自民党の高市早苗総裁は10月7日、国会内で公明党の斉藤鉄夫代表と会談した。連立政権の継続に向けた政策協議は、公明党が”政治とカネ”の問題に関する懸念を示し、合意に至らなかった。公明党は”連立離脱も辞さない”姿勢で、引き続き協議するという。
斉藤氏は高市氏に①政治とカネの問題②靖国神社参拝を含む歴史認識③過度な外国人排斥ーーの3項目について懸念を伝えていた。高市総裁誕生の背景には、政治とカネに絡む”裏金”議員の支援も強かったと言われるだけに、公明党の懸念は当然とも言える。公明党は企業・団体献金について、政治資金収支報告書への不記載問題に関し、全容解明を求めている。ただ、これに対応するのは自民党にとって決して容易ではない。
衆参両院で自公政権が少数与党のいま、その基盤である公明党の納得が得られなければ、安定した政権運営のために、より連立拡大を目指すなどとは言っていられない。”解党的出直し”は全くのスローガンにすぎず、自民党自体は何も変わっていないのだから。
政治とカネについての自民党の対応は、衆参両院選挙でも明らかなように、これまで自民党を支持してきた有権者の多くが、「まだまだ不十分」「このままウヤムヤにしてしまうつもりか?」の怒りが収まっていない。
これを受け、公明党がチェック、確認せずに容認し、連立政権を継続すれば、公明党も同罪になってしまう。その瀬戸際だ。公党として十分な納得が得られなければ、基盤である創価学会の支持も得られない。中途半端に妥協しないことだ。
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高市 自民執行部発足 まるで”第2次麻生政権”の指摘も
自民党の高市早苗総裁が10月7日、新執行部を発足させた。当然のことながら、石破茂政権の主流派が一掃された。新たな中枢には高市総裁誕生の立役者となった麻生太郎氏が副総裁に、同派の鈴木俊一氏(麻生氏の義弟)が幹事長に、そして有村治子氏が総務会長にそれぞれ就任。このほか、高市総裁がリスペクトした安倍晋三元首相が主宰した旧安倍派から萩生田光一氏の幹事長代行の起用もあった。
この顔ぶれに、さすがに時代が逆戻り「これはやり過ぎだろう」、「これでは挙党体制ではなく、まるで”高市・麻生政権”」とか「”第2次麻生政権”」と揶揄する声も挙がる。
党内に自身の強い基盤を持たない高市氏が党内基盤強化のため、麻生氏に配慮するあまり、党内融和に影を落とす結果となった。そして、これで国債発行慎重派の麻生、鈴木両氏を前に、果たして積極財政出動派の高市氏が身上とする采配を振るえるのか?
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坂口志文氏にノーベル生理学・医学賞”制御性T細胞”発見
スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月6日、2025年ノーベル生理学・医学賞を米国の2人の研究者とともに、大阪大免疫学フロンティア研究センター特任教授の坂口志文氏(74)ら3人に贈ると発表した。坂口氏は「制御性T細胞」を発見するなど免疫学分野で優れた業績を残した。滋賀県長浜市出身。
日本のノーベル賞受賞は、2021年に物理学賞に選ばれた真鍋淑郎氏に続き29人目。生理学・医学賞受賞者は利根川進氏、山中伸弥氏、大村智氏、大隅良典氏、本庶佑氏に続いて6人目。
受賞者には賞金計1,100万クローネ(約1億7,000万円)が贈られる。授賞式・晩餐会は12月10日、スウェーデン・ストックホルムで行われる。
高市総裁 連立政権の基盤安定化へ党内外との課題山積
野党間で統一候補を立てられない情勢から、立党70年にして初の女性党首を誕生させた自民党・高市早苗総裁が、初の女性総理大臣に選出される可能性が高まっている。しかし、高市内閣が誕生しても党内、党外いずれも、その連立政権の基盤安定化へ課題は山積だ。
党としてこれまで躊躇していた、思い切った政策を立案しても、政権の基盤が弱ければ断行できない。党内基盤はもとより自公政権との新たな連立先を模索して、政権基盤を強化しなければならない。党内的には今回の総裁選で支持を受けた勢力を、継続的に取り込むためのフォロー・施策がポイント。このため、高市総裁は選出された翌10月5日、日曜日にもかかわらず、総裁選でキーパーソンとなった麻生氏と会談。挙党体制を構築するため、党内主要人事などについて相談した模様だ。
政治とカネの問題の有権者の疑念が全く解消していない旧安倍派を主とする、いわゆる”裏金議員”らとの距離感、党内の主要人事と、政策を円滑かつ強力に推進するための適材適所の内閣のポスト配置とのバランスも重要だ。そして、それらは有権者の納得を得られるのか?
総裁選スタート時、連立相手の公明党の斉藤鉄夫代表が自民党の次期総裁として、あくまでも「保守中道」の人として、対外的に「保守タカ派(強硬派)」と目されていた高市氏を暗に否定的な発言をしていただけに、本音で高市総裁を党内挙げて歓迎できるのか?果たしてわだかまりはないのか?連立継続のための協議の行方が注目される。
さらに高市氏は政権基盤強化のための連立拡大を目指すとしているが、連立相手として俎上に挙がる国民民主党や日本維新の会とも、政策ごとの協力協議から連立へ踏み込むのは決して簡単ではない。国民民主、維新が掲げる主要政策を丸呑みすることは、どれだけ連立拡大を優先する覚悟があっても、不可能な相談だ。
一方、海外との関係もスムーズな外交関係の継続が図られるのか?高市氏は、歴史認識の違いから中国や韓国がナーバスになる、靖国神社参拝を”ぶれず”に強行してきた人だ。その高市氏が総理大臣に指名された後、保守タカ派のレッテルを貼った日本のトップを、果たして中国は腹蔵なく受け入れるのか?石破政権のもとで、日韓両首脳の間で”シャトル外交”が再開された韓国は、日韓関係で何か問題が起こったとき、またも両国の政府間では解決・処理済みの「徴用工」や「従軍慰安婦」問題を、民間団体が政府レベルの協議事項に持ち出してくることはないのか?どれもこれも難しい選択ばかりだ。