昭和24年に焼損し、国の重要文化財に指定されている法隆寺(所在地:奈良県斑鳩町)の金堂壁画が11月10日から27年ぶりに公開される。一日の見学者の数を事前に申し込んだ50人に限定し、合わせて10日間公開される。
今回公開される12枚の壁画は、高さが3.1m、幅が1.5mから2.6mで、如来や菩薩などが描かれている。火災によって鮮やかな「極彩食」は失われているもの、焼け残った輪郭から、かつての様子がうかがえる。法隆寺の金堂壁画は、飛鳥時代に描かれたとされる古代の仏教壁画の傑作。平成6年の一般公開を最後に、原則非公開とされてきた。
「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ
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江戸時代の人々も歯周病 現代とは異なる細菌が原因
東京医科歯科大学の研究グループによると、江戸時代の人々も細菌への感染で歯ぐきや歯を支える骨が溶ける歯周病にかかっていたとする研究結果を、スイスの分子生物学の雑誌に発表した。
これは、東京都江東区の深川付近で発掘された江戸時代後期の人骨をCTスキャンなどで解析したもので、付着していた歯石を調べると、歯周病の原因の細菌は現代とは異なることも分かったという。人骨12体のうち5体で、あごの骨の一部が溶けていて、歯周病にかかっていた。また、骨に付着していた歯石に含まれるDNAを解析したところ、24種類の細菌がいたことが分かり、このうち17種類は現代人の口の中でも見られるものだった。
しかし、現代人で歯周病の原因となっている細菌は、江戸時代の人の歯石からは1種類も検出されず、研究グループは口の中の細菌の環境は現代とは異なり、当時の人々は他の細菌によって歯周病になっていたとみられるとしている。
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東大らのチーム 雑穀を食べていた特異な縄文人集団を発見
東京大学総合研究博物館の米田穣(よねだみのる)教授らの研究チームは10月13日、長野県小諸市七五三掛(しめかけ)遺跡で出土した人骨からコラーゲンを抽出し、放射性炭素年代を測定することで、15点中13点が縄文時代晩期末ごろの人骨であることを発見したと発表した。さらに炭素・窒素安定同位体比の特徴から、縄文時代晩期末の集団が渡来文化の一部である雑穀(アワ・キビ)を食べていたことも明らかにした。
縄文終末期に中部高地に伝来した渡来文化には、水田稲作だけではなく雑穀栽培が含まれていたが、これまではそれらの穀物を利用したのが縄文人だったのか、渡来人だったのか、また食生活における雑穀の重要性などの詳細は不明だった。
今回の研究成果で、雑穀は食生活の一部のみを占めることから、狩猟採集による伝統的な生活を継続しつつ、縄文人が渡来文化を主体的に受容した様相が示された。土器表面の圧痕研究ではイネ(籾)に加え、アワ、キビの雑穀種子も見つかっていることから、縄文人集団は中部高地の環境に適した雑穀を選択して生業に取り入れていたと考えられるという。