国際医療拠点「中之島クロス」(所在地:大阪市北区)を運営する未来医療推進機構は5月16日、再生医療などの実用化を促進する英国の公的機関「セルアンドジーンセラピー・カタバルト」と連携協定を結んだと発表した。今後、人材交流やイベントの共催などを進める。
中之島クロスで開かれた同日の式典には、iPS細胞による心臓治療を目指す澤芳樹・未来医療推進機構理事長とマイク・ブライス駐大阪英国総領事が出席した。
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介護離職防止へ 休業制度の利用促進, 周知化が大事
厚生労働省は、親の介護を理由に仕事を辞めざるを得ない介護離職を防ぐため、改正育児・介護休業法に基づき、介護休業や介護休暇など仕事との両立支援制度を社員に周知するよう企業に義務付けた。だが、一向に同制度の活用が進まない。これには制度そのものが知られていないことがあるが、その最大の要因は職場の風土にある。超高齢社会の日本が抱える問題・課題の根深さがここにある。
これは、日本の経済成長とも密接に関わる論点でもある。介護離職は、企業にとって人材に流出となる。年間10万人を超える介護離職者の現状を放置し、増え続ければ企業にとって、そして日本の生産人口・経済全体のマンパワーの停滞につながる事態となる。介護休業制度の活用促進こそが日本社会を前進させると信じて対応することが求められる。
総務省の5年毎の調査で、2022年9月までの1年間に介護離職した人は10万6,000人と、高齢社会の進行に伴う要介護者の増加により、前回2017年の調査より7,000人増えた。一方、介護休業の取得者は親を介護する会社員らのうちわずか1.6%、介護休暇も4.5%にとどまっている。
介護離職者に理由を尋ねると。「取得しづらい雰囲気があった」が最多だった。親の介護については、個人の悩み事と受け止めたり、昇進への影響を心配したりして、「職場に言いにくい」と考える人が圧倒的に多い。このため、「職場に迷惑がかかるのがつらい」と答えている。「当然の権利」意識が浸透するには、まだまだ時間がかかりそうだ。
男性ホルモン「テストステロン」にアルツハイマー抑制効果
九州大学などの研究グループは、アルツハイマー型認知症について、男性ホルモン「テストステロン」が脳内の免疫細胞に作用し、発症を抑える効果を持つことが分かったと発表した。研究論文が科学誌「アドバンスド・サイエンス」に掲載された。
グループは老廃物を分解する脳内の免疫細胞「ミクログリア」とテストステロンの関係性に着目。アルツハイマー病患者やマウスから採取した脳組織などを解析した。その結果、テストステロンがミクログリアの分解機能を活性化して、たんぱく質の蓄積を抑え、その働きは女性より男性の方が活発であると結論付けた。
アルツハイマー病は脳でつくられるたんぱく質が分解されず、過剰に蓄積されることで病状が進むとされ、認知症の原因で最も多い。患者の3分の2を女性が占める一方、なぜ男女で発症率に差があるのか分かっていない。
コロナ特例貸付6割, 1,466億円が滞納 厚労省まとめ
厚生労働省のまとめによると、新型コロナウイルスの感染拡大期に困窮世帯を支えるため、1兆円超の国費が投じられた特例貸付制度で、2024年末までに返済期限を迎えた2,413億円のうち、6割にあたる1,466億円が滞納になっていることが分かった。厚労省は今年度から、督促や困窮者に対する支援の状況を把握したうえで強化を促す。
制度は、休業などで収入が減少した世帯が都道府県の社会福祉協議会(社協)を通じ、200万円まで無利子で借りられた。同制度でおよそ160万世帯が利用したとみられる。その結果、2020年3月〜2022年9月の貸付額は計1兆4,431億円に上った。
返済は2023年1月から順次始まり、2024年末までに期限を迎えた総額のうち、予定通り返済されたのは39%にあたる947億円。滞納額は61%にあたる1,466億円で、2023年末の660億円から倍増している。
厚労省は都道府県社協に対し、市区町村社協などが行う家庭訪問による督促の状況、就労や家計改善の支援といった取り組みを毎年度、報告するよう求める。貸付金の返済は2034年頃まで続く見込みで、生活改善が進めば滞納状況の改善につながると期待する。
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米価の中長期安定にゼロベースでいま政府がすべきこと
昨今のコメを巡る動きをみていると、政府は農政、コメ農家の中長期的なビジョンをゼロベースで考え直す時期にきているのではないか。
コメの減反政策の失敗、コメ生産農家から、集荷・卸・小売りに至る流通全般、JAに様々な役割・機能を担わせてきた経緯などすべて一旦、白紙に戻す。そして、この機会に生産農家の生計が成り立つような、コスト面からの適正価格、消費者が国産米ならいくらまでなら許容し購入するのか、それぞれ算出。それによって、国産米と輸入米を用途にひもづけする形で棲み分けしたらいいのではないか。例えば5kgあたり、輸入米なら3,000〜3,400円、国産米なら3,500〜3,800円といった具合に設定。この中で生産、流通、小売り、外食事業者らが採算が成り立つように政府が交通整理したらどうか。
いつまでも、様々な制約がある現状のコメに関する枠組みの中で、小手先で一部分だけを変えて運用してみても、ツギハギだらけでは制度として誰もが納得できるものにはならない。この際、中長期的視点から抜本的に見直すことが求められている。
<コメを巡る最近の動向>
2025年産米の作付けが本格化する中、集荷業者のJA(農協)や外食チェーン大手などが、今年収穫される2025年産米の「青田買い」に動き始めている。一方、国産米が高騰する中、イオンや西友など小売りや、牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスや、吉野家ホールディングス、「松屋」を展開する松屋フーズホールディングスなど外食業界では、米国カリフォルニア産、台湾産、ベトナム産など海外産米を活用する動きが加速している。
日本人の主食であるコメは、消費者から味や品質面で厳しい目が向けられ、国産信仰は根強い。だが、価格が昨年の2倍を超える水準で高止まりしたままでは、多くの消費者はさすがに背に腹は変えられず、国産品に比べ割安の海外産にも一定の評価が集まり、適性用途を形作りつつある。
こうした状況を踏まえて、卸売業者や商社による海外産米の輸入拡大の動きも活発化している。コメ卸大手の神明は7月頃までに約2万トンを輸入する予定で、すでに大半は成約済みという。総合商社の兼松も輸入量を当初予定していた年間1万トンを2万トンに引き上げる方向で検討しているという。