自民党の高市内閣は今、物価高対策や衆院議員の定数削減の法案化や、突然降って湧いたような、首相の台湾答弁を巡る中国との問題など、国内外とも喫緊の難題山積で恐らく気を緩めるときがほとんどない状態が続いている。
働いて、働いて、働いて…覚悟はしていても、このうち中国との緊張関係は全く想定していなかったものだ。発端は、高市首相が国会で台湾有事に関する立憲民主党の議員の質問に対し、中国が台湾周辺を海上封鎖した場合、「存立危機事態になり得る」と答弁したことだった。存立危機事態は、日本が集団的自衛権の限定的な行使に踏み切る際の判断基準である。
これを受け事態は急変、矢継ぎ早に中国は激しい対日攻撃をエスカレートさせている。中国外務省は自国民に日本への渡航自粛を呼び掛け、教育省は”でっち上げ”の、日本の治安が不安定だという理由をつくり、日本への留学は慎重に検討するよう求めている。
事実を歪めた強硬な発言で相手国を動揺させ、自らに有利な状況をつくり出そうとするのは、中国の常套手段だ。具体的な根拠も示さず、たたみかけように日本を貶(おとし)めるような発言を繰り返す中国の姿勢はとても看過できない。
これに対し日本は、中国の一方的な対日非難を黙認せず、正当な抗議と辛抱強く誠実な説明の努力を続ける必要がある。あくまでも対話を通じ、冷静に解決策見出すしかない。日本は台湾の帰属に関する中国側の主張を尊重する。この点と、台湾周辺の武力紛争に関する日本の見解は、次元が異なる。
日本のこうした立場は、自民党を中心とする歴代内閣と同様、何ら変わらず一貫している。歴代首相は抽象的に表現するにとどめ、高市氏は歴代首相と差別化し、より具体的に説明、答弁したに過ぎない。不幸だったのは高市氏が過去、中国側が靖国参拝などで”保守タカ派”のレッテルを貼った人物だったことが災いしたのだ。
とはいえ、日中の今回の緊張関係と交流見合わせは簡単には溶けそうにない。中国が高く振り上げた拳(こぶし)は下ろせないからだ。したがって、異常事態の長期化は避けられないようだ。
もう一つ急がれるのが衆院議員定数削減問題だ。削減数、削減時期の実務者協議で11月中の法案提出へ詰めの議論の行方が注目されている。両党内では、選挙制度改革の検討を法案に盛り込む案も浮上している。今国会で法案の取りまとめができなければ自民・維新の連立政権合意書の精神が崩れるのではないか?との見方もあり、安易に先延ばしできないのだ。
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クマ被害 21都道府県196人, 4〜10月最悪
環境省は11月17日、今年4〜10月のクマによる被害者数は21都道府県の196人(速報値)に上ったと発表した。記録が残る2006年度以降の同期比では2023年度の18道府県の182人を上回って過去最悪となった。
被害者数を都道府県別でみると、秋田の56人が最も多く、岩手34人、福島20人、長野15人、新潟13人と続いている。クマに襲われたことによる死者は13人(11月17日時点)で、6人だった2023年の2倍以上になっている。
時期別にみると、10月は88人が被害に遭い、9月の39人の倍以上となっている。同省は急増した要因について、エサとなるドングリなどが不作で、食べ物を求めて市街地への出没が相次いだためとみている。
パナソニックHD 住設会社, YKKへ売却
パナソニックホールディングス(HD)は11月17日、住宅設備を手掛けるパナソニックハウジングソリューションズの株式の80%を2026年3月末までにYKKに売却すると発表した。売却額は非公表。
パナソニックハウジングソリューションズが扱う商材は、トイレや浴室、洗面台などの水回り製品、内装建材、宅配ボックスなど住宅関連製品。2025年3月期の連結売上高は4,795億円で、従業員数は約1万人。パナソニックHDは株式の20%を保有し続ける。
YKKは子会社YKKAPでサッシを中心に建材を手掛けている。今回の買収により、リフォーム事業を一段と強化する。パナソニックのブランドを維持し、人員削減やショールームは廃止しないという。YKKAPの2025年3月期の連結売上高は5,616億円。
パナソニックHDは、少子高齢化の進行で国内の新設住宅着工戸数が減少傾向にある中、自力で収益力を大きく改善するのは難しいと判断した。
ニプロ 再生医療等製品の本承認申請
レガレイラG13勝目 女王決定戦制す
現役の最強牝馬を決める競馬の第50回エリザベス女王杯(G1,2200m芝、16頭出走)が11月16日、京都競馬場で行われた。1番人気に支持されたレガレイラ(戸崎圭太騎乗)は中団でレースを進め、最後の直線で力強く抜け出し、2分11秒0で危なげなくG13勝目を飾るとともに、1着賞金1億3,000万円を獲得した。戸崎騎手、木村哲也調教師ともこのレース初勝利。2着に4番人気のパラディレーヌ、3着に9番人気のライラックが入った。
レガレイラは昨年のこのレースで5着に敗れ、1番人気の支持を裏切っている。その後、牡馬混合の年末の有馬記念(G1)を3歳で制し、レース運びがうまくなった。次レースは有馬記念になるのだろうが、グランプリ連覇の偉業がかかる。