政府の中央防災会議の作業部会が3月31日、最大マグニチュード(M)9級の南海トラフ地震の新たな被害想定をまとめた報告書を公表した。今回の想定は、2012〜2013年に初めてつくられた前回想定以降の地震・津波対策の進捗状況を反映させた。それでも死者数は最大29万8,000人に上り、前回の同32万3,000人から8%減にとどまった。
要因別では建物倒壊が11%減の7万3,000人、津波が7%減の21万5,000人だ。津波の減少幅が小さいのは、浸水域(深さ30cm以上)が前回より3割拡大したからだ。そこで、高齢化が進む中、津波による犠牲者数の増減を決めるカギが、いかに早期避難を実現するかだ。今回の想定ではすぐに避難する割合(早期避難率)が低い場合(20%)と、高い場合(70%)を示した。これは過去の津波被害での避難状況に基づくもので、避難率20%で死者が最大となり、避難率が70%に上がれば死者は半減、100%になると7割減らせるとしている。
高齢化や人口減が進む中、迅速な避難が難しい災害弱者は確実に増える。しかし、生死を分けるカギが早期かつ迅速な避難だとすれば、そのための地域が一体となった対策が不可欠だ。
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関空国際線 夏ダイヤはピーク時週1,500便以上 過去最多へ
関西空港を運営する関西エアポートによると、3月30日〜10月25日の夏ダイヤでは、関西空港国際線の旅客便が7月のピーク時には1週間あたり1,517便に上ると見込まれている。コロナ禍前の2019年よりも6%増え、過去最多になる見通し。この背景には、4月13日に開幕する大阪・関西万博などに伴うインバウンド需要への航空各社の期待感があるとみられる。
2019年の夏ダイヤと比べると、中国本土便が週570便で15%増、韓国便が週377便で8%増、香港・マカオ便が週146便で18%増となっている。増便に伴い関西空港の飛行ルートが変更され、1時間あたりの発着回数の上限は45回から60回へ、1.3倍に拡大した。
「地域働き方・職場改革推進会議」新設 首相表明
一般会計115兆円 過去最大 25年度予算 2度の修正で成立
東京都墨田区の病院に”赤ちゃんポスト” 全国2例目
減り続ける銭湯 全国1,653軒で最少更新 燃料高で減少加速も
全国38の都道府県にある銭湯の組合でつくる、全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会のまとめによると、2024年の全国の銭湯の数は1,653軒で、前年より102軒減少し、過去最少を更新した。これは後継者不足や施設の老朽化などが主要因だが、ここ数年は燃料の高騰が続いて採算を窮迫。信用調査会社などによると、この状況が続けば減少が加速する可能性がある。
全国の銭湯は、ピーク時の1968年には1万7,999軒あった。それが家庭での風呂の普及のほか、事業者サイドの後継者不足や採算などで施設の老朽化が進み、廃業が相次いだ。そして、ここ数年は燃料費の高騰がが続き、2023年には1,755軒と、ピーク時の1割を切った。
厚労省 ”カスハラ” スーパー業界向け対策マニュアル完成
顧客の度をを超えた迷惑行為などのカスタマーハラスメント、いわゆる”カスハラ”を防ぐため、厚生労働省は業種別に企業が取り組む対策マニュアルをまとめる予定で、このほど第一弾、スーパーマーケット業界向けが完成した。これはスーパーの業界団体や労働組合などと検討した対応方法をまとめたもの。
具体的には不合理な問い合わせが繰り返される場合、管理職が対応を引き継ぎ、やめてもらうよう伝えることや、威圧的な言動に対しては「怖いです」などと自分の気持ちを率直に伝えることなどを挙げている。
また、企業の取り組みとして、被害にあったときの対応手順を策定し、従業員を対象にしたロールプレイング形式の研修を行うことなどを紹介している。
「業務の延長上」中居氏による性暴力と認定 第三者委
南海トラフ死者29.8万人 経済被害約292兆円 政府が想定
政府の中央防災会議の作業部会は3月31日、最大クラスのマグニチュード(M)9級の「南海トラフ地震」について、新たな被害想定をまとめた報告書を公表した。死者数は最大で29万8,000人、全壊焼失棟数は235万棟に上る。2012〜2013年の前回想定(死者数最大で32万3,000人、全壊焼失棟数238万6,000棟)時から、海岸堤防などは整備されたが、津波の死者はいぜんとして多く、全体として死者・全壊焼失棟数とも微減にとどまった。経済被害は物価高を反映し、前回の約237兆円から約292兆円に増えた。
震度6弱以上または津波高3m以上の自治体は、福島〜沖縄の31都府県764市町村(前回30都府県750市町村)となった。負傷者数と避難者数の最大はそれぞれ95万人、1,230万人。災害関連死も初めて試算し、東日本大震災や昨年の能登半島地震を基に2万6,000〜5万2,000人と推計した。