米国とイスラエルによるイラン攻撃による戦火は、アラブ湾岸諸国への報復攻撃で広がりをみせている中、イラン戦争の先行き、決着点がほとんど見えなくなってきた。
今回の軍事作戦の目標は、イランの①核開発、ミサイル開発の阻止②体制の転換、親米政権の樹立ーーなどが指摘されていた。このうち、トランプ米大統領が空爆初日に敢行したハメネイ師の爆殺後、今回の有力な攻撃目標の一つとして挙げていたイスラム宗教者を国の最高指導者に置く、イランにおける「イスラム体制の転換」を全く口にしなくなったからだ。これは当初、意図していた体制の転換が、イランにおける政治のあり方や官僚体制のあり方から極めて困難と判断したとみられ、にわかに出口戦略が不鮮明になったのだ。
とはいえトランプ氏は3月2日、ホワイトハウスでメディアを前に、イランでの軍事作戦について「4〜5週間を予測していたが、すべての目標が達成されるまで期限を設けず、継続する」姿勢を強調した。そして、「これから”大きな波(大規模作戦)”がくる」と攻撃の強化・拡大方針を明らかにした。
しかし、鮮やかな作戦のもと成功したベネズエラのマドゥロ大統領捕縛作戦とは違い、イランはハメネイ師殺害計画こそ成功したものの、イスラム社会の事情、イラン国民の心情は複雑で、目標の一つでもある、”親米政権誕生”の絵は容易に描けない。そこで不本意ながら、長期戦を覚悟しなければ…との思いが去来するのか?
11月の中間選挙を有利に運ぶために、米国におけるトランプ相互関税の還付、後手に回る物価高対策など内政不人気から国民の目を反らせるため、格好の材料としてイラン攻撃に取り組んだはずだった。
だが、この特別作戦、事前に議会などに全く諮っておらず、トランプ氏が独断専行したもの。したがって、米国では圧倒的に「支持しない」とする人が多い。その意味では、政権の人気を落とす結果となっている。
戦況も順調と強調しているが、当初の思惑通りには運べていないもようだ。イランの出方により変わってくるだろうが、トランプ氏はイラン戦争の実りある決着点を、果たして見出だせるのか?
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高市首相の「国民会議」とは”まやかし”
2月8日投開票された衆院選で、野党の求める減税政策との”争点外し”に使われ、自民党と高市内閣の物価高対策の一つとして掲げられた「2年間に限って食料品の消費税を”ゼロ”とする」ことを協議するはずだった「国民会議」が始動、2月26日、第1回目の会合が開かれた。
しかし、この国民会議、野党からはごく一部の党が参加するだけで、一般有権者が選挙期間中に受け止めた内容とは大きくかけ離れたものだった。幅広い党や関係者らが参加するものではなく、国民会議とは名ばかりの会合だった。選挙を前にしての”まやかし”だった。
国民会議に対する一般有権者の理解は、当然のことながら、与党はもちろん全野党が参加し、有識者や場合によっては税の専門家も含めて参加して行われるものと思われた。ところが、参加を呼びかけられた野党は中道改革連合、国民民主党、チームみらいの3党のみ。参政党、共産党、れいわ新選組などは排除されている。
このうち、国民民主党、中道改革連合は①この国民会議で、何を、いつ、どこまで協議するのか、②透明性重視の観点から協議・内容の議事録を残すのかなどが明確でないーーなどから出席したのはチームみらいだけだった。
今のままの、まやかしの国民会議なら要らないのではないか。政府・与党が幅広い人たちから、様々な意見を聞きたいのであれば、タウンミーティングを開けばいい。でなければ、新たに国民会議など設けず、国会で時間をかけて協議すればいいのだ。
自民党は歴史的大勝利から第1回目の会合まで3週間近くの時間があったわけだから、この期間に日本維新の会を合わせた与党内で今回の国民会議で協議すべき内容や、スケジュールを含めた論点整理など叩き案をつくればよかったのだ。
ただでさえ、年度末まで時間がないのだから、新年度予算の年度内成立を目指したいなら、選挙公約で掲げた以上、何を置いてもやるはずだと思う。だが、それを全くやらず、いわば国民会議に丸投げしているのは、本気ではなく、自民党内も1枚岩ではないということだ。
食料品だけとはいえ、2年間の消費税「ゼロ」に反対し、この公約を疑問視している議員もいるということで党内ではまとめにくい。そこで野党も会議に組み込んでおけば、有権者の手前、進捗が遅れても与党だけが有権者の非難を受けずに済むからだ。
衆院選でかつてない3分の2の議席を獲得した与党の、数の力と人気の高さを背景に、国会審議を軽視して強引にことを進めようとする姿勢には、高市内閣のずる賢い、横暴さが垣間見れる。