JR東海によると、リニア中央新幹線のシールドマシンを使った工事が6月2日、愛知県春日井市で始まった。トンネルの掘削作業は、山間部では爆破させて掘り進める方法が主流だが、都市部ではこの方法は取りにくい。
名古屋市中心部から春日井市にかけての19.8kmは、地表から最深100mのところにシールドマシンで円筒状のトンネルを掘り、車両が通る空間をつくる。この工法は地上への振動や地下水への影響が少ないとされる。
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水産物輸出 中国抜きの市場開拓が大事 疑問含みの再開
日中両政府は5月30日、中国への日本産水産物の輸出再開に向けた手続き開始で合意した。この背景には、日本との関係改善を望む中国側の意向がある。1月に米国のトランプ政権が発足して以降、関税を巡って米国との対立が続いている習近平政権は、アジアの周辺国との関係改善を急いでおり、今回の輸入再開に向けた動きもその一環だ。
ただ、中国が本気で日本との関係改善を望んでいるのか疑わしい部分もある。現実に5月30日の中国外務省の副報道局長は原発処理水を「核汚染水」と呼んでいる。中国も参画した海水などのモニタリングで厳しい数値をクリアしていることが証明された後も、引き続き日本の原発処理水を核汚染水と表現し続けているのだ。また、輸入再開というが、日本産全体がOKというわけではなく、福島など10都県は除外されているのだ。あくまでも、いわば条件付き輸入再開に過ぎない。
とはいえ、巨大市場の中国の日本産水産物の輸入再開は、日本の水産業にとって追い風となる。水産事業者からは輸出再開への期待の声も出ている。しかし、今回の突然の中国による日本産水産物の全面禁輸措置で、水産事業者も壊滅的な打撃を受け、多くのことを学んだはずだ。
中国市場は常にいつ、日本として承服できない理由で、どうなるか分からないリスクがつきまとう市場だということを念頭に置くことだ。このため、中国側の需要増要請に応えすぎないことだ。中国の輸入停止を受けて、この間必死で当該事業者は東南アジアや米国など別の国・地域への販路の開拓を進め、ようやく他ルートを構築しつつある。中長期的に、これを引き続き強化・育成していくことだ。決して、一方的に中国側の意向に振り回されないことが大事だ。
現実に冷静に「販路が増えることで、良い条件の買い手と交渉することができる」とか、別の販路を確保した企業からは、中国への輸入が再開されても「すぐに中国への輸出を再開することは難しい」との声もある。
随意契約の備蓄米 大手コンビニも6/5から小分け販売開始
随意契約による政府備蓄米が6月5日から、大手コンビニでも販売開始されることになった。各社は先行しているスーパーなどでの5kg詰めではなく、1kgや2kgの小分けにして販売する方針だ。
随意契約で1,000トンを調達したファミリーマートは当初予定を1日早めて6月5日から東京と大阪の各10店舗で店舗で、1kg税込み388円で販売を始める。中旬以降、順次、全国の店舗へ広げていく。ローソンも500トンを随意契約で調達。1kg389円、2kg756円(いずれも税込み)で5日から東京と大阪の各5店舗で販売開始する。セブン-イレブン・ジャパンも500トンを随意契約で調達。セブン-イレブンは入荷し次第、2kg税込み800円余りで販売するとしている。
24年出生数 初の70万人割れ 出生率 前年比0.05㌽低下
遺伝性アルツハイマー病 iPS創薬で見つけた薬で最終治験
京都大学グループ、大阪の医薬品メーカー、東和薬品は6月3日、遺伝性のアルツハイマー病治療について、iPS細胞を薬の開発に応用する「iPS創薬」と呼ばれる手法で効果がみられた、パーキンソン病の既存の治療薬「ブリモクリプチン」にアルツハイマー病と関係する物質を減らす効果があることを見つけ、この実用化を目指し最終段階の治験を始めたと発表した。
グループはこれまで特定の遺伝性アルツハイマー病の患者を対象に治療を行ってきた。その結果、ブリモクリプチンを投与した患者は認知機能の低下など、症状の進行が抑えられる傾向があったという。そこで実用化に向けて、東和薬品が患者24人を対象にした最終段階の治験を5月から始めたことを明らかにした。
この最終治験は2028年3月まで行う予定で、有効性や安全性が確認できれば、治験が終了してから1年程度で国に承認申請したいとしている。
備蓄米含むブレンド米の店頭価格 地域で最大1,000円超の差
農林水産省は6月2日、備蓄米を含むブレンド米などの都道府県別の店頭価格を初めて公表した。これは農水省が全国のスーパーやドラッグストアなど334店舗での備蓄米を含むブレンド米の店頭価格を調べたもの。調査は5月29日に行われた。
これによると、いずれも消費税抜きで価格の中央値が最も高かったのは静岡県と三重県の4,280円、最も安かったのは北海道の3,215円で、価格差は1,000円を超えた。このほか、都市部では東京都は3,589円、愛知県は3,580円、大阪府は3,639円、福岡県は4,039円だった。コメの主要産地の宮城県は3,290円、秋田県は3,280円、新潟県は3,580円などとなっている。