」と呼ばれる蓮(はす)の花びらをかたどった紙を蒔いた。今年は鳳凰堂が建立されてから970年を迎える節目にあたることから、今年の散華は特別に鳳凰と天人の姿を切り抜く形であしらったという。
鳳凰堂の中では卒塔婆が立てられ、新型コロナウイルスの終息と世界中の紛争が終わり、平和が訪れることを祈った。

クフ王のピラミッド内部に空間確認 構造解明に期待

エジプト観光・考古省は3月2日、首都カイロ近郊のギザにあるクフ王のピラミッド内部で、186年ぶりに通路のような形の未知の空間が確認されたと発表した。見つかった空間は奥行き約9m、幅約2m。
名古屋大学の研究者やエジプト、フランス、ドイツなどの専門家が参加する国際チームによる成果。多くの謎が残るクフ王のピラミッドの構造解明につながると期待される。

京都・嵐山に奈良・吉野山のヤマザクラを植樹

京都・嵐山で2月27日、奈良・吉野山から運ばれたヤマザクラの苗木4本が、関係者が見守る中、渡月橋近くにある山の中腹に植樹された。これはおよそ750年前の鎌倉時代に後嵯峨上皇が嵐山に離宮を造営した際、奈良・吉野山のヤマザクラを植えさせたとされることにちなんだもの。
これは嵐山保勝会などが企画したもので、同日は吉野山の保勝会関係者を含めておよそ50人が集まった。ヤマザクラの苗を提供した吉野山保勝会は「芳野と嵐山の交流につながれば嬉しい」とし、嵐山保勝会ではシカやイノシシによる影響で桜が年々減っている嵐山で「吉野山の桜を次世代に受け継いでもらいたい」と話していた。

パンサラッサ サウジカップ制覇 賞金13億円超獲得

1着賞金1,000万ドル(約13億6,000万円)と世界最高を誇るサウジカップ(G1、ダート1800m、13頭立て)が2月25日、キングアプドゥルアジーズ競馬場で行われ、日本馬のパンサラッサ(吉田豊騎乗、牡6歳、矢作芳人厩舎、父ロードカナロア)が好スタートを決め、逃げ切り勝ちを収め、日本勢初の快挙を成し遂げた。勝ち時計は1分50秒8。同馬はダートG1初挑戦だった。この結果、同馬は2022年3月のドバイ・ターフⅡ続きG1・2勝目の大金星を挙げた。今回のサウジカップには日本馬6頭が挑んでいた。

京都・北野天満宮で菅原道真しのぶ「梅花祭」

学問の神様・菅原道真を祀る北野天満宮(所在地:京都市上京区)で2月25日、梅を愛(め)でた道真を命日にしのぶ「梅花祭」が行われた。屋外で茶を楽しむ「野点(のだて)」も開催された。詰めかけた参拝客らを、近くの花街、上七軒の舞妓(まいこ)や芸妓(げいこ)らがもてなしていた。
梅花祭は約900年続く伝統行事。境内には紅梅や白梅など約50種、約1,500本が植えられている。3月下旬まで「梅苑」として公開、3月19日までの金〜日曜日には夜間ライトアップも行われる予定。

はやぶさ試料分析 小惑星でアミノ酸合成→地球に

九州大学、名古屋大学、京都大学、広島大学、東北大学、北海道大学、東京大学、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などの研究チームは、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した試料(サンプル)の分析成果を2月24日付の米科学誌「サイエンス」電子版に発表した。
これによると、宇宙に漂う小天体でアミノ酸を含む様々な有機物がつくられている痕跡を見つけた。アラニンやグリシンのアミノ酸ほか、約2万種の分子があった。これらが隕石などを介して初期の地球などに運ばれ、生命の誕生に役立った可能性があるという。