衆院選で長引く物価高への対処策として、「チームみらい」を除き、自民党を含む主要政党が説得力ある代替財源を明示しないまま、消費税減税を打ち出している。高市首相(自民党総裁)は衆院選が表立って語られることがなかったときは、消費税減税には極めて慎重で、自ら触れることは全くといっていいほどなかった。ところが、おそらく自身が解散を決断してからだろう。
野党のほとんどが消費税減税や消費税廃止を物価高対策のメインに掲げたこともその要因だろうが、対抗して「2年間に限り食料品の消費税ゼロ」を打ち出した。そして、いまや高市氏自身が消費税減税へ”前のめり”な姿勢だ。これが今回の限られた選挙期間に、多くの有権者には最も伝わりやすいメッセージだと判断したからに他ならない。そんな様子に制度設計や財源も見通せていないだけに、政府・自民党内から懸念の声が出ているほど。
ところで、物価高対策として消費税減税が政策として本当に的を射ているのか?そうではないだろう。物価高への正しい処方箋は、企業活動で生産性と収益力を高め、高い賃上げを実現することのはずだ。したがって、ずばりいえば消費税減税は物価高対策の本筋ではないはずだ。
この論拠は①消費税は日本の場合、医療、介護、年金など社会保障の基幹財源である②減税により需要を増やすことは物価を押し上げる要因になる③投資家に財政健全化が後退したと受け止められれば円安を一層加速させる懸念があるーーなどのためだ。
とはいえ、2024年、2025年と2年連続で5%を上回る高い賃上げを実現したにもかかわらず、長引く物価高には追いつかず、実質賃金はマイナス基調のまま4年近くにもなる。今春闘は長いトンネルを抜け、実質賃金をプラスに転換させるべき局面だ。
大企業の業績はトランプ政権による高関税政策の悪影響をはねのけ、おおむね堅調だ。賃上げ余力は大きい。そこで、ポイントになる雇用の7割を占める中小企業に賃上げを波及させるため、原材料や人件費の上昇分を取引価格に円滑に反映=転嫁できるよう、政府の強力なサポートが求められる。それがなくては、中小企業はどこまで行っても救われない。
「つなぐ」タグアーカイブ
選抜高校野球 32校決定 横浜, 沖縄尚学など
25年世界販売トヨタ1,132万台で6年連続首位
日英首脳が会談 次期戦闘機の共同開発加速
ASEAN外相会議 ミャンマー総選挙 非承認
25年脳死臓器移植提供 過去最多の146件
トランプ氏 FRB議長にウォーシュ氏指名へ
英首相 8年ぶり訪中 経済協力拡大へ接近
英国のスターマー首相は1月29日、北京で中国の習近平国家主席と会談し、経済協力の拡大で一致した。英首相の訪中は2018年のメイ氏以来、8年ぶり。中国との経済・貿易関係の強化を最大の目標とし、製薬大手アストラゼネカや鉱物資源の世界大手アングロ・アメリカンなど、50以上の英企業・団体などが同行した。
昨年12月、フランスのマクロン大統領、今年1月、カナダのカーニー首相がそれぞれ訪中。さらにアイルランドのマーティン首相、フィンランドのオルポ首相ほか、2月にはドイツのメルツ首相の訪中も予定されている。
今回の英国のスターマー首相の訪中は、米国のトランプ政権が米国第一主義をかざし、国際秩序を軽視、蔑(ないがし)ろにする姿勢を強める中、対中関係改善に動く欧州各国の流れを強く意識させるものとなった。