「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

関西3空港の利用者初めて5,000万人突破 業績過去最高

関西空港・大阪空港・神戸空港の3空港を運営する関西エアポートは6月17日、2024年度の業況を発表した。売り上げにあたる営業収益は前年の1.3倍の2,454億円、最終的な利益は前年の2.4倍の368億円で、いずれも過去最高となった。3空港全体の利用者は初めて5,000万人を突破し、コロナ禍前の2019年度を6%上回った。
空港別にみると、前年と比べて関西は23%多い3,180万人、大阪が4%多い1,545万人、神戸が5%多い361万人となった。好業績の要因は、インバウンド需要の伸びに加え、2023年12月に関西空港第1ターミナルの免税店エリアが一新され、購入単価が増えたことが寄与した。

伊藤忠 蘭センサス社の水溶性食物繊維の国内独占販売権

伊藤忠商事(本社:東京都港区)は6月16日、Sensus B.V.社(本社:オランダ、以下、センサス社)との間で、水溶性食物繊維「イヌリン」(ブランド名:イヌリア)の国内独占販売契約を締結したと発表した。5月まで帝人(本社:大阪市北区)がセンサス社のイヌリンの独占販売権を保有していた。
6月から伊藤忠商事がこの事業を引き継ぐ。すでに2025年度より、大阪市内の全小中学校の給食用パンにイヌリアが採用されている。
センサス社はイヌリンの世界第2位のシェアを持つ食品素材メーカー。

農水省 コメ「作況指数」廃止 AI活用し精度高める

農林水産相は6月16日、毎年のコメの作柄を示す「作況指数」を廃止すると発表した。これは、生産現場の農家の実感と異なり、作況指数を下回る収穫量の不足が、価格高騰につながっているのではないかとの声が挙がり、国の統計の信頼性を問う声があるため。農水省はコメの収穫量に関する調査は継続するが、人工衛星やAI(人工知能)を活用したうえで、精度を高めていくとしている。

安川電機 米ウィスコンシン州に新たな本社・生産機能移転

安川電機(本社:福岡県北九州市)は6月16日、米州統括企業、Yaskawa America Inc.(本社:イリノイ州ワキンガ市)を通じて、ウィスコンシン州フランクリン市に今後8〜10年間で約1億8,000万ドルを投資し、現在イリノイ州とウィスコンシン州にある本社・生産機能などを移転、新たなキャンパスを設立すると発表した。
新設するキャンパスは約7万4,000㎡を超える敷地に、本社、技術開発、トレーニング施設をはじめ産業用ロボットを製造する工場などが含まれる。

新潟・燕三条の直径約1mの「やかん」万博に出品

大きな銅板2枚を組み合わせてつくった直径およそ1mの巨大な「やかん」が、6月16日から3日間、大阪・関西万博に出品されることになった。これは、新潟県燕三条地域のものづくりの技術を世界に発信しようと、江戸時代から続く燕市の金属加工会社が1枚の銅板をたたいて加工し、器などをつくる「鎚起銅器」の技術を駆使し、制作したもの。
今回出品されるやかんは高さ1m16cm、直径95cm。展示会場では、鎚起銅器の技術を持つ職人が、7羽の”さぎ”の彫金加工を施す様子を実演するという。

USSの米政府保有「黄金株」永続的 日鉄の経営の”足かせ”に

米国のラトニック商務長官は6月14日、トランプ米大統領が承認した日本製鐵による米鉄鋼大手USスチールの買収を巡り、米政府が保有する”永続的”な「黄金株」による拒否権の内容を明らかにした。Xに投稿した。
黄金株による拒否権の対象は①USスチールの社名変更②USスチール本社ペンシルベニア州ピッツバーグからの移転③米国外への本社機能移転④140億ドルの設備投資の削減、撤回、延期⑤生産や雇用の米国外への移転⑥設備改修など通常の一時停止を除く工場の閉鎖や休止⑦従業員の給与、不当廉売、米国外での原料調達、買収ーーなど。トランプ政権の同意なく、上記の行為を禁じており、日本製鉄の経営の”足かせ”、重荷となる可能性がある。

大林組, アイシン ペロブスカイト太陽電池実用化へ実証実験

大林組(本社:東京都港区)とアイシン(本社:愛知県刈谷市)は6月13日、共同で大林組技術研究所(所在地:東京都清瀬市)でペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて、交換が容易なファスナーを用いた取り外し式工法など大林組の開発した施工方法と設置方法で施工性の評価や発電量を検証する。

荏原 韓国初のアンモニア燃焼プロジェクト向けポンプ受注

荏原製作所(荏原、本社:東京都大田区)は6月13日、エネルギーカンパニー、Ebara Elliott Energyが、韓国南部発電公社が手掛ける三陟(サムチョク)市水素化合物転換インフラ構築プロジェクトで、液体アンモニアを供給する無漏洩ポンプを受注したと発表した。
このプロジェクトは、韓国初のアンモニア転換発電所および、燃料貯蔵用フルコンテインメントアンモニアタンクを建設するプロジェクト。

ディズニーなど AI企業を提訴 有名キャラクター無断使用で

米国の大手エンターテインメント企業、ウォルト・ディズニーとNBCユニバーサルは6月11日、AI企業ミッドジャーニーのサービスが著作権を侵害しているとして提訴した。ロサンゼルスの連邦地裁に提出された訴状では、ミッドジャーニーの生成AIによる画像作成サービスが、『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーや、『怪盗グルー』シリーズのミニオンなどの有名キャラクターを無断で使用したとしている。
ニューヨーク・タイムズによると、生成AI が作成した画像を巡ってハリウッドの大手企業が訴訟を起こすのは初めてという。

日本製鉄 トランプ米大統領がUSスチールの買収計画承認

日本製鉄は6月14日、トランプ米大統領がUSスチールの買収計画を承認したと発表した。米国政府に対して経営上の重要事項に拒否権を持つ”黄金株”を発行することや、2028年までに約110億ドル(約1.6兆円)をUSスチールに投資するほか、国内生産への関与を持つことを盛り込んだ国家安全保障協定を締結したとしている。
日鉄は「必要なすべての規制当局からの承認を取得した。パートナーシップは速やかに成立する」との声明を出し、「合併契約が完了する際には、USスチール株を100%保有するのが前提になっている」としている。
政府もこの発表を好感。武藤経済産業相が「日米間の緊密なパートナーシップの強化につながる」と歓迎するコメントを出している。