「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

英下院「安楽死」容認法案可決 イングランドとウェールズ

英下院は6月20日、終末期患者の「安楽死」を認める法案の最終採決を行い、賛成多数でかけつした。賛成314票、反対291票だった。今後、上院での審議で内容が修正される可能性もあるが、スイス、オランダ、カナダなどに続く安楽死の合法化に近づいた。
英国メディアによると、合法化された場合、安楽死が認められるのはイングランドとウェールズに居住し、余命6カ月未満と診断された成人(18歳以上)の患者。医師2人の同意のほか、弁護士、精神科医、ソーシャルワーカーで構成する専門家パネルの承認が必要となる。命を絶つ方法は、医師が用意した薬物を患者自身が摂取するとしている。

低コストで患者本人のiPS細胞製造施設 大阪・北区で開所

京都大学iPS細胞研究財団の山中伸弥理事長(京都大学教授)は6月20日、大阪市北区の医療拠点に、低コストで患者本人の血液からiPS細胞を製造する新たな施設を開所したと発表した。
これは同財団が運営する「Yanai my iPS製作所」で、広さはおよそ1,400㎡、iPS細胞を培養する装置が14台あるほか、培養した細胞を保管するスペースなどもある。同財団では、同施設で製造された患者本人のiPS細胞を使用した臨床試験が、2028年度までに医療機関で開始できるように事業を進めたいとしている。
財団によると、患者本人のiPS細胞からつくった組織などを移植することで、拒絶反応のリスクの低減が期待されるが、1度の製造コストがおよそ5,000万円と高額になることが課題だった。そのため、この施設では工程を自動化することなどで、製造コストをおよそ1,000万円程度に抑えることを目標に掲げている。製造期間も半年から3週間程度に短縮することを目標にしている。

イスラエル, イランから邦人87人がバスで隣国に退避

岩屋毅外相は6月20日、交戦が激化しているイスラエルとイランに滞在する邦人87人が、日本政府が手配したバスで隣国に退避したと明らかにした。20日までにイスラエルからは邦人とその家族合わせて21人がヨルダンの首都アンマンに、イランからも同じく66人がアゼルバイジャンの首都バクーにバスで移動した。
外務省によると、現在両国の邦人はイスラエルに約1,000人、イランに約220人が残っている。

24年水の事故 全国で1,535件 過去10年で最多 死亡794人

警察庁のまとめによると、2024年に発生した水の事故は全国で1,535件に上り、過去10年で最多となった。前年よりも140件余り増えている。
死亡した人は794人、行方不明者は22人に上った。事故の発生場所は海が372人と最も多く、次いで河川が288人、用水路が100人、湖や池が39人、プールが3人だった。

万博”水上ショー”近く再開へ レジオネラ属菌「検出されず」

万博会場の水上ショーを行っているエリア「ウォータープラザ」の海水から健康被害を与えるおそれがあるレジオネラ属菌が検出された問題で、万博協会は6月20日、これまでより精度の高い「培養法」で検査した結果、レジオネラ属菌が検出されなかったと発表。この結果を受けて、同協会は水上ショーの再開に向けた準備を進めることを明らかにした。
水上ショーは、国の指針の値の50倍余りのレジオネラ属菌が検出されたことを受けて、6月4日から休止されている。

豊田章男会長の24年度報酬19億4,900万円 歴代役員最高

6月18日公開された有価証券報告書によると、トヨタ自動車の豊田章男会長の2024年度の役員報酬は19億4,900万円で、歴代役員で過去最高だった前年より2割、約3億円多くなったことが分かった。同会長の役員報酬は、固定報酬3億9,500万円に加え、業績連動のボーナスが6億100万円、株式報酬が9億5,300万円だった。

武庫川女子大 共学化方針固める 2027年度めど 厳しさ増す 

武庫川女子大学(本部所在地:兵庫県西宮市)が6月17日、2027年度をめどに共学化する方針を固めたことが分かった。同大学は13学部で学生数は9,635人。関西では京都女子大学、同志社女子大学と並ぶ大規模校で、関西圏だけでなく西日本一帯から学生を集めており、経営は順調と見られていた。
関西圏では学生数の減少により、2023年に神戸海星女子学院大学、2025年に京都ノートルダム女子大学がそれぞれ学生募集停止を発表している。女子大学を取り巻く環境は、予想以上に厳しさを増していることをうかがわせる。

5月訪日客 過去最多の369万人 韓国82万人, 中国44,8%増

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、5月の訪日外国人客数は前年同月比21.5%増の369万3,300人で、5月としては過去最多となった。全体の訪日客数は単月で最多だった4月の390万8,900人を下回った。
国・地域別でみると、最も多かったのは韓国で前年同月比11.8%増の82万5,800人に上った。次いで、中国が44.8%増の78万9,900人だった。
1〜5月累計では1,814万100人で、年間4,000万人を上回るペースで推移している。

百日ぜき 初の週3,000人超え 感染拡大 18年以降最多更新

国立健康危機管理研究機構は6月17日、全国の医療機関から6月2〜8日の1週間に報告された百日ぜきの患者数(速報値)が3,044人に上ったと発表した。現在の集計法となった2018年以降の最多を更新し、初めて1週間当たり3,000人を超えた。前週より700人ほど多く、感染拡大が続いている。
この結果、百日ぜきの今年の累計患者数は2万8,553人となり、2024年の年間4,054人を大幅に上回っている。