「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

古墳時代初頭に中型犬 大陸から渡来か 纒向遺跡

奈良県桜井市纒向(まきむく)学研究センターの研究紀要によると、邪馬台国の有力候補地とされる纒向遺跡(所在地:奈良県桜井市)で出土していた古墳時代初頭の犬の骨を分析したところ、背中までの体高は約48cmで、中型犬の大きさと推定されることが分かった。
骨は桜井市教育委員会が2014年度に実施した調査で、遺跡中枢の大型建物群跡東側に位置する深さ約1mの溝底から出土した。ほぼ1体分の全身骨格とみられ、古墳時代初頭の3世紀前半のものと考えられるという。
弥生時代までは小型犬が主流で、古墳時代になって大陸からもたらされた可能性を示すという。古代の犬は小、中小、中、中大、大級に分類され、今回は中大級に該当するとしている。
纒向遺跡は3世紀初めごろ出現した巨大集落跡。

京都「五山送り火」3年ぶり夜空に形くっきり

お盆に迎えた先祖の霊を送り出す京都の伝統行事「五山送り火」が8月16日、東山の如意ヶ嶽など京都市街を囲む山々で行われた。2020年と2021年は見物客の密集を避けるため、点火場所を削減して行われたが、今年は3年ぶり通常通り実施された。
直前まで激しい雨に見舞われ、当初の予定から10分ほど遅れた午後8時10分ごろ、東山・如意ヶ嶽で一画が「大」の字に点火。これに続き、ほかの文字や形も相次いで点火され、徐々に文字や形が夜空に浮かび上がっていく。
過去2年は点火場所が絞り込まれたため、形がはっきり分からなかったが、今年は本来の文字や形がくっきり。
送り火は、願い事を書いた護摩木や松を燃やし、「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の文字や形を浮かび上がらせ、厳かな雰囲気に包まれる。

りゅうぐう試料にケイ酸塩 生命の源の地球への運搬役

海洋研究開発機構の研究チームなどは、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した試料(サンプル)を分析し、宇宙から生命の源となる有機物が太古の地球に運び込まれる仕組みの一端を明らかにした。
サンプルには水を含む「ケイ酸塩」が有機物と混ざり存在していた。この有機物はセ氏30度以上の温度で分解してしまう。ただ、海洋機構では「粒が粗いケイ酸塩は熱などに強い。水や有機物を地球に運ぶ役割を果たした可能性がある」としている。
地上の隕石からも有機物は見つかっているが、地上まで無事に届ける方法は不明だった。研究チームは、これらの研究成果を8月15日付の英科学誌「ネイチャーアストロノミー(電子版)」に発表している。

終戦直前の「国民義勇戦闘隊」の資料見つかる

終戦直前の昭和20(1945)年6月に施行された「義勇兵役法」に基づき、本土決戦に備えて女性や少年を含めた一般国民が戦闘員となる「国民義勇戦闘隊」の資料が和歌山県で新たに見つかった。
今回見つかった資料から、村を挙げて編成された部隊の結成式が神社で行われたことや、陸軍の師団長の訪問を前に隊員名簿の整備や竹やり訓練などが行われ、戦闘態勢が構築されたことなどが記されている。
戦闘隊の編成表には、当時の村長をトップに地区ごとの部隊が詳細に書かれていて、幹部に女性の名前が並ぶなど多くの村民が戦闘員として動員された状況がうかがわれる。
当時の資料の多くは終戦直後に焼却処分され、詳細な記録は殆ど残されていないとされてきた。

徳島の阿波踊り 3年ぶりに本格開催 中止・縮小超え

徳島の阿波踊りが8月12日開幕した。新型コロナウイルス禍で中止や規模縮小が続いていたが、感染対策を徹底し、3年ぶりの本格開催となった。川沿いや大通りに設けられた市内4カ所の演舞場などで、太鼓やかね、笛によるお囃子の音色が戻ってきた。これらのお囃子に合わせ、今回の開催を待ちかねた踊り手たちが、流れるような女踊りや勇壮な男踊りを披露していた。

高知「よさこい祭り」3年ぶり期間・会場縮小し開催

高知の夏を彩るよさこい祭りが8月10〜11日、「よさこい鳴子踊り特別演舞」として開催された。新型コロナウイルス禍で開催は3年ぶり。コロナの記録的な感染再拡大中だけに、今回は期間を通常の4日間を半分にし、会場を高知市内16カ所のうち12カ所に縮小した。
コロナ禍前の高知よさこい祭りでは、県内外から200チーム、1万8,000人が踊りを披露していたが、今回は半分以下にし、感染対策を講じながら実施された。

すっきり大仏 奈良・東大寺で3年ぶりお身拭い

奈良市の東大寺で8月7日朝、本尊の国宝・盧舎那仏(るしゃなぶつ=大仏)のほこりを払う夏の恒例行事「お身拭い」が行われた。新型コロナウイルス禍の影響で3年ぶりで、大仏は久しぶりにすっきりした姿を取り戻した。
大仏の魂を抜く法要の後、身を清めて白装束に着替えた僧侶や関係者ら約140人が大仏殿に集結。巨大な手のひらや高さ約15mの頭頂部によじ登って、はたきではたくと、3年分のほこりが大仏殿に舞っていた。

藤原宮に大極殿後殿 橿原市で基壇跡見つかる

奈良文化財研究所は8月4日、奈良県橿原市藤原宮(694〜710年)跡の中枢部にあたる大極殿北側で大極殿後殿とみられる基壇(建物の土台)跡が見つかったと発表した。大極殿院の北西に約565㎡の調査区を設けて発掘。基壇は大極殿北端の土台から約11m北側で一部見つかり、全体の規模は推定で東西約50m、南北約16mになるという。
周囲には造営時の排水用とみられる溝が巡らされていて、基壇から西側に伸びる回廊跡も見つかった。柱や礎石などは発見されなかったが、基壇の規模や大極殿との位置関係から後殿の基壇と判断した。
初期の平城宮(奈良市)にも同様の後殿があり、同研究所は古代日本の宮都構造の変遷を考えるうえで重要な成果としている。

奈良時代の女官の勤務評価記した「木簡」見つかる

奈良文化財研究所によると、奈良市の平城宮跡から奈良時代の女性の役人、女官の勤務評価を記した木の札「木簡」が初めて見つかった。この女性は上司の信頼が篤かったか、年間329日も出勤していたことが記されていた。
この木簡は、およそ1,300年前の奈良時代前半のもので、長さおよそ17cm、幅およそ3cmで女性を意味する「牟須売」や、年齢を示す「年五十九」、年間の出勤日数とみられる「日参佰弐拾玖」という文字などが墨で書かれていた。女官の勤務評価を記した木簡が見つかったのは初めてという。
都で働く役人は、原則ひと月に5日の休日を取ることが定められ、男性の役人は年間300日未満の勤務が大半だった。
今回の木簡は平城宮跡の内裏の区画に近い水路の跡で2021年見つかった。

徳島 阿波踊り 最大規模で8/11〜15日開催決定

徳島市の「阿波おどり 未来へつなぐ実行委員会」は7月30日、新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、今夏の祭りを屋内外の最大規模で開催すると発表した。前夜祭を含め8月11〜15日に開催する。
屋外に有料・無料の演舞場を2カ所ずつ設け、舞台上で踊れる広場も用意。屋内の有料海上も運営する。観客らが踊りに加わる”にわか連”も認めるなど、例年に近い規模となる。こうした方針に沿って、徳島市内で8月1日、阿波踊りの有料演舞場の桟敷づくりが始まっている。