日本国際博覧会協会(万博協会)は5月5日、日中戦争の影響で急遽、中止となった1940年「東京万博」の回数券と、大阪・関西万博の入場券の引き換えを始めた。1970年大阪万博や2005年愛知万博でも同様の対応が取られたことで、今回も「万博の歴史を継承したい」としている。
東京万博は神武天皇の即位2600年を記念し、日本初の万博として東京を主会場に計画され準備が進められていたが、日中戦争の激化で中止された。正式名称は「紀元2600年記念日本万国博覧会」で、”幻の万博”とも呼ばれる。1冊12枚綴りの回数券は、戦時中の混乱で払い戻しされなかったケースも多く、1970年大阪万博や2005年愛知万博では招待券との引き換え措置が取られた。
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大屋根リング 一部保存案 200m残す 協会調整 近く議論
「空飛ぶクルマ」万博会場で飛行中破損 当面運航中止
大阪IR 施設本体の工事開始 30年秋開業予定 4/24起工式
国内初となるカジノを中核とした統合型リゾート(IR)の施設本体の建設工事が4月24日、万博会場の隣接地で始まった。同日は現地で起工式があり、大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市町、事業者の大阪IR株式会社でともに代表取締役を務めるエドワード・バウワーズ氏(日本MGMリゾーツ社長兼CEO)と高橋豊典氏(オリックス執行役)が鏡開きを行った。工事は騒音や景観への対策を取りながら進められ、2030年秋ごろに開業する予定。
IRは夢洲北側の大阪市有地約49.2万㎡に建設される。カジノ施設(約6.5万㎡)や3つのホテル、国際会議場を備える。初期投資額は約1兆2,700億円で、年間約5,200億円の売り上げを見込む。
24年度近畿輸出額 過去最高 アジア向け半導体伸び, 円安寄与
大阪税関がまとめた2024年度の近畿2府4県の貿易概況(速報)によると、輸出額は前年度比3.8%増の21兆8,517億円と、2年ぶりにプラスとなり過去最高を更新した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆3,595億円の黒字だった。黒字幅は7%縮小したものの、10年連続の黒字だった。
品目別では集積回路(IC)など半導体等電子部品が12.1%増えたほか、半導体等製造装置も14.3%増えた。主な国・地域別では、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けが11%増で過去最高となった。
輸入額は5.3%増の19兆4,922億円で、過去2番目に多かった。医薬品が前年度比25.2%増、事務用機器が39.6%増が目立った。
過去最高を記録した輸出額だが、中国と米国向けで全体の約4割を占めており、今後、トランプ米政権の高関税政策の影響が懸念される。
万博1週間 来場者60万人突破 混雑, 通信障害, 暑さ対策に課題
大阪・関西万博は4月20日で13日の開幕から1週間となった。万博協会は19日の約10万4,000人を加え、7日目までの総入場者は60万人を超えたと発表した。そして、この間、課題も浮き彫りになってきた。
協会は”並ばない万博”を掲げ、インターネットによる入場券販売や事前予約制を導入した。しかし14万1,000人が訪れた開幕日は東ゲート付近で通信障害が発生し、スマートフォンで電子チケット(QRコード)を表示できないトラブルが起きた。このためWiFi(ワイファイ)を急遽、設置し、移動基地局も配備した。
今後、日陰が少ない会場で、暑くなる季節を控え日傘やミスト、給水用マイボトルなど熱中症対策も大切になる。会期中は1日最大22万7,000人の来場が予想されるだけに、会期序盤のこれまでに浮き彫りになった課題への対策、改善・解消は、円滑な運営のカギを握る。
万博 初日来場者11万9,000人 雨天影響?予約下回る 協会
「1万人の第九」Adoさんライブ, 水上ショー饗宴 万博初日
大阪・関西万博は開幕初日の4月13日、あいにくの雨だったが、早朝から入場ゲートは大混雑し、人気のパビリオンにも長蛇の列ができた。予定されていた航空自衛隊の曲技飛行隊「ブルーインパルス」の展示飛行は、天候不良で注視となったが、開幕を祝う多彩なイベントで盛り上がった。
開場時刻の午前9時、大屋根リングでベートーベンの「交響曲第9番」第4楽章を1万人で合唱する「1万人の第九 EXPO2025」があり、公募で選ばれた1万263人(6〜93歳)による歌声で祭典の幕を開けた。午後7時過ぎには会場南側のウォータープラザで会期中、毎夜ある水上ショー「アオと夜の虹のパレード」があった。午後7時45分ごろからは会場西側の屋外ステージ・EXPOアリーナで、素顔を見せずに活動し、国内外で人気を誇るAdoさんのライブがあった。
万博5カ国のパビリオン開幕に間に合わず インド,チリなど
大阪・関西万博 4/13開幕「いのち輝く未来社会のデザイン」
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博の開会式が4月12日、大阪・夢洲(所在地:大阪市此花区)の会場で開かれ、国内外の要人ら約1,300人が出席した。日本と海外の158カ国・地域、7国際機関が参加する万博が13日に開幕し、10月13日まで184日間にわたる祭典が始まった。万博を運営する日本国際博覧会協会は会期中、国内外から2,820万人の来場を見込んでいる。
開会式には天皇、皇后両陛下、万博名誉総裁の秋篠宮ご夫妻が出席されたほか、石破首相や大阪府の吉村知事、参加国の代表らが参加した。
会場の面積は東京ドーム33個分に相当する約155ha。参加国や国内企業が出展する計84のパビリオンが建ち並び、貴重な文化財や次世代の技術が展示される。
中心部には、今回の万博のシンボルともいえる世界最大の木造建築物となる大屋根リング(1周2km)が組まれ、海外各国の57館をすべてリングの内側に置くことで、「多様でありながら、ひとつ」というメッセージが込められている。
①入場券の販売低迷②熱中症対策③メタンガス発生リスク④大混雑必至の会場へのアクセスーーなど様々な課題・難題を抱えながらも、6カ月余りにわたる万博がスタートした。ともかく何より「安心で安全な万博の実現」を祈りたい。