厚生労働省は、働いて一定以上の給与収入を得た高齢者の厚生年金の受給額を減額する「在職老齢年金」制度を見直し、減額する対象者を縮小する方向で調整に入った。現在は給与と年金の合計額が月50万円の基準額を超えると減額されるが、62万円や71万円に基準額を引き上げる案などを検討する。高齢者の”働き控え”問題を解消し、深刻化する人手不足に対応するためだ。
総務省の集計によると、2023年の就業者6,747万人のうち、65歳以上は過去最多の914万人に上り、働く人全体の13.5%を占めている。高齢者の就業率は25.2%で、4人に1人が働いている計算だ。
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ロシアのウクライナ侵略1,000日 民間犠牲者1万2,164人
G20首脳宣言「反保護主義」明記せず ”機能不全”の様相
主要20カ国・地域首脳会議が11月18日、ブラジル・リオデジャネイロで開幕し、首脳宣言を採択した。米国のトランプ次期大統領の2025年1月の返り咲きを控え、首脳らからはトランプ氏が掲げる関税引き揚げなど保護主義的な製作を警戒する声が出ていたが、首脳宣言に「反対」は明記されず、意思は反映されなかった。
宣言は、世界貿易機関(WTO)を中核とする「ルールに基づく、公正で、開かれた多角的貿易体制確保」の必要性に言及するにとどめられた。ウクライナ情勢についても「人的被害や食料、エネルギー安全保障等に関する悪影響を強調する」との表明にとどまった。その結果、ウクライナを侵略するロシアに対する非難や、保護守護への反対を明記しない中身の乏しい文書となった。
欧米と中露、新興・途上国「グローバル・サウス」で構成され、”世界の縮図”ともいえるG20は、それぞれの思惑が交錯して、いずれもが納得感の得られない結論しか出せず、安全に”機能不全”に陥っている。