「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

京都・祇園祭の「鷹山」 200年ぶり復帰へ試し曳き

7月の京都・祇園祭の山鉾巡行に約200年ぶりに本格復帰する「鷹山(たかやま)」の保存会が5月4日、曳山(ひきやま)を製作してきた京都府京丹波町で試し曳きをした。懸装品(けそうひん)をを飾り付けて動かしたのは初めてという。本番を意識し、方向転換する際、竹を車輪の下に敷いて行う”辻回し”も練習した。
鷹山は応仁の乱(1467~1477年)の以前から山鉾巡行に参加していた記録はあるが、江戸時代の1826年に暴風雨で壊れ、翌年から巡行には出ていない。

「吉野ヶ里遺跡」未調査区域の発掘 10年ぶり再開

佐賀県文化財保護室によると、国特別史跡の吉野ケ里遺跡(所在地:佐賀県神埼市吉野ヶ里町)の未調査となっている区域で5月3日、10年ぶりとなる発掘調査が再開された。
調査区域は、今まで銅剣やガラス管玉などが出土した北墳丘墓の西側で、日吉神社の境内があった場所。神社の移転を機に発掘調査を再開することになった。この区域は森の中にあり、これまで本格的な調査が実施されていなかったため、「謎のエリア」と呼ばれて注目されている

京都・下鴨神社で3年ぶり流鏑馬 騎射の技披露

世界遺産の京都・下鴨神社(所在地:京都市左京区)で5月3日、流鏑馬(やぶさめ)神事の騎射(うまゆみ)が3年ぶりに行われた。京都三大祭(葵祭・祇園祭・時代まつり)の一つ、葵祭(あおいまつり、5月15日開催)の先駆けで、過去2年はコロナの影響で本殿での儀式だけが執り行われていた。
神事の中で行われる流鏑馬は、日本の伝統的な騎射の技で、疾走する馬の上から的に矢を射る。今回も古式に則り、公家や武家の姿をした射手(いて)が100m間隔の三つの的を狙った。矢が約50cm四方の杉板に命中すると、観客から歓声が上がっていた。

京・阪・奈結ぶ近鉄の観光特急「あおによし」運行開始

奈良、大阪、京都を結ぶ近鉄の新たな観光特急「あおによし」の運行が4月29日から始まり、記念セレモニーが近鉄奈良駅で行われた。雅楽が演奏され、天平時代の衣装に身を包んだ人たちなどが出迎える中、大阪難波駅を出発した第1便が午前10時すぎに到着した。
奈良の枕ことばにちなんで名付けられた「あおによし」は2021年2月に引退した特急の車両を改造したもので、4両編成の列車にゆったりと寛(くつ)げるように84の座席が配置されている。車内の壁や天井などに、天平文様があしらわれるなど、奈良を感じさせるデザインが特徴。
「あおによし」は奈良、大阪、京都の間で1日6便運行されるが、近鉄によると5月5日まで全列車の座席が予約で満席だという。

江戸期の”なにわ百景” 北斎らの作品230点展示

大阪中央区の大阪歴史博物館で、江戸時代に葛飾北斎らの浮世絵師が描いた大阪の絶景、およそ230点を集めた展示会が開かれている。6月5日まで。
これらの作品には当時の大阪の町や人々の生活の様子がうかがえる。葛飾北斎の「諸国名橋奇覧摂州天満橋」は大阪の代表的な夏祭り「天神祭」の風景を描いていて、橋の下では”船渡御”の船が行き交い、橋の上では多くの見物人でにぎわっている。また、歌川芳梅と芳豊が手掛けた「滑稽浪花名所」のシリーズでは、屋形船を乗り降りする人や、花火を見ていた人に起きたハプニングなどが、面白おかしく描かれている。

京都市京セラ美術館で「ポンペイ展」出土120点展示

京都市左京区の「京都市京セラ美術館」で、およそ2,000年前の火山の大噴火で埋もれた、イタリア南部・ナポリ近郊の古代都市の遺跡、ポンペイの美術品などを紹介する展示会が開かれている。
同展にはナポリ国立考古学博物館に所蔵されている遺跡の出土品などおよそ120点が展示される。このうち「踊るファウヌス」は、高さおよそ70cmの彫刻で体を強くねじる構図に当時の美術の特徴が表れている。また、直径20cmほどの「炭化したパン」は、ポンペイの街から見つかったとされていて、当時の生活を感じさせる。このほか、モザイク画の世界的な傑作とされる「アレクサンドロス大王のモザイク」をレプリカや映像で見ることができる。

聖徳太子1,400年忌「聖霊会」舞楽奉納 大阪・四天王寺

大阪・四天王寺(所在地:大阪市天王寺区)で4月22日、2021年10月に始まった聖徳太子千四百年忌の「御聖忌慶讃大法会」の結願となる「聖霊会」が、盛大に執り行われた。太子の魂を慰める1年で最も重要な法要で、華やかな装束をまとった人たちが石舞台で、今年は古式に則り、例年より大きな規模で舞楽を奉納した。

京都 祇園祭の山鉾巡行3年ぶりに実施へ

京都の「祇園祭山鉾連合会」は4月20日、祇園祭の山鉾巡行を新型コロナの感染拡大を防ぐため、開催時間を短縮し、参加者が密にならない対策などを講じたうえで、3年ぶりに実施すると発表した。山鉾巡行は新型コロナの影響で2020年、2021年と中止されており、実施は3年ぶりとなる。
京都の祇園祭は1000年以上の歴史がある祭りで、山鉾巡行は祭りのハイライトとして知られている。連合会によると、例年通り「前祭」は7月17日、「後祭」は7月24日に実施される。

南方熊楠の手紙,直筆原稿など23年2月に特別展

和歌山県白浜町の南方熊楠記念館はこのほど、同県出身の世界的な博物学者、南方熊楠(1867~1941年)が知人、植物・魚類研究者、宇井縫蔵らに宛てた手紙7点と直筆の原稿1点を入手、2023年2月に特別展を開いて一般公開する。これは同記念館が東京や和歌山などの古書店から購入した、全集未収録の貴重な収蔵品。熊楠ファンには一見の価値がありそうだ。