日本透析医学会の集会の一環として、重い腎臓病の患者が受ける人工透析について、終末期の医療のあり方を考える講演会が大阪市内で開かれた。講師は、透析を受けていた夫を看取った経験があり、その体験をもとにした著書を出しているノンフィクション作家の堀川惠子さん。
堀川さんの夫は腎臓の難病のため38歳で透析を始め、60歳で亡くなるまで、20年以上その生活を続けていた。そして、終末期は治療による強い痛みに苦しんでいたことなど、当時の闘病の様子を説明。その間、堀川さんは痛みを和らげる「緩和ケア」を受けられる病棟に夫を入れてほしいと要望したものの、がん患者ではないことを理由に断られた経験があったことを明かした。
そのため、当時の日々を「夫にとっては生きるために受ける透析が、透析を受けるために生きているようだった」と述懐する。そこでたどり着いたのが透析患者にも終末期医療としての「緩和ケア」の必要性だ。
堀川さんは、「当時の夫には終末期の着地点が全く用意されず、自分らしい命を全うすることは極めて困難だった」と語り、国内に34万人余りに上るとされる透析患者の緩和ケアの充実の必要性を訴えている。
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コメの民間輸入1〜5月約2万㌧ 5月1万余㌧前年の60倍
財務省の貿易統計によると、5月のコメの民間輸入量が前月比5割増の1万607トンに上ったことが分かった。これは単月の過去最高記録。5月の輸入量を主要国別に見ると、米国が最多の7,894トン、台湾が909トン、タイが578トン、ベトナムが500トンと続いている。この結果、1〜5月累計では1万9,628トンと前年同期比で約60倍のペースとなっている。
民間でのコメ輸入は、1kg当たり341円という高額な関税がかかるため、これまでの輸入量は限定的だった。ところが、2025年は国産米の価格が急騰し、関税分を考慮しても輸入米の方が割安となり、輸入米への引き合いが急増する事態となった。
飲食チェーンの業務用だけでなく、大手スーパーが米国産「カルローズ米」を売り出し、家庭向けにも広がりをみせている。
四季に大きな変化 夏が半年間に それでも季節感は大事に!
日本の四季が大きく変わりつつある。地球温暖化の進行に伴い、かつての日本の最大の特徴でもあったその時、折々の季節感はどんどんなくなり、生活環境が激変しつつあるといってもいい。
アパレルメーカーなど、ものづくりの企画担当者などによると、もう日本にはかつての四季はなくなり、夏がおよそ6カ月間、冬が3カ間、春と秋がおよそ1カ月半といった区分になるという。温暖化、いや”温熱化”に伴い、夏が長くなり、その前後の春と秋が短くなってしまったというわけだ。冬と春、春と梅雨を挟んだ夏、秋と冬の境目なども明確にはなくなり、日本独特の季節の風情もなくなり、熱帯化している。アパレルに限らず、季節に関わりのある様々な職業・職種で否応なしに、対応の見直しが求められている。
このため、様々な風習・慣習などもこれまでのままの形では継承できなくなっている。ただ、だからといって決して旧習をすべて否定してしまってはいけないのではないか。全国各地には数百年も続く、〇〇祭をはじめ各種の四季のイベントがある。もちろん、熱中症や低体温症などから身を守るための措置は講じてのことだが、その時候に合わせて、やり方に工夫を加えて、実施し続けたいものだ。折々の季節感がなくなりつつあるからこそ、大事に遺していきたいものだ。それこそが、日本独自のものなのだから。
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北大 白亜紀後期 海の主役はアンモナイトではなく「イカ」
北海道大学の伊庭靖弘准教授らのチームは6月26日付の科学誌サイエンスに、1億〜7,000万年前の白亜紀後期の海の主役は「イカ」だったとする研究成果を発表した。これまで白亜紀後期の海は、アンモナイトや魚が主役だと考えられてきた。しかし同チームによると、イカが殻や骨を持たないため、化石として見つかりにくかったためだという。
チームは岩石を100分の1ミリという薄さに削りながら撮影を繰り返し、内部の化石を小さなものまですべてデジタルで立体的に再現する技術を開発。北海道各地の白亜紀の化石から、イカの”くちばし”という硬い組織の化石を約260個特定した。大きさは平均で約4ミリだった。
見つかったくちばしの形からイカはおよそ40種に分類。年代の異なる岩石の観察から、イカは1億年前ごろ現われ、600万年ほどの間に急速に多様化した推定された。その結果、イカの個体数は、繁栄を誇ったアンモナイトを上回るほどいたとみられる。
イカの発達の歴史(変遷)についてチームは、イカは同じ頭足類のアンモナイトが持つような殻を捨てた代わりに、えさを取るのに有利な高い遊泳能力を獲得し、機敏に動き回るための知能を発達させたと考えられるとしている。