「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

江戸期の”なにわ百景” 北斎らの作品230点展示

大阪中央区の大阪歴史博物館で、江戸時代に葛飾北斎らの浮世絵師が描いた大阪の絶景、およそ230点を集めた展示会が開かれている。6月5日まで。
これらの作品には当時の大阪の町や人々の生活の様子がうかがえる。葛飾北斎の「諸国名橋奇覧摂州天満橋」は大阪の代表的な夏祭り「天神祭」の風景を描いていて、橋の下では”船渡御”の船が行き交い、橋の上では多くの見物人でにぎわっている。また、歌川芳梅と芳豊が手掛けた「滑稽浪花名所」のシリーズでは、屋形船を乗り降りする人や、花火を見ていた人に起きたハプニングなどが、面白おかしく描かれている。

京都市京セラ美術館で「ポンペイ展」出土120点展示

京都市左京区の「京都市京セラ美術館」で、およそ2,000年前の火山の大噴火で埋もれた、イタリア南部・ナポリ近郊の古代都市の遺跡、ポンペイの美術品などを紹介する展示会が開かれている。
同展にはナポリ国立考古学博物館に所蔵されている遺跡の出土品などおよそ120点が展示される。このうち「踊るファウヌス」は、高さおよそ70cmの彫刻で体を強くねじる構図に当時の美術の特徴が表れている。また、直径20cmほどの「炭化したパン」は、ポンペイの街から見つかったとされていて、当時の生活を感じさせる。このほか、モザイク画の世界的な傑作とされる「アレクサンドロス大王のモザイク」をレプリカや映像で見ることができる。

聖徳太子1,400年忌「聖霊会」舞楽奉納 大阪・四天王寺

大阪・四天王寺(所在地:大阪市天王寺区)で4月22日、2021年10月に始まった聖徳太子千四百年忌の「御聖忌慶讃大法会」の結願となる「聖霊会」が、盛大に執り行われた。太子の魂を慰める1年で最も重要な法要で、華やかな装束をまとった人たちが石舞台で、今年は古式に則り、例年より大きな規模で舞楽を奉納した。

京都 祇園祭の山鉾巡行3年ぶりに実施へ

京都の「祇園祭山鉾連合会」は4月20日、祇園祭の山鉾巡行を新型コロナの感染拡大を防ぐため、開催時間を短縮し、参加者が密にならない対策などを講じたうえで、3年ぶりに実施すると発表した。山鉾巡行は新型コロナの影響で2020年、2021年と中止されており、実施は3年ぶりとなる。
京都の祇園祭は1000年以上の歴史がある祭りで、山鉾巡行は祭りのハイライトとして知られている。連合会によると、例年通り「前祭」は7月17日、「後祭」は7月24日に実施される。

南方熊楠の手紙,直筆原稿など23年2月に特別展

和歌山県白浜町の南方熊楠記念館はこのほど、同県出身の世界的な博物学者、南方熊楠(1867~1941年)が知人、植物・魚類研究者、宇井縫蔵らに宛てた手紙7点と直筆の原稿1点を入手、2023年2月に特別展を開いて一般公開する。これは同記念館が東京や和歌山などの古書店から購入した、全集未収録の貴重な収蔵品。熊楠ファンには一見の価値がありそうだ。

唐招提寺御影堂 5年間の大修理終わる 6月に特別拝観

国宝の「鑑真和上坐像」を安置する奈良市の唐招提寺・御影堂の5年間にわたった大規模修理がこのほど終わり、6月に特別拝観が行われることになった。
御影堂は地盤沈下による建物の傾きや雨漏りがひどくなったため、5年前から大規模な修理が行われ、3月31日に工事が終わった。
今回の修理では地盤沈下を防ぐため礎石の下にコンクリートの杭を打ったり、金属の梁を巡らせたりする工事が行われたほか、屋根の銅板を新しいものにして十分な雨漏り対策を施した。
今後は、鑑真和上坐像や東山魁夷による襖(ふすま)絵などを御影堂に戻し、6月5日に落慶法要を行うほか、6日と7日には特別拝観が行われることになっている。

ダーウィンのノート2冊 22年ぶり英大図書館で見つかる

英BBC放送は4月5日、英ケンブリッジ大学図書館で2000年以降、所在が分からなくなっていた19世紀の英自然科学者、チャールズ・ダーウィンのノート2冊が約22年ぶりに館内で見つかったと報じた。2000年にノートを撮影するために保管庫から取り出した後、未返還となっていることが判明。持ち出した何者かがこっそり返還したとみられるが、経緯は謎という。
ノートには有名な進化論を考察した初期のメモが含まれる。ノートはラップで包まれるなどし、保存状態は良好という。専門家がメモや図に、ダーウィンのものであることを示す複数の種類のインクが使われていたことなどを踏まえ、本物と判断した。

京都の春彩る「都をどり」3年ぶりに南座で開幕

京都の春を彩る祇園の芸妓や舞妓による「都をどり」が4月1日、京都市東山区の南座で3年ぶりに開幕した。24日まで開かれる。
都をどりは、京都の花街の1つ、「祇園甲部」で150年前に始められた芸妓や舞妓らによる春の舞踊公演。2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響で中止されたが、今年は出演者を少なくするなどの対策を取ったうえで実施。
今回の公演は「泰平祈令和花模様(たいへのいのりれいわはなもよう)」と題して、一日に8つの演目が披露されることになり、大勢の観客が集まった。最後の演目では、満開の桜の絵を背景に色鮮やかな着物を身にまとった芸・舞妓が勢ぞろい。あでやかな舞に見入っていた。

奈良・大安寺 壮大な往時の姿を再現したCG公開

奈良時代、東大寺や興福寺などと並ぶ壮大な威容を誇った大安寺(所在地:奈良市)の当時の姿を再現したCGが公開されている。これは同寺の史料や発掘調査の成果をもとに、最盛期だった奈良時代の姿をCGで再現したもので、奈良文化財研究所や考古学や建築の研究者らが監修した。
現在の大安寺の境内は4%ほどの面積に縮小、当時の面影はないが、奈良時代は境内に90棟余りのお堂がある壮麗な大伽藍だった。
境内のお堂にモニターが設置され、コントローラーで操作すれば、実際に境内を歩いているような視点で、CGで再現された、失われた金堂や七重塔などの建物をみることができる。

奈良 金峯山寺 国宝二王門70年ぶり解体修理へ

奈良県吉野町の世界遺産、金峯山寺で国宝の二王門を70年ぶりに解体修理するために門を覆う足場が完成し、本格的な工事が始まることになった。奈良県文化財保存事務所によると、5月からおよそ1年半かけて解体して、破損している瓦や部材を修理するという。そして再び組み直す際に、基礎部分をコンクリートにするなどして耐震補強するとしている。
金峯山寺の二王門は、およそ700年前の南北朝時代に建立されたといわれ、瓦にひびが入ったり、柱の塗装が剥げたりしていて、傷みが激しくなっている。
工事は7年後の令和10年度に完了する予定で、解体修理前の4月23、24日に、足場を使った見学会が開かれる。